暑中お見舞い申し上げます。
いろいろ悩んだ末、
とりあえず、ジャズをナンバーワンで行こうかと思っております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
暑中お見舞い申し上げます。
いろいろ悩んだ末、
とりあえず、ジャズをナンバーワンで行こうかと思っております。
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『孤狼の血 LEVEL2』
2021年製作/日本映画/上映時間:139分/R15+/2021年8月20日日本公開
監督:白石和彌
出演:松坂桃李
西野七瀬 ほか
柚月裕子の小説を原作に、広島の架空都市を舞台に警察とやくざの攻防戦を過激に描いて評判を呼んだ、白石和彌監督による『孤狼の血』の続編です。
前作で新人刑事として登場した松坂桃李演じる日岡秀一を主人公に、3年後の呉原を舞台にした物語が完全オリジナルストーリーで展開します。
あらすじ
広島県警呉原東署刑事二課の日岡秀一(松坂桃李)は、マル暴の刑事・大上章吾に代わり、広島の裏社会を治めていた。しかし、上林組組長の上林成浩(鈴木亮平)が刑務所から戻ったことをきっかけに、保たれていた秩序が乱れ始める。上林の存在と暴力団の抗争や警察組織の闇、さらにはマスコミのリークによって、日岡は追い詰められていく。
(シネマトゥデイより)
柚月裕子による小説を『日本で一番悪い奴ら』などの白石和彌監督が映画化した続編で、前作から3年後の物語をオリジナルストーリーで描く犯罪ドラマです。
前作で新人刑事を演じた松坂桃李が引き続き続投。
そのほか、鈴木亮平、村上虹郎、西野七瀬、中村梅雀、吉田鋼太郎らが出演。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
前作が面白かったので、期待して鑑賞いたしました。
前作もAmazonプライムビデオにて鑑賞しました。
時間の都合でおさらいはできませんでした。
3年前に暴力組織の抗争に巻き込まれて殺害された、伝説のマル暴刑事・大上の跡を継ぎ、広島の裏社会を治める刑事・日岡。権力を用い、裏の社会を取り仕切る日岡に立ちはだかったのは、上林組組長・上林成浩だった。
悪魔のような上林によって、呉原の危うい秩序が崩れていく・・・。
1981年に黒澤明監督から「権威のない賞は認められない」とすべてのノミネートを拒否され、樹木希林さんが受賞スピーチで皮肉交じりに「日本アカデミー賞が本当に権威のある賞になってもらいたい」と言われた日本アカデミー賞。
東宝・東映・松竹ら大手映画会社の馴れ合いで決まるこの賞はアンビリーバボーな作品が候補になったり、「あの演技で?」と言ったお方が主演賞にノミネート(たまに受賞)することが多々あります。
2022年の第45回日本アカデミー賞において、東映配給の本作は最多13部門にノミネート。
当然、その多くの賞を受賞する予定でした。
しかし、予期せぬハプニングが・・・。
これまで相手にしていなかった濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が本家アメリカのアカデミー賞において、日本映画初の作品賞候補に。
大手配給会社の作品で無いこの作品をムシしたかったところ、それができなくなり、作品賞ほか全9部にノミネート、そのすべてで最優秀賞を受賞させるテキトーぶりを発揮。
・・・何が言いたいのか?と申しますと、日本アカデミー賞、いい加減、黒澤明監督や樹木希林さんの言葉の重みを理解しなさいと言うことです。
この映画が13部門ノミネートなど考えられないでしょう、普通に考えたら。
テレビ中継の視聴率と授賞式パーティのチケットを購入させるため、人気俳優を無理やりノミネートさせるのも恥ずかしいので、もうやめにしませんか?
原作には無いオリジナルのストーリーだと鑑賞後知りましたが、いろんなところで前作を超えられていないと感じてしまう作品でした。
やはり役所広司さんの不在は物足りなさを感じてしまいますし、シナリオがかなり雑に思え、ストーリー展開など不自然さや面白味に欠けるところが多かったです。
白石和彌監督は本当にこの映画を作りたかったのかという疑問も残りました。
前作もですが、『凪待ち』、『ひとよ』と言った監督の前の作品のような魅力が本作にはまったく感じられませんでした。
どことなくですが、監督のやる気の無さを感じてしまいました。
物語の舞台が平成初期なのですが、「時代が昭和に逆戻り」というセリフが多く登場しますが、映画の作りも昭和に逆戻り。
『仁義なき戦い』、『極道の妻たち』と言った東映のヒット作のテイストを入れたい意図は分かりますが、思いっきり失敗して古臭さしかありません。
効果音など令和の映画とは思えないショボさでピストルを撃つときの銃声が「ポン」と鳴ったとき、思わず失笑してしまいました。
鈴木亮平さんの演技は評価していいと思いますが、松坂桃李さんは演技力は問題無いのですが、キャラが合っていない感じがして最後まで違和感がありました。
この2人の共演と言うと、あの悪名高き『ガッチャマン』。
2人揃うと、駄作が生まれるという神話が誕生してしまったかもしれません。
西野七瀬さんに非難ゴーゴーですね。
わたしは乃木坂46に疎いので、彼女と白石麻衣さんの2人しか(現役・卒業生含め)知らないのですが、彼女にこの役を演じさせるには、年齢が若すぎたように感じました。
広島弁(?)も板についていなかったですし、まあ、完全に客寄せパンダでしたね。
可愛いのは認めますが・・・。
松坂桃李さん演じる日岡は射されても死なない。撃たれても死なない。2階から飛び降りてもケガしないと、まさに科学忍者隊。
鈴木亮平さん演じる上林がピアノ教師の女性を殺すシーン、目を親指で押しつぶすのですが、「どこかで観た気が・・・」と思ったら、『ブレードランナー ファイナル・カット』でロイがタイレル博士を殺害するシーンそっくり。
日本アカデミー賞が大嫌いな北野武監督が面白いヤクザ映画を作るのに腹を立てて、本家の東映が意地をみせた前作。
それは評価に値しますが、調子に乗った2作目である本作は「やはり武の映画には敵わないな~」と評価を逆戻りさせてしまうものになってしまいました。
続編を期待する意見もありましたが、とにかくシナリオですね。
『ガッチャマン LEVEL2』はどうなんだろう・・・と思ったら、剛力さんが?!
『コーダ あいのうた』
原題:CODA
2021年製作/アメリカ・フランス・スイス合作映画/上映時間:112分/PG12/2022年1月22日日本公開
監督:シアン・ヘダー
出演:エミリア・ジョーンズ
トロイ・コッツァー
マーリー・マトリン ほか
家族の中でただひとり耳の聞こえる少女の勇気が、家族やさまざまな問題を力に変えていく姿を描いたヒューマンドラマです。
2014年製作のフランス映画『エール!』のリメイク。
タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に育てられた子ども”」のことを言います。
本年度、2022年・第94回アカデミー賞において、作品賞・助演男優賞(トロイ・コッツァー)・脚色賞の3部門にノミネートされ、同3部門受賞。
あらすじ
とある海辺の町。耳の不自由な家族の中で唯一耳が聞こえる女子高生のルビー(エミリア・ジョーンズ)は、幼少期からさまざまな場面で家族のコミュニケーションを手助けし、家業の漁業も毎日手伝っていた。新学期、彼女はひそかに憧れる同級生のマイルズと同じ合唱クラブに入り、顧問の教師から歌の才能を見いだされる。名門音楽大学の受験を勧められるルビーだったが、彼女の歌声が聞こえない両親から反対されてしまう。ルビーは夢を追うよりも家族を支えることを決めるが、あるとき父が思いがけず娘の才能に気付く。
(シネマトゥデイより)
耳の不自由な家族の中で唯一耳が聞こえる少女が歌の才能を認められたことをきっかけに、夢と現実のはざまで葛藤する感動のドラマです。
『タルーラ ~彼女たちの事情~』などのシアン・ヘダーが監督・脚本を務めております。
Amazonプライムビデオにて鑑賞して鑑賞。
初めての鑑賞になります。
本年度アカデミー賞最優秀作品賞受賞の映画がこんな早く見放題で観れると知り、同部門ノミネートのスピルバーグの『ウエスト・サイド・ストーリー』、デル・トロの『ナイトメア・アリー』より先に(こちらはすでにDisney+で配信中)鑑賞いたしました。
海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。
新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが・・・。
聴覚障がい者の家族の中、唯一耳の聞こえる少女・ルビーが自分の夢と家族の生活との狭間で揺れ動く心をコミカルかつ感動的に描いた映画です。
今年のアカデミー賞は授賞式で別のことの話題が持ちきりで、作品賞や日本映画の受賞がまったく話題にならなかったある意味不遇な作品かもしれません。
・・・ちなみに、ビンタのリチャード王の映画も最近レンタルで配信スタートいたしました。
まず邦題ですが、さすがGAGAさんと言わざるを得ません。
『コーダ』は原題通りなので問題ないのですが、サブタイトルの『あいのうた』が問題。
わたしは邦楽はまったく聴かない・・・ワケでは無いのですが、この方の歌は聴いたことの無い、羊水(ひつじみずと読んでしまった)発言で有名な倖田來未さんの曲に「愛の歌」という作品があり、映画ファンの間から「倖田來未の映画と思われてしまう」と言われております。
もうGAGAさん(配給会社)に「いい邦題つけろ」と言うのは選挙に当選した議員に「公約守れ」と言うくらい不可能なことだと分かってはおりますが(そこまで酷くは無いかもしれませんが)アカデミー賞受賞するくらいの映画なので、もっと考えてもらいたかったですね。
倖田來未さんも寝耳に羊水だったかもしれません。
映画を観ていて驚いたのが、かなり下ネタのオンパレードだったこと。
我が家の風習からかもしれませんが、この手の話しは私の家庭では御法度で、家族揃ったところで○ックス(サックスではありません)という言葉を言っただけで父親から「そんな言葉を言うな!」とウィル・スミスを通り越し、星一徹のようなビンタが飛んで来たくらいでした。
そんな家庭環境で育ったせいか、あまり下ネタは好きではありません。
ですが、この映画の下ネタはかなり自分の中では笑えるレベルで、結構大声を出して笑ってしまいました。
ここまで下ネタ連発の映画で笑ったのは『メリーに首ったけ』以来ですね。
出演者は知らない人ばかりでしたが、お母さん役の方はもしかして・・・と思ったらエンドクレジットでマーリー・マトリンと知り、懐かしさと嬉しさを覚えました。
1987年の『愛は静けさの中で』に主演し、聴覚障がい者の女性で初のアカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。
翌年、プレゼンターとして登壇した彼女は振り絞るように自分が出せる最大の声でアカデミー賞主演男優賞ノミネートされている俳優の名前を読み上げ感動を呼びました。
そして本作でアカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァー。
このお父さんがいい味を出しているんですよね~。
アカデミー賞に相応しい演技だったと思います。
お二人のようにハンディキャップ=マイナスではない。
障害があっても、それを負にしないパワーがあることをお二人は証明したと思います。
高い崖から池に飛び込むという勇気を示すシーンがあります。
まさに人生と同じ。
立ち止まって震えていたって何も始まらない。
一歩踏み出すことで先に進める。
ありきたりな描写かもしれませんが、このシーンも良かったです。
青春映画としてのツボもしっかり押さえております。
とにかくルビーの姿が常に前向きで思わず応援したくなってしまうんですよね。
吹き替え無しのエミリア・ジョーンズの歌声に感動。
家族の温かさ、ルビーに情熱に胸が熱くなり、音楽の先生の思いやりに涙。
「泣ける」というコピーの映画で泣けることはまれですが、この作品は本当に笑って泣ける映画でした。
ハンディキャップを持つ人は他者より不幸では無い。
彼らも同じように懸命に前へ進み、そして力強く活きている。
そのようなことを教えられた映画でした。
昨夜鑑賞したのですが、まだ胸が熱く高鳴っております。
ここ数年、『パラサイト 半地下の家族』、『ノマドランド』と玄人向けの作品がアカデミー賞作品賞受賞しておりますが、本作は比較的万人向けのタイプの映画ではないかと思いました。
その代り毒は少なめです。
ぜひ、多くの方に観てもらいたい1本です。
『マローボーン家の掟』
原題:Marrowbone
2017年製作/スペイン・アメリカ合作映画/上映時間:110分/G/2019年4月12日日本公開
監督:セルヒオ・G・サンチェス
出演:ジョージ・マッケイ
アニャ・テイラー=ジョイ
チャーリー・ヒートン ほか
屋敷で暮らす兄妹が守ってきた奇妙な掟に隠された謎を巡るサスペンス・スリラーです。
『永遠のこどもたち』、『インポッシブル』などのJ・A・バヨナ監督が製作総指揮を務め、同2作の脚本を手掛けたセルヒオ・G・サンチェスが監督を務めております。
あらすじ
マローボーン家の4人兄妹は、森の中の大きな屋敷でひっそりと生きてきた。彼らは、母親が病気で亡くなり凶悪な殺人鬼である父親を殺害したことをきっかけに、不可解な現象に見舞われる。母の死後に生まれた五つの掟が次々と破られ疲れ果てた長男のジャックは、妹たちを守るためにある決断を下す。
(シネマトゥデイより)
『ジュラシック・ワールド 炎の王国』でメガホンをとったスペインの気鋭J・A・バヨナ監督が製作総指揮を務め、不気味な何かがうごめく屋敷に隠された謎に翻弄される兄弟の姿を描いたサスペンス・スリラーです。
『はじまりへの旅』のジョージ・マッケイ、『スプリット』のアニヤ・テイラー=ジョイら英米の若手俳優たちが出演。
dTVにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく見放題終了とのことと、アニャ・テイラー=ジョイお目当てで今回は本作を選びました。
7月20日、何やら”極秘結婚”とのニュースが飛び込んできましたが、遠く離れた日本にまで話題が届いたので”極秘”と言えないんじゃないかと思ってしまいした。
ご結婚、おめでとうございます。
森の中にたたずむ大きな屋敷で、不思議な5つの掟を守りながら暮らすマローボーン家の4人兄弟。忌まわしい過去を振り切り、この屋敷で再出発を図る彼らだったが、母親が病死し、凶悪殺人鬼である父親を殺害したことをきっかけに、明るい日々への希望はもろくも崩れ出す。
父親の死体を隠した屋根裏部屋からは不気味な物音が響き、鏡の中には怪しい影がうごめき、やがて掟が次々と破られていく。心身ともに追いつめられた兄弟の長男ジャックは、妹や弟たちを守るため、ある決断を下す・・・。
天井に染み込んだシミ。
決して覗いてはいけない鏡。
それらの謎が伏線となり、その意味が判明したとき、驚きの真実が・・・。
と、言った感じの幽霊屋敷ホラー的な作品です。
愛する母親が病に倒れてこの世を去り、屋敷に取り残された4人兄妹は、責任感の強い長男ジャックを中心に結束を確かめ合う。
ホラーと言うより、この兄弟たちの絆の強さを描いたドラマのように思いました。
※若干ネタバレあり※
ですが、怖いシーンも多くあり、スリルもありました。
ですが、結末は正直ある程度予想できるものでした。
同じスペイン系監督の『アザーズ』を思い出しました。
それに+でヒッチコックの名作『サイコ』。
なので、この映画の結末が特別目新しいとは思わなかったのですが、本作は伏線の張り方が上手いと感じました。
映画はこけおどし的ホラーでは無いので、静かなシーンの連続なのですが、そんな中、「あのシーンにはこんな意味があったのか~」と感心させられるものが多く用意されております。
兄弟を演じた俳優がいい味を出していたと思います。
アニャ・テイラー=ジョイは安定の美しさ。
ただ、悪役になる父親とポーターという男を演じた俳優は今ひとつでした。
「泣いた」というレビューが多い本作ですが、本当に感動的なエンディングが待っております。
弟たちを思いやる心優しい長男のジャックと、彼を見守るアニャ・テイラー=ジョイ演じるアリーの思いやり。
ジ~ンと心にしみるスリラーでした。
『リトル・シングス』
原題:The Little Things
2021年製作/アメリカ映画/上映時間:128分/日本劇場未公開作品
監督:ジョン・リー・ハンコック
出演:デンゼル・ワシントン
ジャレッド・レト ほか
『トレーニング デイ』のデンゼル・ワシントン、『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレック、『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャレッド・レトという3人のオスカー俳優が共演したクライムサスペンスです。
監督・脚本は『しあわせの隠れ場所』のジョン・リー・ハンコック。
あらすじ
訳ありの過去を持ち、現在はカリフォルニア州のとある郡の保安官代理を務めるディーコン(デンゼル・ワシントン)。野暮用で古巣のLA郡保安局に出向いた彼は、LAを現在騒がせている猟奇連続殺人事件を必死で捜査中の気鋭の巡査部長バクスター(ラミ・マレック)と出会う。犯行現場の検証に立ち会ったディークは、かつて彼が捜査に関わった過去の未解決連続殺人事件と、今回の一連の事件の犯行の手口がよく似ていることに気付き、バクスターの捜査に手を貸すこととなる。
(WOWOWホームページより)
LAで猟奇連続殺人事件が発生。訳ありの過去を持つ主人公は、捜査に必死の巡査部長と組んで独自の行動を開始し、やがて彼らの前に有力な容疑者が浮上する・・・。
日本劇場未公開作品のクライムサスペンスです。
ジャレッド・レトが第78回ゴールデングローブ賞(2021)の助演男優賞にノミネートされております。
Amazonプライムビデオにて鑑賞して鑑賞。
初めての鑑賞になります。
期間限定、¥100レンタルだったので、大好きなデンゼル・ワシントン主演ということもあり、借りてみました。
日本劇場未公開作品というのが気になりましたが、主演の3人の名前だけ見ると豪華に感じます。
1990年カリフォルニア州カーン郡の保安官代理を務めるディークは、事件の証拠集めのためロサンゼルスへ向かう。任務はすぐに終わるはずだったが、ディークは連続殺人事件の捜査に巻き込まれてしまう。
捜査の指揮を執るロサンゼルス郡保安局の巡査部長バクスターはディークの経験と鋭い勘を認め、彼と組んで容疑者を追い始める。しかし捜査を続けるうちに、ディークの暗い過去と不穏な秘密が浮かび上がり・・・。
「真実はひとつ!」と推理力を働かせ、真犯人、動機、殺害方法などを明確に当てまくる『名探偵コナン』が大好きな人は絶対観てはいけないデンゼル・ワシントン主演のクライムサスペンスです。
ロサンゼルスで若い女性の猟奇連続殺人事件が発生します。
その事件を追う保安官代理と巡査部長。
なのですが、本作は真犯人は誰だ?・・・的な物語より、人間の持つ暗い部分を追求したヒューマンドラマの要素が強い作品だと思いました。
結論から言ってしまうと、本作は真犯人は判明すること無く結末を迎えてしまいます。
ですが、「コイツじゃないか?」と思うジャレッド・レト演じるスパルマという男が怪しい雰囲気全開でかなり怖いです。
ジャレッド・レト、見事な名演。
ラミ・マレックも良かったですね。
『ボヘミアン・ラプソディ』以来の鑑賞でしたが、真犯人を追う若手刑事を好演。
そして事件の闇にのまれていく様は、これまた恐怖でありました。
工藤新一も金田一さんも登場しない本作は、それに慣れてしまった日本人にはかなりモヤモヤする映画だと思います。(これが日本劇場未公開作品になった理由かな?)
救えなかった若い命。
亡くなった女性の遺体にデンゼル・ワシントン演じるディークが話しかけるシーンが印象的です。
映画は過去の亡霊を祓うことと、贖罪を描いていると思いました。
過ちを犯してしまった男。
それを償いたいと願う気持ちとは対照的に、すでに戻れない闇へ堕ちてしまっている。
このようなオチは悪いとは思いませんが、映画は少し単調な作りでメリハリが無かったのが残念に思いました。
ですが、主演の3人の演技は必見。
やはりデンゼル・ワシントンはカッコいいです!(少しお太りになりましたが)
『記憶屋 あなたを忘れない』
2020年製作/日本映画/上映時間:105分/G/2020年1月17日日本公開
監督:平川雄一朗
出演:山田涼介
佐々木蔵之介 ほか
第22回日本ホラー小説大賞で読者賞を受賞した織守きょうやの小説を、「Hey! Say! JUMP」の山田涼介主演で映画化した作品です。
あらすじ
大学生の遼一(山田涼介)は、年上の恋人・杏子(蓮佛美沙子)にプロポーズするが、翌日から彼女と連絡が取れなくなってしまう。数日後に再会すると、彼女は遼一の記憶だけを失っていた。混乱のさなか、遼一は人の記憶を消せるという都市伝説的な“記憶屋”の存在を知り、大学の先輩で弁護士の高原(佐々木蔵之介)に相談する。そして幼なじみの真希(芳根京子)らに支えられながら、杏子が記憶を失った原因を探っていく。
(シネマトゥデイより)
「第22回日本ホラー小説大賞」読者賞を受賞した織守きょうやの小説を実写映画化した作品です。(映画はホラーではありません)
『鋼の錬金術師』などの山田涼介が主演し、彼の幼なじみを『累 -かさね-』などの芳根京子が演じております。
Amazonプライムビデオにて鑑賞して鑑賞。
初めての鑑賞になります。
日本映画を観たいと思っていたのですが、観たい映画が上映時間が長い(2時間20分超え)作品ばかりで、あまり時間が無かったので1時間50分以内で終わる作品という理由だけで本作を選んでしまいました。
それが悪夢の始まりとは知らず・・・。
大学生の遼一は年上の恋人・杏子にプロポーズするが、その翌日から彼女と連絡が取れなくなってしまう。数日後に再会した彼女は、遼一の記憶だけを失っていた。
信じられない思いの遼一は、人の記憶を消せるという都市伝説的な存在「記憶屋」のことを知り、大学の先輩で弁護士の高原に相談して杏子の記憶喪失の原因を探り始める。
幼なじみの真希や高原の助手・七海らと調査を進めるうちに、人々の中にある忘れたい記憶やその奥にある思いに触れていく遼一だったが・・・。
映画を上映時間だけで決めてはいけない。
そう実感させてくれる褒める要素が皆無の恐ろしい映画でございました。
記憶を消せる力ということで、2004年のミシェル・ゴンドリー監督の『エターナル・サンシャイン』を例に出している人もおりましたが、冗談やめてください。あの傑作と一緒にしないでもらいたい。
観ていて終始イライラの連続。
理由は登場人物が全員自分のことしか考えていない。
「ファンタジーなんだから」なる擁護派の意見もありましたが、そういう問題を通り越した意味不明、理解不能な描写のオンパレード。
佐々木蔵之介さん演じる弁護士は脳に腫瘍があり、いつ死んでもおかしくない状態。
そんな状態で自動車を運転して東京から広島へ行ってしまいます。
そこで芳根京子さんのお爺ちゃんに会うのですが、その爺ちゃん、認知症患っているにも関わらず、4年間に会った孫をしっかり覚えているし、ちゃんとした会話もできている。
こういうおかしな描写をファンタジーで済ませてしまっては不味いでしょう。
記憶屋に婚約者の自分の記憶を消されてしまった主人公。
その婚約者がある事件に巻き込まれたと知り、ショックで豪雨の中、泣き崩れる主人公。
もうそろそろ、こういう描写は失笑しか呼ばないと日本映画界は気づくべきなんですけどね。
否定派の人の多くがこのシーン「ドン引きした」と書いてありましたが、監督はこれで観客が感動してくれると勘違いしているんでしょうね。
ジャニーズに詳しくはありませんが、主演の山田涼介さん、たしか『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に主演していた記憶が。(こんな記憶は消されても構わないのですが)
・・・ファンの女性が嘆くように、もっといい作品に出演させてあげたいと思ってしまいますね。
お気の毒です。
それ以上に気の毒だったのが芳根京子さん。
今、注目の若手女優のはずなのですが、これはあまりに酷すぎます。
彼女の役は、まさに『エクソシスト』の悪魔そのもの。
『ジョーカー』ですら、人の心があると思ってしまいました。
キネマ旬報を全面的に支持しているワケではありましたが、やはりこんな酷い邦画を観るなら、キネマ旬報ベストテンに入っている映画にすべきだったかな?と後悔しております。
三谷幸喜監督の映画といい、本作といい、『記憶』とタイトルにつく日本映画は気をつけた方が良さそうです。
この映画の後だったら、シャマランの2作品、もっと高い評価になっていたかもしれません。
『ミスター・ガラス』
原題:Glass
2019年製作/アメリカ映画/上映時間:129分/G/2019年1月18日日本公開
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:ジェームズ・マカヴォイ
アニャ・テイラー=ジョイ ほか
『シックス・センス』などのM・ナイト・シャマラン監督が、『アンブレイカブル』の後日譚(たん)を描いたサスペンスです。
自分をスーパーヒーローと信じて疑わない3人の男性が集められ、禁断の研究が始まります。
あらすじ
ある施設で、特殊能力を有する3人を対象にした研究が始まる。そこには、悪を察知する力と不死身の体を持つデヴィッド(ブルース・ウィリス)、24種類の人格が同居する多重人格者のケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)、ハイレベルなIQと94回も骨折した繊細な肉体を持つミスター・ガラス(サミュエル・L・ジャクソン)が集まっていた。
(シネマトゥデイより)
M・ナイト・シャマラン監督がブルース・ウィリス&サミュエル・L・ジャクソン共演で送り出した『アンブレイカブル』のその後を描いたサスペンススリラーです。
同じくシャマラン監督作でジェームズ・マカヴォイ主演の『スプリット』とも世界観を共有します。
Disney+にて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
前回の記事で書いた通り、「毒食わば皿まで」精神で鑑賞いたしました。
この映画の感想によって、今度こそ正真正銘シャマランとお別れになります。
フィラデルフィアのとある施設に、それぞれ特殊な能力を持つ3人の男が集められる。不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド、24人もの人格を持つ多重人格者ケヴィン、驚くべきIQの高さと生涯で94回も骨折した壊れやすい肉体を持つミスター・ガラス。
彼らの共通点は、自分が人間を超える存在だと信じていること。精神科医ステイプルは、すべて彼らの妄想であることを証明するべく、禁断の研究に手を染めるが・・・。
2000年に製作された『アンブレイカブル』の続編と言っていいストーリーだったと思います。
劇中、サミュエル・L・ジャクソン演じるミスター・ガラスが「ここまで19年かかった」というセリフが登場しておりました。
『アンブレイカブル』でブルース・ウィリスの息子を演じた子役の人がそのまま出演していたのには驚きました。
『スプリット』に引き続き、ジェームズ・マカヴォイとアニャ・テイラー=ジョイが出演。
アニャ・テイラー=ジョイは本作でも美しさを披露しておりました。
ジェームズ・マカヴォイは今回も多重人格の男を好演していたと思います。
・・・と、褒められるところはここまで。
シャマラン、どうしたら、こんなに酷いシナリオが書けるのか教えてください。
『スプリット』は私財を投げ打って製作されたと今知りました。
長年ヒット作に恵まれず経済的に困っていたからでしょう。
その『スプリット』が世界的に大ヒットし、調子の乗って自作で一番の大ヒット作『アンブレイカブル』の続編を作った。
製作の理由だけは分かりました。
『アンブレイカブル』が製作された2000年にはヒーロー映画は『バットマン』シリーズくらいしかありませんでした。
しかし、本作が製作された2019年には『ダークナイト』3部作がすでに公開され、同じ年に『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開されております。
映画における”スーパーヒーロー”像が確立された今、なぜ『アンブレイカブル』に出てきた「コミックのヒーローは実在するか?」というテーマをふたたび描く理由が自分には分かりませんでした。
シャマランのDCやMCUへのアンチテーゼとして観れなくも無い作品ですが、あまりに細かい描写にツッコミどころが多すぎて笑いを通り越して呆然となりながら観ておりました。
19年間ボケ~と施設で暮らしていたミスター・ガラスがマカヴォイが来た途端、水を得た魚のように蘇り、スイッチが入り超人的行動に走る姿は「・・・」でした。
サラ・ポールソン演じるステイプル医師の目的はまったくの意味不明。
「自分を特別だと思っている人間を治療する」などと言っておりますが、ブルース・ウィリスの弱点やマカヴォイが凶暴にならない特殊な光を用意しているなど、しっかりご自身特別な能力を認めちゃっているという、いかにもシャマラン的バカバカしさ。
マカヴォイの父親とミスター・ガラスとの関連があまりにこじつけでガッカリ。
彼の最凶モードのビーストもただの怪力と壁歩きくらいで、せめて目からビ~ムくらいやってもらいたかった。
本当のヴィラン(悪役)はどこに存在するのか?
それ(だけ)はしっかり描いていたと思います。
最終決戦地に予定されていたフィラデルフィアにできた”オオサカ・タワー”はナカトミ・ビルのパロディですよね?
大列車事故でも死ななかったブルース・ウィリスが一般人の警官に殺されてしまう有様は、最後までブルース・ウィリス、コケにされたまま終わってしまいました。(涙)超人には人権は無いのね。
サミュエル・L・ジャクソンが出演した真のヒーロー映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のエンドクレジット後の映像で消えていくニック・フューリーが「Mother F×××」と言うシーン、韓国では「お母さん」と翻訳されたそうです。(全然違うよ)
今こそ、シャマランに言いましょう。
「お母さん」と。
「さよなら」。
(でもAmazonプライムビデオで新作『オールド』配信しているんですよね。やっぱり観ちゃうかも・・・)