『007/スペクター』
原題:Spectre
2015年製作/アメリカ映画/上映時間:148分/G/2015年12月4日日本公開
監督:サム・メンデス
出演:ダニエル・クレイグ
レア・セドゥ ほか
ダニエル・クレイグが4度目のジェームズ・ボンド役を演じる『007』シリーズ第24作。
あらすじ
ボンド(ダニエル・クレイグ)は、少年時代の思い出が詰まった生家“スカイフォール”で焼け残った写真を受け取る。彼はM(レイフ・ファインズ)が止めるのも無視して、その写真の謎を解き明かすため単身メキシコとローマを訪れる。死んだ犯罪者の妻ルチア(モニカ・ベルッチ)と滞在先で巡り合ったボンドは、悪の組織スペクターの存在を確信する。
(シネマトゥデイより)
イアン・フレミング原作『007』シリーズ第24作。
新たな敵、スペクターとジェームズ・ボンドとの死闘が描かれます。
レイフ・ファインズ、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリスら共演陣も続投。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
映画館以来の鑑賞になります。
初めてIMAXで観た映画が本作になります。
スカイフォールで焼け残った写真を受け取ったボンドは、そこに隠された謎を追って単身メキシコ、ローマと渡っていく。
その過程で悪名高い犯罪者の美しい未亡人ルキア・スキアラと出会ったボンドは、悪の組織スペクターの存在を突き止めるが……。
冒頭のメキシコシティのシーン。
1カットのロングショットを駆使した撮影テクニックに圧巻。
その後、ビルの崩壊、ヘリコプターのアクションとド派手なシーンから物語はスタートいたします。
亡きM(ジュディ・デンチ)の最期のメッセージを聞き、単身ローマへ向かうボンド。
そこで謎の組織・スペクターの存在を突き止める・・・。
前作『スカイフォール』がドラマ性を強くした異色のボンド映画だったのに対し、本作はこれまでのボンド映画の面白さを追求した作品になっていたと思います。
派手なアクションやセクシーな美女の登場とボンド映画のお約束要素が詰まっております。
悪の組織・スペクターの登場はオールド・ファンには嬉しいものになったのではないでしょうか?
初代・ショーン・コネリー版ボンド映画は”ボンドVSスペクター”という図式が多く描かれました。
メンデス監督は前作に引き続き、初代・ショーン・コネリー版ボンド映画に敬意を払っていると思いながら鑑賞いたしました。
美女と列車での移動など、旧作を観ているファンには思わずニヤリとしてしまうシーンが用意しております。
その列車内で巨漢の男との格闘アクション。
こちらはロジャー・ムーア版の『私を愛したスパイ』のオマージュに思えます。
ただ、ジェームズ・ボンドという男の人間ドラマが強く描かれた前作に比べ、本作は王道路線を狙いすぎ、ドラマ性は薄口になり、かなり荒唐無稽な描写も多くなりました。
また、それがボンド映画の面白いところでいいのですが、前作の完成度が高かった分、少し気になるところでもあります。
悪の組織・スペクターが思ったよりショボい。
ボンドガールのレア・セドゥの表情は今ひとつ。
長く感じる。
など、不満も多くある映画ですが、完成度の高い『スカイフォール』と比較しなければ十分楽しめるアクション映画です。
ただ、クレイグ版ボンド映画は単品では分かりづらい部分も多いので、少なくてもクレイグ版ボンド映画、過去3作品とできればショーン・コネリー版ボンド映画最初の4作を観ておけば、ベターです。
もちろん単品では楽しめないことはありません。
クリストフ・ワルツはどんな役を演じさせても上手いです。