『サード・パーソン』
原題:Third Person
2013年製作/イギリス映画/上映時間:137分/PG12/2014年6月20日日本公開
監督:ポール・ハギス
出演:リーアム・ニーソン
ミラ・クニス ほか
『クラッシュ』のポール・ハギスが監督・脚本を務め、パリ、ローマ、ニューヨークを舞台に3組の男女の関係と衝撃の結末を描く恋愛ミステリーです。
リーアム・ニーソンをはじめ、オリヴィア・ワイルド、ミラ・クニスなど豪華キャストが出演しております。
あらすじ
フランス、パリのホテルで執筆中のピュリツァー賞作家マイケル(リーアム・ニーソン)。愛人のアンナ(オリヴィア・ワイルド)にはほかに恋人がいた。イタリア、ローマ。アメリカ人の会社員スコット(エイドリアン・ブロディ)は娘をさらわれたという美しい女に会う。アメリカ、ニューヨーク。元女優のジュリア(ミラ・クニス)は以前夫だったリック(ジェームズ・フランコ)と息子の親権を争い、裁判費用のためにメイドとして働くことにする。
(シネマトゥデイより)
『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本家として知られるポール・ハギスが脚本・監督を務めたミステリードラマです。
パリ、ローマ、ニューヨークと離れた場所で織りなされる3組の男女の物語が交錯し、やがて驚きの真相にたどり着きます。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
ポール・ハギスの名前に惹かれ本作を選びました。
パリのホテルにこもり、最新作を執筆していたピュリッツァー賞作家のマイケルは、野心的な作家志望の女性アンナと不倫関係にあったが、アンナにもまた秘密の恋人がいた。
ローマのバーで出会ったエキゾチックな女性に心を奪われたアメリカ人ビジネスマンのスコットは、彼女の娘が密輸業者に誘拐されたと聞き、女性を助けようと決意する
ニューヨークに暮らす元女優のジュリアは、息子の親権をめぐって元夫と係争中。裁判費用を稼ぐため、女優時代に利用していた高級ホテルでメイドとして働き始めるたジュリアは、弁護士の助言に従い、裁判所からの心証をよくするために精神科医の鑑定を受けることになる。
パリ、ローマ、ニューヨーク。
それぞれの街で描かれる男女の物語。
それが最後に交差し驚きの結末を迎えることになります。
3つのドラマ、すべてに巧妙なトリックが仕組まれていて、それが分かった瞬間、「やられた」という気持ちになる作品です。
ただ、それ”答え”が決して分かりやすいものではなく、ここまで引っ張ってきて「これっ?」と思われる人もいるのではないでしょうか?
リーアム・ニーソン演じる作家が書きたいものと出会えず苦しむ姿は、脚本・監督のポール・ハギスの姿と重なるものがあるように感じました。
登場人物すべてが自分の居場所を探し、苦悩しております。
ポール・ハギスのハリウッドの体制に対する、自分の立ち位置の苦しさのようなものをキャラクターたちが代弁しているようにも思えます。
かなり凝った作りの映画で、観る人を選ぶ作品だと思いました。
出演している俳優がみんないい演技を披露しているので、それを楽しむのも手かと思います。
”サード・パーソン”とは「三人称」という意味だそうです。
それを知ってから観ると、また違った面白さを発見できる作品かもしれません。