『いぬやしき』
2018年製作/日本映画/上映時間:127分/G/2018年4月20日日本公開
監督:佐藤信介
出演:木梨憲武
二階堂ふみ ほか
「GANTZ」の奥浩哉による人気コミックで、テレビアニメ化もされた「いぬやしき」を、木梨憲武&佐藤健主演で実写映画化。
突然の事故をきっかけに、超人的な能力を得た初老のサラリーマンと高校生が、それぞれの目的で強大な力を行使するさまが映し出されます。
あらすじ
定年を控えるうだつが上がらない会社員・犬屋敷壱郎(木梨憲武)は謎の事故に巻き込まれ、目が覚めると見た目は変わらず、体の中はサイボーグになっていた。超人的な能力を手にしたことを自覚した彼は、その力を人のために使うことで存在意義を見いだすようになる。一方、犬屋敷と同様の事故で同じ能力を備えた高校生・獅子神皓(佐藤健)は、敵対する人間を全て消し去りたいと考え……。
(シネマトゥデイより)
奥浩哉の人気漫画を、「GANTZ」につづき奥作品の実写化を手がける佐藤信介のメガホンで映画化したアクション映画です。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
特にこれっ・・・と言った理由なしに観てしまいました。
原作は未読です。
会社や家族から疎外されている、定年を目前に控えた初老のサラリーマン・犬屋敷壱郎。医者から末期がんによる余命宣告を受け、虚無感に襲われる。
そんな犬屋敷は謎の事故に巻き込まれ、機械の体に生まれ変わる。犬屋敷と同じ事故に遭った高校生の獅子神皓も犬屋敷と同様に人間を超越した力を手に入れていた。
自分に背く人々を傷つけるためにその力を行使する獅子神。獅子神によって傷つけられた人たちを救うためにその力を使う犬屋敷。強大な力を手に入れた2人の男たちのそれぞれの思いが激しく交錯していく・・・。
佐藤健さんの悪役というのが面白く、また演技力も高く、すばらしかったと思いました。
映画的には、なぜ獅子神がここまで社会を憎むようになったかが少し描き方に不足している部分があるのを、佐藤健さんの演技がそこを上手くカバーしているように感じました。
木梨憲武さんですが、悪いとは思いませんでしたが、相手役が佐藤健さんでは、どうしても演技力の差を感じてしまいます。
余命わずかのしがないサラリーマンの哀愁みたいなものが演技から感じられなかったところ、奇跡のパワーで人々の命を救う喜びという感情を表現できていなかったのは正直残念です。
二階堂ふみさんですが、かなり強引な女子高生役でした。
出演シーンの少なさがもったいないですが、印象に残る演技を披露していたと思います。
三吉彩花さんは『ダンスウィズミー』の主演女優さんだったと鑑賞後知りました。
とてもステキな女優さんですね。
二階堂ふみさん同様、いい演技だったと思います。
父親を煙たがる今どき女子高生を上手に演じていおりました。
ただ、二階堂さん、三吉さんに限らず、本作の高校生役の人たち、高校生に見えるかと聞かれるとかなり苦しかったです。
CGは日本映画としては頑張っていたレベルですが、さすがにハリウッド映画には遠く及ばず。
ある事故が原因で主人公二人はサイボーグになるのですが、一緒にワンちゃんもいたので、後半にでもサイボーグ犬として登場すると期待して観ていたのですが、まったく登場せず。
そういう期待は見事裏切ってくれる映画でした。
本当に世の中にはびこる悪とは何なのかというテーマは描けていたと思いますし、退屈しない作りにはなっておりました。
ただ、ストーリーは何も解決しないまま終わっているので、続編ありきで製作されたのでしょうか?
木梨憲武さんのじいちゃんの息子が同級生からカツアゲに遭っていると知るシーンがあります。
このパワーを使って同級生をぶちのめすような描写があればスカッとするのですが、そういったものは一切なし。
全体的にアクション映画なのですが、爽快感が無いのが欠点と言えるかもしれません。
むしろ悪役の佐藤健さんの友人をイジメているヤツを懲らしめるシーンの方が楽しく思えてしまいました。
原作ファンからは非難の嵐みたいです。
コミック原作の映画化の難しさを浮き彫りにした作品かもしれません。