『ローズの秘密の頁(ページ)』
原題:The Secret Scripture
2016年製作/アイルランド映画/上映時間:108分/G/2018年2月3日日本公開
監督:ジム・シェリダン
出演:ルーニー・マーラ
ジャック・レイナー ほか
英国とアイルランドの文学を対象としたコスタ賞で「BOOK OF THE YEAR」に輝いた、セバスチャン・バリーの小説を、『マイ・レフトフット』、『父の祈りを』などのジム・シェリダン監督が映画化。
精神科病院におよそ40年も収容されていた女性の知られざる過去が明かされます・・・。
あらすじ
アイルランド西部。精神科医のスティーヴン・グリーン(エリック・バナ)は、取り壊されることになった聖マラキ病院の患者たちが転院するのに伴い、彼らの再診を行う。そこで自分が生んだ赤ん坊を殺したとして、約40年収容されているローズ・F・クリア(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)を診ることになる。自身の姓はマクナルティだと訴え、殺害を否認し続ける彼女にほかの精神障害とは異質のものを感じたグリーンは、彼女が聖書の中に日記を書いていたことを知り……。
(シネマトゥデイより)
アイルランドを舞台としたヒューマンドラマです。
主人公ローズを『ドラゴン・タトゥーの女』などのルーニー・マーラ、『ジュリエットからの手紙』などのヴァネッサ・レッドグレーヴが演じております。
共演は『きみがぼくを見つけた日』などのエリック・バナなど。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく見放題終了とのことで、本作を選びました。
ストーリーなど、まったく知らずに鑑賞。
取り壊しが決まった精神病院から転院する患者たちを診察するため、病院を訪れた精神科医のスティーブン・グリーンは、赤ん坊殺しの罪で精神障害犯罪者として40年もの間病院に収容されている老女ローズ・F・クリアを看ることに。
自分の名が「ローズ・マクナリティ」であると訴え続ける彼女は、赤ん坊殺しの罪を否認し続け、大切にしている聖書の中に何十年にもわたって密かに日記を書きつづっていた。興味を抱いたグリーン医師に、彼女は半世紀前からの自分の人生を語り始める。
映像の美しい映画です。
アイルランドの殺風景な景色が逆に独特の雰囲気を醸し出していて良かったです。
キャストの演技もすばらしかったです。
特に主演のルーニー・マーラはいつもながらの印象に残る演技でした。
・・・なのですが、物語自体は完全なメロドラマ。
それが悪いとは思わないのですが、出来すぎなところや、ご都合主義な展開が多いのが気になりました。
カトリックとプロテスタントとの違いや、アイルランドと英国の関係など、日本人にはあまり馴染みの無いものが主題として描かれるため、分かりづらいところも多かったです。
ローズは色情的で、多くの男を惑わす女と言われますが、この村に若い女性がローズくらいしかいないので、おばちゃんフェチな若い男以外はローズに声を掛けるのも当然と思ってしまいます。
ローズとパイロットの青年のロマンスも本来なら熱く描かれなければならないものも、なんとなく冷めたものになっており、情熱が感じられず。
そのパイロットの青年もナチスドイツに殺されたのなら分かるのですが、いくらアイルランド人が英国人を嫌いでも、戦争で戦っている兵士を殺害するという展開には「?」となってしまいました。
最大の弱点は途中で真相が読めてしまうところ。
なのでラストに衝撃は走らず、感動も少なめ。
40年もえん罪で収容されていたローズの人生を誰が償うのか?
そういったものをしっかり描いて欲しかったです。
エンドクレジット、『タイタニック』そっくりにしたのに意味があったのかな?
エリック・バナの役名が”グリーン”なのは、ハルクを演じたから?