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『ザ・コール〔緊急通報司令室〕』

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『ザ・コール〔緊急通報司令室〕』

原題:The Call

 

2013年製作/アメリカ映画/上映時間:94分/G/2013年11月30日日本公開

 

監督:ブラッド・アンダーソン

出演:ハル・ベリー

   アビゲイル・ブレスリン

   モリス・チェスナッット ほか

 

緊急通報指令室のオペレーターが、何者かに誘拐され車のトランクに監禁された少女からの通報を受け、通話だけを頼りに少女の救出に奔走するサスペンススリラーです。

主演は『チョコレート』でオスカーに輝いたハル・ベリー

 

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あらすじ

 

911緊急通報指令室のオペレーター、ジョーダン(ハル・ベリー)は、ある女性からの不法侵入者の通報が最悪な結果に終わり、自信をなくしていた。そんな折、少女ばかりをターゲットにする連続殺人鬼に拉致され、車のトランクに監禁された少女(アビゲイル・ブレスリン)からのSOSを受ける。携帯電話の通話だけを頼りに、ジョーダンはこれまでの知識と経験、能力の限りを尽くして少女の救出にあたるが……。

シネマトゥデイより)

 

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誘拐された少女からの通報を受けた911緊急通報指令室のオペレーターが、声だけを頼りに少女を救出しようと奮闘する姿を描いたサスペンススリラーです。

監督は『マシニスト』などのブラッド・アンダーソン

 

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Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

間もなく見放題終了とのことで、本作を選びました。

映画の存在すら知らず、予告編(YouTubeの日本版は画質が悪すぎたので、海外版を観ました)を観て面白そうと思い、上映時間もお手頃なので、「これがいいかな?」と思いました。

 

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ベテランオペレーターのジョーダンは、ある女性からの不法侵入者の通報が悲劇的な結末に終わり、悲嘆に暮れていた。

 

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自分の人生を見直そうと思案していたジョーダンだったが、そんな折、連続殺人鬼に誘拐された少女ケイシーが、車のトランクから命からがら911に電話をかけてくる。ジョーダンは、これまでの経験と知識、自分の能力の限りを尽くし、電話の声だけを頼りに少女の救出にあたる・・・。

 

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「こ、これは!」。

期待値はそこそこでしたが、面白い映画でテンポの良く、最後の最後までハラハラ・ドキドキしながら鑑賞いたしました。

 

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「蜂の巣」と呼ばれる緊急通報司令室という閉鎖された場所と、誘拐された少女の閉じ込められている自動車のトランクとこれまた閉鎖された場所。

その狭い空間だけで手に汗握るスリリングな展開を描いた監督の演出力の上手さ。

 

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今の時代、スマホなら居場所がすぐ分かるのですが、誘拐された少女が持っていたのは友人から偶然手渡されたプリペイド式の携帯電話。

GPS機能が使えない。

そんな中、トランクの中にあるものを伝え、その中から犯人の車が走るところを示すことの出来るものを考えるジョーダン。

 

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かつて自分のちょっとしたミスから通報してきた少女を死なせてしまった経験のあるジョーダン。

今度こそは助け出したいと懸命になる姿がカッコいいですね。

パニック状態にある少女に決してネガティヴなことを考えさせないよう会話していくところは「大変な仕事だな~」と思ってしまいました。

 

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・・・ただ、この映画のレビュー記事の多くで見かけられるラスト15分の展開。

 

近年の映画はエンタメ性よりリアリティを求める傾向が多いので、この展開は賛否両論・・・と言うより否定的意見が多いのもうなずけます。

一介のオペレーターが少女救出に動き出す。

簡単に監禁場所を見つけ出す。(LA警察は血眼になって探しているのに)

 

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サイコパス誘拐犯の目的が分かるシーン。

監禁場所の描写など、『羊たちの沈黙』そっくり。

ここは、もう少しオリジナリティを出してもらいたかった。

そして、ジョーダンと少女が取った最後の決断は・・・。

 

このエンディング、決して後味のいいものではありません。

ただ、ジョーダンが救えなかった少女を殺した犯人とこの誘拐犯が同一人物と知ったときのジョーダンの気持ちを考えると・・・。

 

このラストに不満を漏らしている方は、どんな極悪犯罪者も弁護士をつけて、正当な裁判で裁きを下すべきという考えの正義感・倫理観のある人だと思います。

少数派ですが、肯定的な人は極悪犯罪者に情けなど無用。

「目には目を。歯には歯を」精神で鉄槌を下すべきと考える(してやりたい)と思う心情的なタイプの人では無いかと勝手に推測しております。

自分はまったく気にならなかったので後者かもしれませんね。

 

こうした倫理的な意見が分かれるエンディングにしたのも、この映画の意図だと思います。

低予算の映画なのですが、とにかく良く出来た作品だと言うことは間違いありません。

映画にお金を掛けられない日本映画も見習ってもらいたい。