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『バリー・シール/アメリカをはめた男』

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バリー・シール/アメリカをはめた男

原題:American Made

 

2017年製作/アメリカ映画/上映時間:115分/G/2017年10月21日日本公開

 

監督:ダグ・リーマン

出演:トム・クルーズ

   ドーナル・クリーソン

   サラ・ライト ほか

 

航空会社のパイロットからCIAのエージェントに転身し、麻薬の運び屋としても暗躍した実在の人物バリー・シールの半生を、トム・クルーズ主演で映画化。

監督は『オール・ユー・ニード・イズ・キル』に続き、クルーズとタッグを組むダグ・リーマン

 

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あらすじ

 

民間航空会社のパイロットでトップクラスの操縦技術を持つバリー・シール(トム・クルーズ)は、CIAにスカウトされる。偵察機パイロットとなった彼は極秘作戦の過程で麻薬組織と接触し、麻薬の運び屋としても才能を発揮する。政府の命令に従う一方で、違法な密輸ビジネスで荒稼ぎするバリーだったが……。

シネマトゥデイより)

 

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トム・クルーズパイロットからCIAエージェントに転身し、麻薬の運び屋として暗躍した実在の人物バリー・シールを演じるクライムアクションです。

バリーの嘘のような人生がアクション、コメディ要素満載で描かれていきます。

共演はドーナル・クリーソン、サラ・ライトら。

トムが全て自分でこなしたフライトシーンにも注目。

 

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Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

間もなく見放題終了とのことで、鑑賞いたしました。

毎日、見放題終了作品をチェックしているのですが、ここのところ毎日、昨日まで掲載の無かった作品が1日で一気に10本ほど増えております。

この作品、劇場で見逃していたので、観たいと思っていたのですが、今日突如見放題終了作品に入っていて急いで鑑賞。

トムさんの映画では、トム・クルーズ作品が本作以外で『ザ・マミー~』、『マイノリティ・リポート』、『宇宙戦争』。

トム・ハンクスの作品が『フォレスト・ガンプ/一期一会』、『プライベート・ライアン』。

これらが今日1日で一気に見放題終了作品に入っておりました。

『ザ・マミー~』以外は観ているので2度目の鑑賞は諦めるしかありません。

 

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敏腕パイロットとして民間航空会社に勤務するバリー・シールのもとに、ある日CIAのエージェントがやってくる。CIAのスカウトを受けたバリーは、偵察機パイロットとしてCIAの極秘作戦に参加。作戦の過程で伝説的な麻薬王パブロ・エスコバルらと接触し、バリーは麻薬の運び屋としても天才的な才能を開花させる。

 

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エージェントとしてホワイトハウスやCIAの命令に従いながら、同時に違法な麻薬密輸ビジネスで数十億円の荒稼ぎをする破天荒な動きをするバリー。そんな彼にとんでもない危険が迫っていた……。

 

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実話、実在の人物を描いた作品ということで、実際のご本人のお写真を。

左が言うまでも無くトム・クルーズ

右が実際のバリー・シール。

「違い過ぎやしないか?」と言うのは野暮と言うものですが、やはりハリウッドの大スターは写真一枚でもオーラがありますね。

 

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面白かった!

予告編を観て、軽いタッチの作品かと思っていたら、1980年代のアメリカの闇の部分や、レーガン政権への痛烈な皮肉、世界の正義と勘違いし、共産主義を撲滅させることこそアメリカの使命みたいな今観ると「バカだな~」と思う描写(当時の政府は真剣だった)の数々と私好みの毒のある映画でした。

 

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映画的な作りは違いますが、タッチとしてはスコセッシ監督の『グッドフェローズ』、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のようなものを感じさせる映画です。

スコセッシ大好き人間の自分にはこの共通点もかなり気に入っております。

 

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俗に言う(か、どうかは分かりませんが)「メリーゴーランドのような人生を送るか?」、または、「ジェットコースターのような人生を送るか?」。

一流航空会社のパイロットであるバリーはそのまま定年まで勤めても、かなりのお金を手にすることが出来たはずです。

しかし、危険を伴うとは言え、普通では考えられない富を手にすることが出来る人生を彼は選択いたします。

 

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全編に漂う’80年代の雰囲気。

犯罪者に転落していくバリーの姿は本来なら切なく、虚しさのようなものを感じるのですが、トムのい笑顔が、何かアメリカ政府を出し抜く爽快感のようなものを感じさせるところがブラックユーモア効いていていいですね。

VHSのビデオテープ、ポケベル、大量のコインが積まれた公衆電話など、21世紀の現代に存在しないものを多様して描く演出も冴えていたと思います。

 

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原題を直訳すると「アメリカでの成功」。

1863年、当時の大統領、エイブラハム・リンカーンが唱えた「人民の人民による人民のための政治」という言葉。

その言葉とは正反対に、この映画で描かれるアメリカ、そしてレーガン大統領は己の大義や利益のために多くのアメリカ人を利用し、そして切り捨てます。

 

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先ほどのトム・クルーズとバリー・シール本人の写真の比較を見て、「似てない」と記載いたしました。

もし、この映画がロバート・デ・ニーロクリスチャン・ベイル主演なら、徹底した役作りで本人そっくりのルックスになると思います。

 

トム・クルーズと実話の物語。

このミスマッチ感をどう捉えるかで評価が分かれると思いますが、面白い犯罪ドラマであり、そして間違いなく”トム・クルーズの主演映画”としての魅力がある作品です。

まったく本人に似せないルックスのままの出演もトムのプライドと言っていいかもしれません。

 

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かつて、星条旗を胸に着けたジャケットで登場した『トップガン』に主演したトム・クルーズ

それ以来のパイロット役ですが、とても似合ってますね。

 

そのアメリカを欺いたつもりが、逆に利用されていただけというジェットコースターの人生を転落した男の物語。

トム・クルーズの笑顔は明るいですが、描かれているものはかなりダークなので、そこはご注意を。

 

※ネタばれを含みます。※

ラスト、巨万の富の生活を送ったバリーの奥さんが、かつて勤めていたケンターッキー・フライド・チキンでパートするシーンがあります。

大金とは縁の無い庶民的な仕事ですが、その腕には超高級の腕輪が・・・。

最後まで皮肉たっぷり。

オススメです。