『ジョーンの秘密』
原題:Red Joan
2018年製作/イギリス映画/上映時間:101分/PG12/2020年8月7日日本公開
監督:トレヴァー・ナン
出演:ジュディ・デンチ
スティーヴン・キャンベル・ムーア
ソフィー・クックソン ほか
スパイ容疑で逮捕された80代の老女の数奇な実話をもとにしたジェニー・ルーニーのベストセラー小説を、オスカー女優、ジュディ・デンチ主演で映画化。
平凡な老女がなぜ仲間や祖国を裏切るような行為に関わったのか、その真相が数奇な半生を通じて描かれます。
あらすじ
夫亡き後、イギリス郊外で穏やかな余生を送っていたジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)は、2000年5月、突然家を訪ねてきたMI5のエージェントに逮捕される。50年以上も昔、ロシアのKGBに核開発の機密情報を流したスパイ容疑だという。無罪を主張するジョーンだったが、彼女の息子で弁護士として立ち会うニック(ベン・マイルズ)も知らない過去が次々と明かされていく。
(シネマトゥデイより)
スパイ容疑で逮捕された女性の実話に基づくベストセラー小説を、名女優ジュディ・デンチ主演で映画化した作品です。
ジュディの出演舞台を多数演出してきたトレヴァー・ナンが監督を務めております。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
予告編を観て気になり、期間限定レンタル¥100を払って鑑賞いたしました。
夫に先立たれ、仕事も引退し、イギリス郊外で穏やかな一人暮らしを送っていたジョーン・スタンリーが突然訪ねてきたMI5に逮捕されてしまう。彼女にかけられたのは、半世紀以上も前にロシアのKGBに核開発の機密情報を漏えいしていたというスパイ容疑だった。
ジョーンは無罪を主張するが、外務事務次官のW・ミッチェル卿の死後に見つかった資料などから、彼女の驚がくの過去が次々と明らかとなる・・・。
映画とは直接は関係ないことから。
ジュディ・デンチ、老けましたね~。
本作は日本公開は後ですが、製作としては、あの”ネコのミュージカル”よりは前。
本作でもセリフを話す声も少しかすれ気味。
それを考えれば、ミュージカル映画に出演すべきでは無かったと思うのですが・・・。
「晩年を汚す」という言葉がありますが、なぜ、あんな酷いミュージカル映画に出演してしまったのかが悔やまれます。
ソ連に核開発の情報を漏らしていたのが、実は普通のお婆ちゃんだったというのは事実らしいのですが、彼女の若き日の描写はほとんどがフィクションとして描かれております。
広島、長崎に原子爆弾が投下され、その威力の恐ろしさを知ったジョーンは「東西陣営のどちらか片方だけが核兵器を持つと再び大きな戦争が起きてしまう」と危惧し、世界のバランスを保つため、ソ連に核開発の情報を漏らしてしまいます。
彼女の主張は一見正しいようにも思え、単なる屁理屈にも思えてしまいます。
そのような危険なものはどこの国も所持しないことが賢明であるのは間違い無いのですが、一国でも手にしていれば、他国も追随することは間違いありません。
本当に彼女の判断は正しかったのか?
・・・ただ、映画的な脚色なのですが、ジョーンという女性がとにかくいろんな男とくっつきまくり、お尻の軽い女性として描かれてしまっているので、そこまで立派な主張をしている頭のいい女性に観えなくなってしまっているのが残念。
全体的にメロドラマのような出来のスパイ映画ですが、最後のジュディ・デンチのセリフに本作の伝えたかったメッセージすべてが集約されているような気がいたしました。
大量殺戮兵器開発の恐ろしさが伝わりますが、私の世代ですと、『ウルトラセブン』第26話「超兵器R1号」というエピソードの方が重さを感じます。
ジョージ・フェントンの音楽が美しかったです。
日本は被爆国です。
このような兵器が2度と投下されることの無い世界であることを切に願います。
そのような気持ちになる映画でした。