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『ギリシャに消えた嘘』

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ギリシャに消えた嘘』

原題:The Two Faces of January

 

2014年製作/イギリス・フランス・アメリカ合作映画/上映時間:96分/G/2015年4月11日日本公開

 

監督:ホセイン・アミニ

出演:ヴィゴ・モーテンセン

   キルステン・ダンスト

   オスカー・アイザック ほか

 

太陽がいっぱい』の原作者として知られるパトリシア・ハイスミスのサスペンス小説「殺意の迷宮」を、今作が初監督となる『ドライヴ』の脚本家ホセイン・アミニにより映画化。

1960年代のアテネを舞台に、詐欺を働いて逃れる詐欺師とその妻に出会った青年を待ち受ける運命が描かれます。

 

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あらすじ

 

1962年、ギリシャアテネでツアーガイドをして生計を立てている青年ライダル(オスカー・アイザック)は、旅行で来たというチェスター(ヴィゴ・モーテンセン)とコレットキルステン・ダンスト)の夫婦とパルテノン神殿で出会う。彼らのガイドを申し出たライダルだったが、その夜に宿泊するホテルに現れた探偵をチェスターが殺してしまう。混乱したまま死体の片付けを手伝ったライダルは、チェスターが投資家たちから高額の金をだまし取って逃走中の詐欺師であることを知る。

シネマトゥデイより)

 

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パトリシア・ハイスミスの小説「殺意の迷宮」を基にしたサスペンス映画です。

監督は『ドライヴ』、『47RONIN』などの脚本を手掛けてきたホセイン・アミニ

『グリーンブック』のヴィゴ・モーテンセン、『ドリーム』のキルステン・ダンスト、『スター・ウォーズ』シリーズのオスカー・アイザックと実力派が揃っております。

 

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Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

原作者・パトリシア・ハイスミスの名前とキャスティングに惹かれ鑑賞いたしました。

 

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1962年、ギリシャアテネでツアーガイドをしているアメリカ人青年ライダルが、パルテノン神殿で優雅なアメリカ人紳士チェスターとその妻コレットと出会う。

 

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夫妻に魅了され、彼らのガイドを務めるライダルだったが、チェスターがホテルの部屋に現れた探偵を殺害し、ライダルがその後始末を手助けしたことから3人の運命は激変。警察にも追われる身となった3人は、後戻りできない破滅への道を突き進んでいく・・・。

 

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自分が初めてパトリシア・ハイスミスの作品に触れたのが、テレビで鑑賞した1960年の『太陽がいっぱい』。

アラン・ドロンのイケメンぶりとニーノ・ロータの美しい音楽、衝撃のラスト。

まだ熱狂的映画ファンになる前に観た映画でしたが、とても面白いと感じました。

次が、これもテレビで鑑賞した1951年のアルフレッド・ヒッチコック監督の『見知らぬ乗客』。

ヒッチコックの作品にマッチしたストーリーで、これも面白かったです。

 

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3度目の出会いになる1999年のアンソニー・ミンゲラ監督の『リプリー』。

太陽がいっぱい』と同じ原作の映画ですが、まったく異なる内容で、サスペンスと言うより同性愛を描いた作品で、こちらがより原作に忠実と感じ、改めて驚きを感じたのを覚えております。

4度目が2015年(製作では本作より後)のトッド・ヘインズ監督の『キャロル』。

こちらは完全に同性愛をテーマにした作品で、ケイト・ブランシェットルーニー・マーラの切ない恋が描かれ、胸が熱くなりました。

 

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5度目のパトリシア・ハイスミスの作品の本作は、『太陽がいっぱい』のタッチで描かれたサスペンスだと思いました。

監督も意図的に『太陽がいっぱい』に似せた作りにしていたように思いました。

 

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他者への憧れやジェラシー。

ギリシャに住むアメリカ人青年ライダルが、父親が亡くなったという知らせを受け取る。

あまり上手くいっていなかった父親との関係で帰国しなかったライダル。

その前に裕福そうな夫婦が現れる。

夫に自分の父親の姿を重ね、夫婦に近づいていく・・・。

 

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ヴィゴ・モーテンセンが1958年生まれ。

キルステン・ダンストが1982年生まれ。その年の差24。

劇中でも「親子ほど年の離れた夫婦」というセリフがありましたが、キルステン・ダンストが老け顔(失礼!)なので、そう見えませんでした。

 

「ヒロインがおブスな映画」と言っただけで、サム・ライミ版『スパイダーマン』3部作と分かってしまうほど、日本人に好まれていないお顔のキルステン・ダンスト

本作でもライダルを魅了してしまうようなルックスには思えなかったのが惜しいと感じてしまいました。

 

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ギリシャに降りそそぐ太陽の光。

それに照らされる街並みや建造物がよりきらびやかで美しく感じます。

 

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父親の面影と追いかけてしまった男には裏の顔があった。

ある事件をきっかけに、夫婦とライダルは逃亡することになる。

 

この逃避行のシーンはハラハラした展開で面白かったです。

 

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「子供は父親に期待しすぎる。成長するにつれ落胆するものだ」。

このセリフがすべてを語っているかのように、何かに過大なものを求めてしまうと、逆にその代償はより高くついてしまう。

そのようなメッセージが込められた物語のように感じました。

 

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ヴィゴ・モーテンセンが渋くカッコ良かったですね。

逃亡劇の終着点となるイスタンブールのシーンは『第三の男』を彷彿させるものでした。

 

太陽がいっぱい』同様、人間の心理を追求したサスペンスだと思いましたが、さすがに『太陽が~』には及ばず。

監督も初監督作品ということで、演出にメリハリが無かったです。

キャスト3人の演技は良かったです。

 

ギリシャ産ドーナツがもの凄く美味しそうでした。