『砕け散るところを見せてあげる』
2020年製作/日本映画/上映時間:127分/PG12/2021年4月9日日本公開
監督:SABU
出演:中川大志
井ノ脇海 ほか
アニメ化された「とらドラ!」、「ゴールデンタイム」などの竹宮ゆゆこの長編小説を実写映画化した作品です。
正義感の強い男子高校生が、女子生徒をいじめから救おうと奮闘する姿が描かれます。
あらすじ
大学受験が目前に迫る高校3年生の濱田清澄(中川大志)は、みんなから嫌われている1年生の蔵本玻璃(石井杏奈)がいじめに遭っている現場を偶然目撃する。人一倍正義感が強い清澄は彼女を助け、その一件をきっかけにいじめから玻璃を救おうとする。
(シネマトゥデイより)
竹宮ゆゆこの同名小説を『ReLIFE リライフ』の中川大志、『ガールズ・ステップ』の石井杏奈主演、『蟹工船』のSABU監督のメガホンで実写映画化。
共演には井之脇海、清原果耶、松井愛莉、北村匠海、原田知世、堤真一ら豪華キャスト。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
主演ではありませんが、清原果耶ちゃんお目当てで、期間限定レンタル¥100で鑑賞いたしました。
原作は未読です。
1枚目のポスターの写真の公開日と実際の公開日が違うのはコロナ禍の影響です。
平凡な日々を送る高校生の濱田清澄は、ある日、学年一の嫌われ者と呼ばれる孤独な少女・蔵本玻璃(くらもと・はり)に出会う。
正義感の強い清澄は玻璃に救いの手を差し伸べ、玻璃はそんな清澄に対して徐々に心を開いていく。しかし、玻璃には誰にも言えない秘密があった。その秘密に気づき始めた清澄に、恐るべき危険が迫り……。
ヒーローに憧れる高校3年生の男子とイジメを受けている高校1年生の女子高生とのキラキラした青春ラブロマンス・・・と見せて、後半から急展開を迎える。
かなり衝撃的な作品で、観終わった今も少し震えがあるくらいです。
『ReLIFE リライフ』に引き続いて、中川大志さんがいい味を出しております。
イジメを受けている下級生を放っておけず、助けてあげる姿はカッコ良かったです。
イジメのシーンがかなりリアルで観ていて辛く感じました。
石井杏奈さんの怯える演技がとても上手で、観ているこちらも主人公同様「助けて、守ってあげたい」という気持ちになります。
「どうしたらそんなふうに強くなれますか?」と玻璃は聞く。「ヒーローがヒーローでいるのに、理由なんてあるか?」と清澄は答える。
この2人のやり取りが心打たれます。
「ヒーローは自分のためには闘わない」。
弱き者、困っている人のため立ち上がるのが正義。
それを実演する清澄の姿は自分が子どものころ観て、憧れたヒーローと重なって観えます。
清原果耶ちゃんは主役では無いので、出演シーンはそれほど多くはありませんが、印象に残る演技を披露しておりました。
やはり、この人は何か持っているのは間違いないですね。
すばらしいです。
矢田亜希子さんが清澄の母親役で出演しておりますが、この人は特に何も持っていないと思いますが、この作品で初めて矢田亜希子さんの演技が(それなりに)良かったと思いました。
ハズレのキャストがいない日本映画というのは、本当に珍しく貴重です。
センチメンタルで、少し甘酸っぱい感じの青春ラブロマンスから、後半、急降下するような恐るべき展開になるのも凄かったと思いました。
この展開は好き・嫌い分かれそうですが、基本的にラスト1秒まで愛を貫き、愛が込められたラブストーリーであることは間違いありません。
少しグロいシーンもありますが、終盤は『インターステラー』のような描写もあり、心が温まりました。
大の大人が正義を信じ、ヒーローに憧れる。
それがバカバカしく無く、まさに正当だと思える作品です。
好きな女の子のためなら、どんな困難にも立ち向かっていく。
これは映画のキャラクターだからでは無く、家族のため懸命に働く世のお父さんにも共通するもののように思えました。
すべての人たちがヒーローだと思える作品です。
若い俳優さんがすばらしい演技をしてくれると映画ファンとしては本当に嬉しくなります。
近年観た日本映画の中でも文句なしにベストに入る1本です。
おはぎが食べたくなった・・・。