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『アンダー・ザ・シルバーレイク』

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アンダー・ザ・シルバーレイク

原題:Under the Silver Lake

 

2018年製作/アメリカ映画/上映時間:140分/R15+/2018年10月13日日本公開

 

監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル

出演:アンドリュー・ガーフィールド

   ライリー・キーオ

   トファー・グレイス ほか

 

『イット・フォローズ』で世界的に注目を集めたデヴィッド・ロバート・ミッチェルがメガホンを取ったサスペンスドラマです。

ロサンゼルスのシルバーレイクを舞台に、恋した女性の行方を捜す主人公の悪夢のような出来事が描かれます。

 

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あらすじ

 

サム(アンドリュー・ガーフィールド)は、ビッグになりたいという漠然とした夢を抱えて、ロサンゼルスのシルバーレイクにやって来る。だが現実は厳しく、仕事がない彼は家賃すら払えなかった。やがてサムは、向かいに引っ越してきた美しいサラ(ライリー・キーオ)に恋をする。何度かデートするが、ある日彼女は姿を消してしまう。

シネマトゥデイより)

 

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『沈黙 サイレンス』のアンドリュー・ガーフィールド主演のサスペンススリラーです。

共演は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のライリー・キーオ。

 

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Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

予告編で興味を持ち、今注目の映画製作会社A24の作品と言うことで、今回は本作を選びました。

 

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セレブやアーティストたちが暮らすロサンゼルスの街シルバーレイク。ゲームや都市伝説を愛するオタク青年サムは、隣に住む美女サラに恋をするが、彼女は突然失踪してしまう。

 

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サラの行方を捜すうちに、いつしかサムは街の裏側に潜む陰謀に巻き込まれていく・・・。

 

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ハリウッド近くの“芸術の街”シルバーレイクを舞台に、オタク青年が美女の失踪事件を追うストーリーです。

町山智浩さんのお話しですと、かなり変わり者が多く住む街だそうです)

序盤はどことなくヒッチコックの作品を思わせる展開になっております。

 

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サスペンス・タッチの展開を保ちつつ、徐々にデヴィッド・リンチの作品のような奇妙な人物が登場しだし、まるで主人公は何者かに操られているかのような気持ちにさせられます。

 

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前日鑑賞した『マイ・インターン』と真逆を行く、変人しか登場しない、奇妙な物語で、エロさ、グロさ満載のサスペンス映画です。

 

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この手の作品は観る人を選ぶので、yahoo!レビューなどの平均点は低かったです。

ですが、評論家にはウケる・・・と思っておりましたら、シネマトゥデイの短評もあまり高評価はありませんでした。

 

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・・・なのですが、私は結構好きです。

序盤のブロンド美女に惹かれる主人公が彼女を追う姿は、ヒッチコックの名作『めまい』を彷彿とさせる展開。

音楽もどことなく、バーナード・ハーマン風の曲が使われていたのも良かったです。

 

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夢の都・ハリウッドが悪夢に姿を変える。

主人公は消えた美女を捜すうち、想像出来ないような体験をする。

 

太陽が照りつけ、スターが住む豪邸の横を走る主人公が知らぬ間に闇に飲まれていく。

 

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デヴィッド・リンチが『ラ・ラ・ランド』を作ったら、こんな映画が出来上がった。

と、言えるような内容ですが、自分はやはりヒッチコックのタッチが強く映し出された作品だったように思います。

 

美女との出会いはバルコニーから除き見ていたころから。(『裏窓』)

そしてブロンド美女に惹かれ引き込まれていく。(『めまい』)

 

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しかし、序盤に伏線を張ったものは一切回収されず、逆に謎を残すストーリー展開はヒッチコック作品と大きく違うところ。

サスペンス映画なので、バッドエンドでも真相がハッキリする、謎が解けると言った展開なら満足する人もいると思いますが、それが無いのが多くの人に否定されてしまう理由だと思います。

 

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自分は『新世紀エヴァンゲリオン』(テレビシリーズ)の大ファンなので、謎を残したまま終わる・・・というのに慣れて(?)しまっているのか気になりませんでしたが、(『新劇場版』は分かりやすい作りにしてくれましたね、庵野秀明監督)「時間の無駄だった」、「真面目に推理してバカみたいだった」というお怒りのレビューもごもっとも。

 

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ですが、映画は必ずしもスッキリ・サッパリで終わらなければならない・・・と言うことも無いと思うワケで、日本昔ばなしのように「めでたし、めでたし」で終わらなければ気が済まない方には『マイ・インターン』のような映画をオススメいたします。

 

本作は夢の叶う街・ハリウッドで夢破れ、虚構に飲まれ転落する男の物語と言えます。

実際、そのような人はハリウッドという街では多いのではないでしょうか?

犬殺しやフクロウ頭の女など、意味不明なキャラクターが登場する映画でありながら、本筋はかなりリアリティのある内容だったのではないかと思います。

ホームレスに対する考えも監督の偽らざる意見だったように思いました。

 

このような映画を製作するA24という会社のいろんな意味での凄さを感じる作品です。