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『小説の神様 君としか描けない物語』

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小説の神様 君としか描けない物語』

 

2020年製作/日本映画/上映時間:106分/G/2020年10月2日日本公開

 

監督:久保茂昭

出演:佐藤大樹

   橋本環奈

   佐藤流司 ほか

 

2009年に鮎川哲也賞を受賞した人気作家・相沢沙呼の小説を、佐藤大樹EXILE/FANTASTICS)と橋本環奈のダブル主演で映画化した作品です。

監督は『HiGH&LOW』シリーズなどの久保茂昭

 

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あらすじ

 

中学生のときに作家としてデビューしたが、作品はこき下ろされ売り上げもイマイチな高校生小説家の千谷一也(佐藤大樹)と、同じクラスの人気者でヒット作連発の小余綾詩凪(橋本環奈)に、読者の心を大きく動かすベストセラーの共作を編集者から依頼される。衝突しながら二人で創作に励むうちに、一也は詩凪の秘密を知る。

シネマトゥデイより)

 

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相沢沙呼による小説「小説の神様」を実写映画化した作品です。

あらゆる面で対照的な2人の高校生小説家が、協力してベストセラー作品を生み出そうと奮闘する姿が描かれます。

 

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Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

原作は未読です。

橋本環奈ちゃんお目当てで鑑賞いたしました。

 

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中学生で作家デビューしたものの、発表した作品を酷評され売上も伸びないナイーブな高校生作家・千谷一也。一方、同じクラスの人気者であるドSな性格の小余綾詩凪は、高校生作家としてヒット作を連発していた。

 

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性格もクラスでの立ち位置も作家としての注目度も正反対の彼らだったが、編集者に勧められ、小説を共作してベストセラーを目指すことに。反発しあいながらも物語を一緒に生み出していくうちに、一也は詩凪が抱える意外な秘密を知る・・・。

 

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橋本環奈ちゃん、可愛いですね~。

よく環奈ちゃんがInstagramなどで写真を投稿すると、「天使だ」、「神が舞い降りた」なるコメントが多数寄せられたなる記事を目にして、「何を言っているのだろう?」と思っていたのですが、なるほど、たしかに彼女は天使でした。

 

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衝撃的なデビュー作で世の注目をあびながら、その後はすっかり落ち目になってしまった一也は、売れっ子でありながら現在あることが原因でスランプに陥っている詩凪という2人の高校生小説家が競作でお互いの足りないところを補いながら、新作小説を作る物語です。

 

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Amazonプライムビデオの紹介欄に”ロマンス”とありましたが、本作はそのような映画ではありません。

2人が恋に落ちるような展開には一切ならず、キスシーンはおろか、手を握るところもありません。

ラブロマンス映画を期待してしまうと裏切られてしまいます。

 

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物語は良かったですね。

自分は小説は読みませんが、同じことが映画にも言えると思うことが綴られていたと思います。

 

いい物語だけでなく、それを読む人に上手く伝える工夫が、より読者の心に響くというのは映画の作りにも共通すると思いました。

 

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そのような視点でこの映画を観ると「・・・?」と思ってしまうような作りが多すぎます。

監督がこれまでEXILEの映画しか作ってこなかった人なので、何かところどころ登場する安っぽいMVのような挿入歌とヴィジュアルのしつこいくらいの多さに唖然としてしまいました。

 

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主人公のEXILEの人と環奈ちゃんをメインに描いているので仕方ないとは思うのですが、ほかのキャラクター描き方が薄っぺらい。

2人の苦悩を理解している文芸部の部長。

(小説家としての)一也の憧れを抱いている後輩の女子生徒。

心臓病で入院している詩凪の大ファンの一也の妹。

どのキャラクターもあまりにもモブになりすぎて、映画を盛り上げる存在になっていなかったのが残念に思いました。

 

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映画の冒頭からモノクロのシーンが続きます。

それは構わないのですが、それが延々と続く・・・。

約20分して映画がカラーになるのですが、なぜ、そんな長い時間モノクロで描いたかが分かりません。

 

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詩凪が抱える意外な秘密が「そ、それだけ?」と思うものだったり、父親の残した借金で苦しんでいる設定の一也の家がそんなに貧しそうに観えなかったり。(妹さん入院しておりますが、個室ですよ)

 

あと、これは日本映画全体に言えることなのですが、美術の小道具などに”生活感”が感じられないんですよね。

主人公の部屋の本棚に並べられている書籍が薄汚れていたり、カバーが少し破れていたりということが無く、すべて新品同様というのはリアリティに欠けてしまうと思います。

 

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対照的な2人がやがて息が合ってくるという映画お決まりの展開は悪くないですし、むしろ良かったと思います。

 

ただ、劇中登場する”盗作”、”パクリ”という言葉を借りるとしたら、本作はどうなんでしょうね。

MV風の作りは『君の名は。』を意識しているのは間違いありませんし、一也の「僕だって書きたくて書いているワケじゃないのに」というセリフは「碇シンジ?」と思ってしまいました。(シンジのセリフは「僕だって乗りたくて乗っているワケじゃないのに」です)

 

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デビュー作がすばらしく、読者の期待が高まり、それに押しつぶされ次回作以降駄作を連発してしまう。

小説家に限らず、映画監督でも多くおります。

『スピード』や『シックス・センス』の監督は凄い作品を発表して以来、その後は駄作ばかりです。

 

映画の出来は褒められるものではありませんが、ストーリーと和久井映見さんの演技は良かったですし、何より環奈ちゃんが本当に可愛かった。

それで、観れる映画にはなっていたかと思いました。

 

いきなり詩凪にビンタ3連発喰らうのですが、一也が「3度もぶったね?オヤジにもぶたれたこと無いのに!」と言ったら面白かったかも・・・と思いましたが、そこまであからさまなパクリだと、さすがに富野監督に訴えられるでしょう。