『再会の夏』
原題:Le collier rouge
2018年製作/フランス・ベルギー合作映画/上映時間:83分/G/2019年12月13日日本公開
監督:ジャン・ベッケル
出演:フランソワ・クリュゼ
ニコラ・デュヴォシェル
ソフィー・ヴェルベーク ほか
『画家と庭師とカンパーニュ』などのジャン・ベッケル監督が、フランスの作家ジャン=クリストフ・リュファンのベストセラー歴史小説を映画化した作品です。
第1次世界大戦後のフランスを舞台に、主人を待ち続ける1匹の犬と勲章をめぐる物語を、美しい田園風景とともに描き出します。
あらすじ
1919年、第1次世界大戦後のフランスで、戦争の英雄ジャック・モルラック(ニコラ・デュヴォシェル)は留置所に収監される。沈黙を貫く彼を軍法会議にかけるかどうかを決めるため派遣されてきた軍判事のランティエ少佐(フランソワ・クリュゼ)は、留置所から離れようとしない1匹の犬に興味を抱く。モルラックを調べていくと、彼にはヴァランティーヌという恋人がいることがわかる。
(シネマトゥデイより)
『クリクリのいた夏』などのジャン・ベッケル監督が、ジャン=クリストフ・リュファンの小説を映画化。
出演はベッケル監督作『殺意の夏』に出演したフランソワ・クリュゼ、『情痴 アヴァンチュール』などのニコラ・デュヴォシェルらが共演。
BDにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
ヨーロッパの映画が観たいと思ったことと、録画してまだ観ていなかった映画で一番上映時間が短いという理由から本作を選びました。
1919年、終戦後の平和が訪れたばかりのフランスの片田舎。戦争の英雄であるはずのジャック・モルラックが、人気のない留置所で頑なに黙秘を続けている。彼を軍法会議にかけるか否かを決めるためパリからやって来た軍判事ランティエ少佐は、留置所の外で吠え続ける1匹の犬に関心を寄せる。
さらにモルラックについて調べるうち、農婦にしてはあまりにも学識豊かな恋人ヴァランティーヌの存在が浮かび上がる・・・。
国に招集された一般庶民が地獄のような戦場で殺戮をする理不尽さを描いた作品・・・かと言うと少し違っていて、フランスの忠犬ハチ公のようなワンちゃんがある意味主役と言えるヒューマン(ドッグ?)ドラマでした。
悪いストーリーでは無いんですけどね~。
なんとなく、どのエピソードの淡泊な感じがしてしまいました。
ジャックとヴァランティーヌが恋に落ちるのが急展開過ぎて、少し違和感が。
監督の年齢が86歳ということを考えると、その辺りは仕方ないかもしれません。
(イーストウッドのようなスケベジジイならもっとじっくり描いていたかもしれません)
そして、燃え上がるような恋をしている中、国から招集の声が掛かり、戦場へ駆り出されるジャック。
引き裂かれるふたり・・・。
英雄として凱旋したジャック。
しかし彼は「彼こそが本当の英雄だ」と叫び、ワンちゃん(名前が無い犬です)の首に受領された勲章をぶら下げます。
侮辱行為で拘束されるジャック。
なぜ、彼はこのようなことを起こしたのかが謎として映し出されていきます。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、もちろん戦争に対する反対の表明もありますが、一番の理由が「はぁ~?」と思ってしまう、とんでもないもの。
反戦ドラマを期待したところに、これでは・・・。
「男の嫉妬はみっともいいものじゃないよ」と言いたかったのでしょうか?
原題の直訳が(私はフランス語分からないので、ほかの方が書かれたものを拝借)『赤い襟』。
映画で言えば、ワンちゃんの首にぶら下げる勲章を意味するものなのですが、こんな小学生の作文のタイトルのようなチープな邦題つける配給会社の神経を疑ってしまいます。
ロマンスに重点を置くのか、ワンちゃんの忠犬ぶりなのか、反戦なのか、どれも今ひとつな感じがしてしまったというのが率直な感想です。
物語の舞台になる田園の美しさと出演者(ワンちゃんを含む)の演技がすばらしかったです。
なのですが、主演の方は『最強のふたり』にも出ておりましたが、徳○和夫そっくりで、例のAKB48発言が、鑑賞中またまた脳裏をよぎって仕方ありませんでした。
我が家の愛犬は小型犬なので、室内に飼っておりますが、大型犬はちゃんと縛っておきましょうという教訓の映画・・・でしょうか?
※本作は2016年8月31日発売された河合奈保子さんの写真集「再会の夏」とは一切関係ありません。※