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『ハングリー・ハーツ』

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ハングリー・ハーツ

原題:Hungry Hearts

 

2014年製作/イタリア映画/上映時間:109分/G/2016年10月15日日本公開

 

監督:サヴェリオ・コスタンツォ

出演:アダム・ドライヴァー

   アルバ・ロルヴァケル

   ロバータ・マクスウェル ほか

 

スター・ウォーズ』シリーズのアダム・ドライヴァーと、『夏をゆく人々』などのアルバ・ロルヴァケルが夫婦にふんしたサスペンスドラマです。

息子の誕生をきっかけに、子育てをめぐり苦悩する二人の姿が描かれます。

第71回ヴェネチア国際映画祭優秀男優賞と優秀女優賞をダブル受賞。

 

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あらすじ

 

 運命に導かれてニューヨークで恋に落ちたジュード(アダム・ドライヴァー)とミナ(アルバ・ロルヴァケル)は結婚し、男の子が生まれる。だが、ミナは息子の育て方についての方針に異常なこだわりを見せ、次第に神経をすり減らしていく。やがて彼女は、息子が食べるものや接するものに敵対心と怖れを抱くようになり……。  

シネマトゥデイより)

 

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主演のアダム・ドライヴァーアルバ・ロルヴァケル夫婦役を演じ、第71回ヴェネチア国際映画祭で最優秀男優賞と女優賞をそろって受賞したサスペンスドラマです。

監督と脚本をイタリアの俊英サヴェリオ・コスタンツォが務めております。

 

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Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

間もなく見放題とのことと、アダム・ドライヴァーお目当てで鑑賞いたしました。

 

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ニューヨークで出会い、恋に落ち、そして結婚した2人。ほどなくして子どもも授かり、幸せな日々が続くはずだったが、妻は結婚を機に少しずつ外の世界に対して過剰な敵意と恐怖心を抱くようになっていく。夫はなんとかして愛する妻と子を守ろうとするが・・・。

 

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軽い気持ちでは観ることのできない映画だと言うことは予告編を観て思ったのですが、まさか、ここまで重くのしかかってくる作品だとは・・・。

 

結婚をしたことのない自分にとって、夫婦になること、子どもを授かること、育児をすることの重さや怖さを知ることになりました。

 

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2人が恋に落ちるエピソードは微笑ましいものになっております。

ある中華料理店のトイレに来たミア。

アダム・ドライヴァー演じるジュードが中に入っている。

ジュードはお腹を壊していて強烈な悪臭を放っていて、ミアが「臭い」と連発。

すぐに出ようとすると入口側の扉が開かない。

悪臭の中、閉じ込められる2人。

 

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この”臭い”出会いがきっかけで2人が恋に落ち、子どもを授かり結婚することになるのですが、ユーモラスなこのシーンが後の伏線になっております。

 

トイレから出てきても手を洗わないジュード。

他人の匂いなどに異常なまでに過敏になるミナ。

 

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ミナは菜食主義者として描かれます。

菜食主義者と言っても、完全に野菜しか食べない人や、お肉は食べないがタマゴや牛乳は飲む人と分かれるようです。

ミナは完全な菜食主義者で、動物性のものを一切口にしません。

そのため栄養不足でお腹の胎児に影響が出始めてきます。

さらに怪しげな心霊占い師に何やら吹き込まれ、それを信じ、どんどん壊れていくミナ。

 

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医者嫌いで帝王切開をさせないと言い張るミナ。

しかし、それ以外の方法での出産が不可能で仕方なく受け入れます。

 

出産後、さらに潔癖症を増し、外出先から帰ってきたジュードが手を洗わず赤ちゃんに触れようとすると激怒するようになります。

ミナの栄養不足から母乳が出なくなってから、ミルクも与えず、これまた怪しげな野菜のオイルしか口にさせないミナ。

そのため、どんどん痩せ細っていく赤ちゃん・・・。

 

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このままでは赤ちゃんの命に関わる。

「何か栄養のあるものを与えなさい」と医師に言われ、ミアの隙をついて教会に連れていき、そこでこっそりハムを与えるジュードの姿が切ないです。

 

しかし、そのことがバレたことから、ジュードは強引に赤ちゃんをミアから取り上げ、実家で面倒を見ることにします。

 

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ミアの赤ちゃんへの愛情は普通の母親となにも変わりありません。

しかし、完全な菜食主義者で、また完全な潔癖症であることが災いし、赤ちゃんの生命の危険に及んでしまいます。

ですが、決してそのことを認めようとしないミア。

 

信じ込み・・・と言うのでしょうか?

菜食主義者のミアにとって、肉など毒でしかありませんし、他人に絶対触れさせようとしない気持ちも、一般的な観点では異常なのですが、これがミアにとっては当たり前。

赤ちゃんの取り合いになったとき、押し倒されたミアは警察に通報し、赤ちゃんを取り戻します。

 

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どちらも赤ちゃんを心から愛している。

だからこそ、お互いこのような行動を取ることに胸が張り裂けそうな気持ちで観ておりました。

まるで、本当の夫婦の生活の覗き観ているような感覚で、自分も心の中で「赤ちゃんが助かってほしい」と願っておりました。

 

ここ最近観た作品では一番の衝撃作でした。

ずしりと心に重くのしかかる映画で、今日は本来ならR15+指定の日本映画を鑑賞予定だったのですが、しばらく暗い映画は観たくない気分になってしまうほど、とにかく凄い作品でした。

 

主演の2人の演技が本当にすばらしいの一言。

第71回ヴェネチア国際映画祭優秀男優賞と優秀女優賞をダブル受賞も納得です。