『ガール・イン・ザ・ミラー』
原題:Look Away
2018年製作/カナダ映画/上映時間:104分/R15+/2019年7月24日日本公開
監督:アサフ・バーンスタイン
出演:インディア・アイズリー
ミラ・ソルヴィノ
ジェイソン・アイザックス ほか
孤独な少女が、鏡の中に現れたもうひとりの自分との出会いによって巻き起こす惨劇を描いたリベンジスリラーです。
主演は女優オリビア・ハッセーの娘で、『カイト KITE』の主演などで知られるインディア・アイズリー。
あらすじ
美しいマリア(インディア・アイズリー)は、ことあるごとに両親から罵倒され、学校ではいじめられて、自分に自信が持てずにいた。ある夜、バスルームにいたマリアは鏡に話しかけられる。声の主がもう一人の自分であることを知った彼女は、その声と言葉に操られるように秘めていた狂気を解放する。
(シネマトゥデイより)
孤独な少女が、鏡に映ったもう一人の自分に導かれて復讐を始めるスリラーです。
監督は『ザ・デッド ~ナチスと女暗殺者~』などのアサフ・バーンスタイン。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく見放題終了とのことで本作を選びました。
主演の女優さんがオリビア・ハッセーの娘さんと言うのは、今知りました。(お父さんは・・・違いますよね。日本人の血が流れているように観えませんでした)
両親から「出来損ない」と言われ、学校でもいじめられている少女マリアは、自分のことが大嫌いで笑うことさえできなかった。不安定な心を抱える彼女は性的な衝動に駆られ、夜ごと自慰行為にふけっている。
そんなある日、バスルームで自分を慰めていた彼女に、突然誰かが話しかけてくる。「私たちはきれいよ」と優しく告げるその声はマリア自身の声で、鏡に写る彼女は美しいほほ笑みを浮かべていた。鏡の中の自分から「あなたの望みをかなえたい」と言われたマリアは、まるでもうひとりの自分に操られるかのように、凄惨な復讐を繰り広げていく。・・・。
両親の冷たい対応や学校でのイジメに遭うおとなしい少女のマリアが鏡に写る別人格のもう一人の自分=アイラム(MARIAの逆さ読みでAIRAM)と性格が入れ替わり、逆襲を始めるスリラーです。
このお父ちゃんが整形外科医で、なんと娘の誕生日プレゼントが整形手術というとんでもないオヤジで、これが一番怖かった・・・。
相手が男子生徒でもけしからんことですが、男子生徒が束になってひとりの少女をイジメるとは「何ごとか!」とかなり怒りながら観ておりました。
唯一の友人だと思っていた女子生徒のリリーにも裏切られてしまうマリア。
この辺りのエピソードはスティーヴン・キング原作の『キャリー』を思い出すストーリーになっていたと思いました。
とにかく美を好む父親の手によって○○した(ネタバレになるので掛けません)モノがアイラムとなって鏡の世界に住みつき(某円谷プロの特撮ヒーローとは無関係です)、耐えられない苦痛を味わっていたマリアに代り自分たち(この表現がピタリと当てはまります)を虐待してきたものへの復讐を始めます。
「どんな理由があっても、殺人だけはいけない」と思われる方もいらっしゃると思いますが、そこはスリラー映画ですし、家庭や学校での出来事に警察が介入するのは難しい。
アイラムによって処刑される人物は、「ざまーみろ」と思えるクズばかりなので、結構観ていてスカッといたしました。
両親の虐待(マリアの場合、そこまでは行かないかもしれません)、学校でのイジメ。
自分も味わっていた恐怖だったので、アイラムの行動は正しくないと分かってはおりますが、「復讐してやりたい」という気持ちは痛いほど理解できました。
「君は薔薇より美しい」という曲をバックに出演したコマーシャルはヒットし、日本で爆発的に人気となったお母さんの血を受け継いだインディア・アイズリー。
26歳でカナディアンJKを演じても違和感無い美しさでした。
面白いと言いましょうか、「?」と思ってしまったのが、カナダの学校のプロム(卒業パーティ)は屋内スケート場で行われたこと。
いくらアイスホッケーが国技のようなお国でも、滑れない人(実際、マリアは滑れず苦労していた)もいるので、「配慮に欠けるな~」などと思いながら観ておりました。
絶賛するストーリーでも出来でもありましたが、「人間、誰しも愛に飢えている」というテーマはキチンと描いていた作品だと思いました。
カナダのロケーションも美しかったです。