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『ユリゴコロ』

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ユリゴコロ

 

2017年製作/日本映画/上映時間:128分/PG12/2017年9月23日日本公開

 

監督:熊澤尚人

出演:吉高由里子

   松坂桃李

   松山ケンイチ ほか

 

第14回大藪春彦賞を受賞し、第9回本屋大賞にもノミネートされた沼田まほかるのミステリー小説を『僕等がいた』の吉高由里子主演で実写映画化した作品です。

ある一家の父の書斎で見つかった殺人者の手記を入口に、殺人に取りつかれた女性の壮絶な人生が描かれます。

 

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あらすじ

 

父が余命宣告され、さらに婚約者が突如失踪した亮介(松坂桃李)は、実家で「ユリゴコロ」と書かれた1冊のノートを見つける。そこには人間の死でしか心を満たすことができない、美紗子(吉高由里子)という女性の衝撃的な告白がつづられていた。亮介は、創作とは思えないノートの内容に強く引き寄せられ……。

シネマトゥデイより)

 

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沼田まほかるの同名ミステリー小説を、『近キョリ恋愛』などの熊澤尚人がメガホンを取り映画化。

宿命に振り回され、苦しむ殺人者・美紗子を、『蛇にピアス』などの吉高由里子が熱演。

 

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Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

出演シーンは少ないと分かっておりながら、清原果耶ちゃんお目当てで鑑賞いたしました。

原作は未読です。

 

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亮介は余命わずかな父の書斎で1冊のノートを見つける。「ユリゴコロ」と書かれたそのノートには、ある殺人者の記憶が綴られていた。その内容が事実か創作か、そして自分の家族とどんな関係があるのか、亮介は様々な疑念を抱きながらも強烈にそのノートに惹きつけられていく・・・。

 

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幼いころから感情に乏しく、人を殺すことでしか充実感を得られない女性がある夜知り合った男性に影響を受け、次第に愛を見つけていくストーリーです。

 

殺人鬼の女性・美沙子を吉高由里子さんが熱演しております。

 

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清原果耶ちゃん、予想はしておりましたが、出演シーンは1シーンのみ。

それもセリフもありませんでした。

 

ですが、それでも強烈なインパクトを与えるすばらしい演技。

撮影当時は13歳くらいだと思うのですが、このときから驚くべき才能があったと感じさせられました。

公開当時の評論家のレビューで「そろそろ彼女主演の企画が出てきても」というものがありましたが、5年後の今、押しも押されもせぬ人気女優になりました。

 

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果那ちゃんがご退場後、あとはボケ~っと観ているつもりでしたが、意外とのめり込んで観てしまいました。

ただ、グロいシーンの多さにビックリ。(果那ちゃん出演シーンも結構きつめ)

 

内臓ドバーンのゾンビものでも、まったく平気な私ですが、料理学校で知り合った女性とお互いの手首を包丁で切り合うシーンはちょっと参った。

 

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近寄る男は片っ端から殺していく美沙子。

殺し方はあるときは階段から突き落としたり、あるときはお鍋でボッコボコ。

 

「今、何時ですか?」と訊いてくる女性には注意しなくては・・・。

 

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その美沙子の自叙伝のようなノートを読み、その世界に惹かれていく亮介。

この「ユリゴコロ」とタイトルのあるノートははたして創作なのか、それとも事実なのか?

・・・というのがミステリーとして描かれているのですが、オムレツのエピソードでネタばらしてしまっているので、「ネタバレが早い」と思ってしまいました。

ただ、「そうではないかな?」というのは感じておりましたが。

 

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愛を知らずに生きていた女性がかけがえのない愛を見つけたとき、それまでの代償のような悲劇が待っていた。

なんか、一昔前のリュック・ベッソンの映画のような内容でしたが、悪い映画では無いと思いました。

吉高由里子さん、松坂桃李さん、松山ケンイチさんの3人の演技は良かったですし、理由になっているか分かりませんが、タランティーノの映画が大好きなので、殺人鬼の物語は嫌いではありません。

 

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し、しかし、どうしても腑に落ちないところが。

多くの方がレビューで書かれておりますが、893の事務所に単身女性ひとり乗り込んで、4人(だったと思う)いた893の方々皆殺しにできてしまう凄さ。

こんな離れ技、『イコライザー』のロバート・マッコールくらいしかできないでしょう?

893の方々はおそらく”ハジキ”と呼ばれるものを持っていると思われます。

それも顧みず処刑に成功させるテクニックは、もはや殺人鬼というより”アサシン”(暗殺者)のレベルです。

「よもや、蛇蝎磨羯の類とは・・・」。

 

ですが、ラストにロマンチックなステキなシーンが用意されております。

日本映画のラブロマンスものは、ほとんどコミック原作のものが多い中、大人の愛、夫婦の愛、そして母子の愛を正面から見つめた映画になっていたところは評価したいと思いました。