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『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』

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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ

原題:Sicario: Day of the Soldado

 

2018年製作/アメリカ映画/上映時間:122分/PG12/2018年11月16日日本公開

 

監督:ステファノ・ソッリマ

出演:ベニチオ・デル・トロ

   ジョシュ・ブローリン

   イザベラ・モナー ほか

 

麻薬戦争を題材にしたサスペンスアクション『ボーダーライン』の続編です。

麻薬カルテルの壊滅に乗り出すCIAの特別捜査官と、彼が雇う暗殺者の姿が映し出されます。

監督は前作のドゥニ・ヴィルヌーヴから、イタリア人監督のステファノ・ソッリマにバトンタッチ。

 

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あらすじ

 

アメリカで、メキシコを経由して不法入国したと思われる人物が、15人の死者を出す自爆テロを起こす。アメリカ政府はさらなる犯行を防ぐため、CIAの特別捜査官のグレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)に、国境地帯で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテルをかく乱させるよう命じる。グレイヴァーは、家族を殺したカルテルに恨みを抱く暗殺者のアレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)と共に麻薬王の娘をさらい、カルテル同士の抗争を引き起こそうとする。

シネマトゥデイより)

 

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アメリカとメキシコの国境地帯で繰り広げられる麻薬戦争の現実をリアルに描き、アカデミー賞3部門にノミネートされた『ボーダーライン』の続編です。

前作に引き続いてベニチオ・デル・トロジョシュ・ブローリンが出演。

音楽は前作を手がけ2018年2月に他界したヨハン・ヨハンソンに代わり、ヨハンソンに師事していたアイスランド出身のヒドゥル・グドナドッティルが担当。

エンドクレジットでヨハンソンへの追悼文が綴られております。

 

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Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

特に観る映画を決めてはいなかったのですが、またまた映画サイトのTwitterから、本日2月19日がベニチオ・デル・トロ、55歳のお誕生日という知らせが来て、彼の出演作を選ぼうと思いました。

前作は衛星放送にて鑑賞。(2回観ておりますので、おさらいはいたしませんでした)

 

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アメリカで市民15人が命を失う自爆テロ事件が発生した。犯人がメキシコ経由で不法入国したとの疑いをかけた政府から任務を命じられたCIA特別捜査官マットは、カルテルに家族を殺された過去を持つ暗殺者アレハンドロに協力を依頼。麻薬王の娘イサベルを誘拐し、メキシコ国境地帯で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテル同士の争いへと発展させる任務を極秘裏に遂行するが・・・。

 

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『メッセージ』、『ブレードランナー2049』で巨匠の仲間入りを果たしたドゥニ・ヴィルヌーヴ、主演のエミリー・ブラントが抜け、あまり興味を持てなくなった続編でした。

「機会があれば」と思っていたのですが、デル・トロのお誕生日という機会がめぐり、本日鑑賞いたしました。

(ブローリンのお誕生日だったら、別の作品を選んでいたかもしれません)

 

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いろんな方の短評やレビューを拝読させていただき、評価は7割否定派、3割肯定派と言った感じの評価になっておりました。

否定派は当然、ヴィルヌーヴ交代、エミリー・ブラント不在で前作ほどの面白さが無いという意見がほとんど。

肯定派はシナリオは同じ人なので、前作に負けない面白さという意見。

自分も監督交代でハードルを下げて鑑賞したので、意外と言っては失礼かもしれませんが、かなり楽しめる映画だったと思いました。

 

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トランプ政権支持者が泣いて喜びそうなストーリーでした。

メキシコからアメリカへ向かって次々とやって来る人たち。

目的は観光・・・のワケが無く、不法入国や麻薬の密売。

 

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我々一般人の視線のように、主人公が見る麻薬戦争の狂気の世界を描いた前作と違い、デル・トロ演じるアレハンドロの麻薬組織に対する復讐物語として描かれる本作。

一般市民の人命などお構いなしの作戦には恐怖すら感じます。

 

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まるで本当の戦場にいるかのような臨場感。

平和ボケしている日本人にとっては、まさに地獄に堕ちてしまったような感覚になると思います。

さらに恐ろしいのは、その地獄に10代半ばの少年・少女が普通に存在しているところ。

これが映画の絵空事であればいいのですが、今もアメリカとメキシコの国境線で行われている出来事だと思うと、ゾッといたします。

 

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麻薬王の娘を誘拐し、麻薬カルテル同士のつぶし合いをさせようという作戦は、黒澤明監督の『用心棒』を思い出してしまいました。(デル・トロも三船敏郎氏の演技を意識したと話しております)

しかし、か弱い(と言えるかは分かりませんが)女の子を利用してまで自分たちの任務を遂行するアメリカの姿は、「メキシコ人=テロリストには容赦はしない」という姿の表われのような気がいたしました。

 

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砂漠の中での銃撃戦。

終始、殺伐とした映画でエミリー・ブラントも出ていないので、色気に欠ける作品ですが、麻薬王の娘を演じたイザベラ・モナーは可愛かったかな?

制服姿も良かったです。

ただ、麻薬王の娘に学校でケンカして顔面殴るクラスメイト、本作で一番勇気のあるキャラクターかもしれません。

日本で言えば、893の親分の娘ですよ。

 

続編というより、同じキャラクターで作った別物として観れば楽しめる映画のような気がいたします。

やはり前作には敵わない出来だったのは間違いありません。

デル・トロも前作ほどのインパクトは無かったかな?

とはいえ、HappyBirthday!