『テッド2』
原題:Ted 2
2015年製作/アメリカ映画/上映時間:116分/R15+/2015年8月28日日本公開
監督:セス・マクファーレン
出演:マーク・ウォールバーグ
ジェシカ・バース ほか
冴えない中年男ジョンと下品で過激なテディベアのテッドのコンビが繰り広げる騒動を描き、全米はもとより日本でも興行収入42.3億円の大ヒットとなった『テッド』(2012)の続編です。
前作に引き続いて、セス・マクファーレンが監督と脚本、テッドの声を務め、マーク・ウォールバーグがジョン役で再登場。
あらすじ
アルバイト先で出会った恋人タミ・リン(ジェシカ・バース)と愛を育み続け、ついに結婚を果たしたテッド。幼いころからの親友ジョン(マーク・ウォールバーグ)との悪ふざけと新婚生活を楽しむ中、彼はタミ・リンとの子供を欲しいと思うように。だが、自分が縫いぐるみではなくて人間であることを証明しなければ子供を持てないと知った彼は、女性弁護士サマンサ(アマンダ・セイフライド)のもとへ相談に。そして、彼女とジョンの協力を得ながら、法廷に立って自分は人間だと証明しようとするテッドだったが……。
(シネマトゥデイより)
命を宿したテディベアのテッドと親友のジョンが巻き起こす騒動を描いた、大ヒットコメディの続編です。
ジョン役のマーク・ウォールバーグが続投し、新キャストに『マンマ・ミーア!』などのアマンダ・セイフライド、オスカー俳優のモーガン・フリーマンらが共演。
dTVにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく配信終了とのことと、大好きな女優さんのアマンダ・セイフライドお目当てで鑑賞いたしました。
バイト先で知り合った彼女タミ=リンと結婚したテッドは、子どもが欲しいと思うようになるが、子作りのために自分が人間であるということを証明しなければならなくなる。
困ったテッドは美人弁護士サマンサにを雇い、法廷に乗り込むテッド。
しかし、その裏では怪しげな計画が遂行されていた・・・。
う~ん、評価が難しい作品です。
前作よりパワーアップしたと思うところと、トーンダウンしてしまったところ、両方あると感じました。
前作は大人になれないジョンの成長物語的な要素が強かったですが、本作は完全にテッドに焦点を当てている作品になっております。
人の心を宿したぬいぐるみのクマのテッドに人権は存在するのかというテーマが描かれていきます。
先日鑑賞した『ハリエット』で描かれた時代の南北戦争以前の黒人奴隷には人権は存在しませんでした。
そのようなアメリカの過去と照らし合わせながら、このおバカムービーはマイノリティの人権無視という「過ちは繰り返してはならない」というかなり真面目なテーマを描いていきます。
結婚して子どもが欲しいテッドには精○が無い。
そこで、NFLのスーパースターの豪邸に忍び込み、○子を盗みに行く・・・。
この辺りの超お下品下ネタには大爆笑してしまいました。
結局、ジョンの精○をもらうことになったテッド。
不妊治療病院でのやり取りはちょっと「やり過ぎ」感が。
前作のジョンの恋人=ローニーを演じたミラ・クニスは妊娠のため(偶然?)降板。
なので、前作のラストに感動した人を追い出すような離婚してしまった設定に。
ショック状態のジャックのパソコンにはエロ動画が大量に。
削除するより破壊することを選択。
ハンマーで粉々にしても「復元するかも」と海に潜ってまで処分しようとするところも笑ってしまいました。
しかし、テッドの人権を争う裁判に向かうところから、ちょっと気になるシーンが多くなり、笑うシーンも大幅に減りました。
本作はおバカコメディ映画です。
それに真面目に道徳的なことを言うのはお門違いかもしれませんが、あえて書かせていただきます。
テッドはジャックの親友で思いやりのあるクマであると思います。
人権に関して・・・は問題無いかもしれませんが、問題があるのは人道の方です。
浴びるほどマリファナを吸引し、何の罪も無い通行人に屋上からリンゴを投げつけ喜び、運転中、走ってくる対向車にゴミを投げつけ事故を起こさせようとする。
テッドが「人権」を主張するのであれば、人の道を逸れる行動はすべきではありません。
まあ、身長170cm以下の人権の無い自分が言っても意味ありませんが・・・。
映画ではモーガン・フリーマン演じる弁護士がこのことをしっかり言っているのでOKです。
アメリカ人の『ブレックファスト・クラブ』愛には、感動すら覚えます。
ハリソン・フォード主演の『心の旅』や、『ロッキー3』などのネタも面白かった。
目の大きいアマンダ・セイフランドと『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムが目が合うシーンは一番笑えたかも?
映画愛にあふれた映画で楽しめるのですが、オタクイジメなど不快なシーンも前作より増してしまい、本当に評価が難しいと感じてしまいました。
前作では脇役だったテッドのガールフレンドのタミ=リン役の女優さんが今回は大きな役になったのですが、演技力にかなり問題が・・・。
アマンダ・セイフライドは本当に綺麗でステキでした。
ですが、マリファナ中毒の新米弁護士に仕事依頼したくないな~。
2012年に1作目が製作され、その3年後本作公開。
それ以降、続編の話しは聞きません。
それでいいと思います。
モーガン・フリーマンがすばらしい演技で物語を締めてくれましたし、この頃ならともかく、コロナ禍や戦争が起こってしまった現代に弱者を虐める下品なギャグの映画は受け入れられないと思います。
これできれいに完結でめでたしめでたしです。
マーク・ウォールバーグも大人になりましょうね。