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当ブログへ起しいただき、心から感謝いたします。映画の感想やスポーツ観戦の記事、写真中心のブログです。

『アラジン』(2019)

『アラジン』

原題:Aladdin

 

2019年製作/アメリカ映画/上映時間:128分/G/2019年6月7日日本公開

 

監督:ガイ・リッチー

出演:ウィル・スミス

   メナ・マスード

   ナオミ・スコット ほか

 

アラビアン・ナイト」の物語をベースに、不思議なランプを手に入れた若者が愛する女性を守るため繰り広げる冒険を描いたディズニー・アニメの名作を実写映画化。

監督は『シャーロック・ホームズ』シリーズなどのガイ・リッチー

 

あらすじ

 

貧しいながらもダイヤモンドの心を持ち、本当の自分にふさわしい居場所を模索する青年のアラジン(メナ・マスード)は、自由になりたいと願う王女のジャスミン(ナオミ・スコット)と、三つの願いをかなえてくれるランプの魔人ジーニー(ウィル・スミス)に出会う。アラジンとジャスミンは、身分の差がありながらも少しずつ惹(ひ)かれ合う。二人を見守るジーニーは、ランプから解放されたいと思っていた。

シネマトゥデイより)

 

ディズニーの名作アニメ『アラジン』を実写化したファンタジー映画です。

青年アラジンと王女ジャスミンの身分違いの恋と、魔法のランプに関わる冒険が描かれます。

アニメ版でアカデミー主題歌賞を受賞したアラン・メンケン作曲、ティム・ライス作詞の「ホール・ニュー・ワールド」などおなじみの楽曲も流れるほか、『ラ・ラ・ランド』、『グレイテスト・ショーマン』のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが手がけた新曲も使用されております。

 

Disney+にて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

昨日発表された第94回アカデミー賞において、最優秀主演男優賞&怒りの鉄拳で話題を振りまいた(不謹慎な言い方だな~)ウィル・スミスに敬意を払って(ホントかよ?)本作を選びました。

 

アニメ版は観ておりません。

 

生きるために盗みを働きながらも真っ直ぐな心を持ち、人生を変えるチャンスをつかもうとしている青年アラジンと、自立した心と強い好奇心を抱き、自由に憧れる王女ジャスミン。2人の運命的な出会いをきっかけに、それぞれの願いは動き始める。

 

そしてアラジンは、邪悪な大臣ジャファーの甘い誘いに乗り、魔法の洞窟からランプを引き受けるが・・・。

 

・・・なんと言いましょうか?

作品賞の封筒の間違いを凌ぐ前代未聞のことが昨日のアカデミー賞授賞式で起こってしまいました。

 

きっかけは、長編ドキュメンタリー部門のプレゼンターとして舞台に登場したクリス・ロックが、ウィル・スミスの奥様のジェイダ・ピンケット=スミスに向かって「『G.I ジェーン』(※ヒロインは軍人で丸刈り)の続編が楽しみだよ」と言ったこと。

脱毛症を患っているピンケット=スミスの外見をネタにしたジョークです。

 

百聞は一見にしかず。

映像をご覧ください。

これを聞いて、スミスも最初は笑っていたのだが、横で妻が苦い表情をしていることに気づくと、舞台の上のロックに近づいていき、本気でビンタ。

その後、Fワード連発で怒り爆発。

 

この出来事は瞬く間に世界中の話題の的に。

賛否両論(当然ですが)で、アメリカでは圧倒的にロック支持者が多く、「ウィル・スミスよりずっと品がある!真のプロフェッショナルだ!テレビの生中継で、冗談で他人を襲っておいて、オスカーを受賞して拍手喝采なんて理解できない!」、「ウィル・スミスを暴行罪で告訴するべきだ。あなたにはその告発をサポートする10億の目撃者と映像証拠がある」などの意見が。

 

このアングルの写真ですと、スミスがひっぱたいた決定的瞬間で無いのが残念(?)。

しかし、わたくしはあるルートで別アングルの写真を入手。

そちらをご覧ください。

こちらです。(別人じゃん。でも、こんな感じだったのかな?)

 

日本の映画ファンはどちらかと言うとスミス擁護派が多く感じました。

やはり病気で苦しんでいる人をジョークのネタに使うことに抵抗があるという意見が多かったです。

 

私がこのニュースを最初に聞いて思ったのが、「クリス・ロックって、誰っ?」。

調べてみました。

1998年の『リーサル・ウェポン4』に出演とあったので、ダニー・グローヴァーの娘の恋人の新人刑事を演じた人だと思いました。

その後は2002年の『9デイズ』で主演を務めておりました。

観た作品はこの2本だけ。

 

2016年のアカデミー賞授賞式の司会を務め、そのときも「アジア人は性器が小さい」と発言し、物議を醸し出したそうです。(言い返したいけど、できないもどかしさ)

 

これに関し、「スミスが悪い」、「ロックが悪い」と判定を下す立場ではありません。

あくまで個人的意見ですが、自分も体にほかの人に無いものがあることを小学生から社会人になってもいじられることが多く、辛そうなお顔をされたスミスの奥様がとても気の毒に思い、そのお気持ちがとても分かる気がいたしました。

 

スミスの最優秀主演男優賞受賞に関しては映画を観ていないので、なんとも言えませんが(本命でしたからね。ですが、個人的には不遇のハリウッド俳優、アンドリュー・ガーフィールドにあげたかった)、そのスピーチの中の騒動後に贈られたと思うデンゼル・ワシントンの言葉が感動的でした。

「最高の瞬間こそ気をつけろ! そういう時に悪魔はやってくるんだ」。

この言葉は重みがありますし、実に的を得ているものだと思いました。

 

アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは事態を受け、「アカデミーは、いかなる形の暴力も容認しません」とツイートしております。

まさにその通りですが、平手の暴力もあれば、言葉の暴力もあります。

スミスもロックも私より年上なので、お説教などできる身分ではありませんが、おふたりとも少し大人になりましょうね・・・と言いたいです。

デンゼル・ワシントンは株を上げましたね。

人間としても、俳優としても最高だと証明いたしました。

 

「スミスの映画は今後一切観ない」という意見もありました。

私はロックの下品なジョーク、その後のスミスのビンタの後もゲラゲラ笑っていた会場にいた(少数だと思いますが)映画人の映画こそ観たくないと思ってしまいました。

 

ちなみにエヴァンゲリオンパイロットの少女(未成年なので名前は控えさせていただきます)のビンタへの批判は聞いたことがありません。

スタジオカラー庵野秀明監督へのクレームも無いと思います。

おふたりは「ヤシマ作戦」後、距離を縮め、少女も(ビンタした少年と)一緒にいると「ポカポカする」とコメントしております。(ど~でもいいことを・・・)

 

アラビアン・ナイト」の物語は、(ようやく映画の感想です)子どものころ本で読んだきりで、「魔法で願いが叶う」っていいな~などと思っておりました。

 

映画はとても夢のある、大人も子どもも楽しめる作りになっていたと感じました。

美術、衣装と目を見張るものが多かったです。

 

ヒロインのジャスミンを演じたナオミ・スコットがステキでした。

チャーリーズ・エンジェル』(2019)でも魅力的でしたが、本作でも顔面偏差値の高さを発揮しておりました。

前日鑑賞の『透明人間』のヒロインの女優さんがあまりに華が無かったので、よりナオミ・スコットが光輝いて観えました。

 

もし『チャーリーズ・エンジェル』が大ヒットしていたら、スターになれていたかもしれない思うと、エリザベス・バンクスの罪は重いなと言わざるを得ません。

 

ガイ・リッチーの作品は食わず嫌いであまり観ておりません。

個性の強い作品作りの監督と聞いておりましたが、本作はディズニーブランドということもあり、とても観やすいタイプの映画に仕上がっていたと思います。

 

アラン・メンケンの音楽の美しさ。

それに+でウィル・スミス得意のヒップホップが調和され、『キャッツ』で大失敗した「ミュージカルシーンとCGの融合」が本作ではとても上手くできていたと思います。

 

前日に一件は気にせず観ておりましたが、ウィル・スミスは悪く無かったですが、アラジン&ジャスミンを演じた若手ふたりが頑張っていた方が印象に残りました。

 

今、悲しいことに戦争が起こっております。

国を託せる人物とはどのような逸材なのか考えてしまいました。

本作のように、みんながHappyになれる世界になることが一番なのでしょうが、現実は切ないです・・・。

 

 

最後に濱口竜介監督、『ドライブ・マイ・カー』、国際長編映画賞の受賞、おめでとうございます。