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『犬猿』

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犬猿

 

2018年製作/日本映画/上映時間:103分/G/2018年2月10日日本公開

 

監督:吉田恵輔

出演:窪田正孝

   新井浩文

   江上敬子 ほか

 

『麦子さんと』、『ヒメアノ~ル』などの吉田恵輔監督が4年ぶりにオリジナル脚本でメガホンをとり、見た目も性格も正反対な兄弟と姉妹を主人公に描いた人間ドラマです。

刑務所から出所したばかりの凶暴な兄と真面目な弟、家業を切り盛りする姉とおバカな妹の対立が描かれます。

 

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あらすじ

 

印刷会社で営業を担当している金山和成(窪田正孝)は、刑務所から出てきたばかりの乱暴者の兄・卓司(新井浩文)を恐れていた。一方、幾野由利亜(江上敬子)と、芸能活動をしているおバカな妹の真子(筧美和子)は、家業の印刷工場を切り盛りしていた。兄弟と姉妹の関係は、あるときから変化し始め……。

シネマトゥデイより)

 

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『ヒメアノ~ル』などの吉田恵輔監督が『東京喰種 トーキョーグール』の窪田正孝を主演に迎え、兄弟と姉妹をテーマに描いた人間ドラマです。

『百円の恋』の新井浩文、お笑いコンビ「ニッチェ」の江上敬子、『闇金ウシジマくん Part3』の筧美和子が共演。

 

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Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

8時間後に見放題終了と表記されているのを観て、思わず”すぐに観る”を押してしまいました。

監督、出演者、ストーリー、何も知らず真っさらの状態での鑑賞でした。

 

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印刷会社の営業マンとして働く真面目な青年・金山和成は、乱暴でトラブルばかり起こす兄・卓司の存在を恐れていた。そんな和成に思いを寄せる幾野由利亜は、容姿は悪いが仕事ができ、家業の印刷工場をテキパキと切り盛りしている。

 

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一方、由利亜の妹・真子は美人だけど要領が悪く、印刷工場を手伝いながら芸能活動に励んでいる。そんな相性の悪い2組の兄弟姉妹が、それまで互いに対して抱えてきた複雑な感情をついに爆発させ・・・。

 

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吉田恵輔監督の作品は『さんかく』(2010年)と『BLUE ブルー』(2021年)しか観ておりません。

どちらも派手さは無いものの、人間の持つ感情や哀しさのようなものを上手に描いていたと思いました。

本作もまったく似ていない兄と弟、姉と妹の”互いに相手が持っているものへの嫉妬”のようなものを時にユーモラスに、時に切なく描いております。

 

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冒頭の”フェイク予告編”が面白かったです。

近年の日本映画界を嘆くかのような監督のメッセージが伝わるものになっていたと思いました。

 

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由利亜役の江上敬子さんがメチャ演技が上手く、いい味を出していたと思いました。

お笑いに疎いので、「ニッチェ」は知らなかったので、女優さんだと思いながら観ていたのですが、鑑賞後調べると、これが映画初出演。

外見にコンプレックスを抱え、真面目過ぎる自分を嫌う役を見事演じておりました。

本作の後に出演した作品は1本だけ。

本業に力を入れていらっしゃるのだと思いますが(立派です)、機会があれば、また映画出演してもらいたいですね。

 

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妹の真子を演じた筧美和子さん。

女性ファッション誌「JJ」の専属モデルや、朝の情報番組「めざましテレビ」のレポーターなどで活躍後、女優業へ。

こうしたキャリアの方は「美貌はバツグンだが演技力が・・・」という人が多いのですが、筧さんもすばらしい演技でした。

評論家の短評を拝読しましたが、お二人への評価が本当に高かったです。

 

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新井正孝さん演じる兄の卓司。

まるでスコセッシ監督の作品に出てくるようなキャラクターでアブナイオーラ全開で凄みがありました。

その反面、弟や両親への愛情が強かったり、チャーハン作ってくれた由利亜に感謝の言葉を述べるなど、優しい一面を持った不思議なキャラクターで面白かったです。

 

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窪田正孝さんの演技も初めて観ました。

ガッキーと同い年ですか・・・。(特に意味はありません)

 

ホンワカとした雰囲気を持ったイケメン俳優さんだと思いました。

ですが、胸キュン系ラブロマンスより、本作のような少しクセのある映画の方が向いている俳優さんのように感じました。

 

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自分には同性の兄弟がいないので、兄や弟がいたら、どんな感じなんだろうなどと思いながら観ておりました。

ですが、兄弟・姉妹というだけでなく、人と人が暮らすコミュニティーの中で起こりえる喜劇と悲劇を軽快なタッチで、テンポ良く描いたとても良くできた人間ドラマだと思いました。

 

良かれと思ったことが仇となったり、世の中の切なさや、「やっぱり兄弟は美しい」と感動のラストが待っていると見せかけて・・・など、本当に作りの上手さが際立った映画でした。

見放題終了で無ければ触れる機会が無かったと思うと、思わぬ大当たりを引き当てた感じです。

こうした低予算ながらも良質の日本映画にもっと光が当たるといいですね。

 

次回ですが、まだ作品は決めておりませんが、できればブルース・ウィリスの映画を選べたらと思っております。