『ポップスター』
原題:Vox Lux
2018年製作/アメリカ映画/上映時間:110分/G/2020年6月5日日本公開
監督:ブラディ・コーベット
出演:ナタリー・ポートマン
ラフィー・キャシディ ほか
壮絶なトラウマを抱えるカリスマ女性シンガーの光と闇を描いた作品です。
『ブラック・スワン』などのナタリー・ポートマンが主人公を演じ、ジュード・ロウが共演。
二人は製作総指揮も務めております。
世界的トップ歌手のシーアが主題歌・劇中歌を担当しております。
あらすじ
クラスメートが起こした銃乱射事件から生き延びたセレステ(ナタリー・ポートマン)が姉のエレノア(ステイシー・マーティン)と作った追悼曲が大ヒットし、セレステは敏腕プロデューサー(ジュード・ロウ)に認められ新進スターへと上り詰める。18年後、スキャンダルで活動を休止していたセレステは、再起をかけてツアーに臨む。
(シネマトゥデイより)
オスカー女優、ナタリー・ポートマンが主演と製作総指揮を務め、カリスマポップスターの壮絶な生きざまを描いたドラマです。
監督は『シークレット・オブ・モンスター』などのブラディ・コーベット。
シンガー・ソングライターのシーアが主題歌・劇中歌などを担当し、ナタリーの夫バンジャマン・ミルピエが振り付けを手掛けております。
dTVにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
dTVで今月中に4本鑑賞すると、レンタル料金10%OFFになるとのことで、頑張って観ようと思いました。(いよいよ明日から『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の配信が始まりますので、できるだけお安いお値段で観たい!)
Amazonプライムビデオと被っている作品が多いのですが、本作はAmazonプライムビデオでは無かったので、まず本作を選びました。
クラスメイトによる銃乱射事件に巻き込まれ、生死の境をさまよいながらも一命を取り留めた14歳の少女セレステ。皮肉にも姉エレノアと作った追悼曲が大ヒットし、敏腕マネージャーに見初められてスターダムへと駆け上がる。
18年後、度重なるスキャンダルでトップスターの座から転落した彼女のカムバックツアー初日を前に、ある事件が起こる。それは、かつて彼女が被害に遭った事件を模倣するものだった。トラウマがよみがえる中、再起をかけてステージへと向かうセレステだったが・・・。
ナタリー・ポートマン、主演&製作総指揮のポップスターの栄光と挫折を描いた作品です。
2018年製作で日本公開がコロナ禍の2020年。
公開作品激減の中、「ナタリー主演なら観たいな~」と思っていたのですが、評価が芳しくない。
ためらっていたら、神戸の映画館では2週間で上映終了してしまいました。
低評価の理由がよく分かりました。
すべてが安っぽい。
アメリカ映画としては、かなりの低予算の映画だと言えます。
ここまで来るとキャストのギャラを除けば学生の自主製作映画レベル。
コロナ禍でなければ公開も危ぶまれた映画かもしれません。
本作は橋田ドラマ顔負けのナレーションの多さ。
そのナレーションをウィレム・デフォーが担当しているのですが、「意味あるの?」と思ってしまいました。
そのナレーションの中にはヒロインが転落していく過程など、映像で描かなければ観客に伝わらないものが多数あったのですが、それができなかったのは予算が無かったからでしょうね。
ナタリー&ジュード・ロウが製作総指揮を担当しても、スポンサーつかなかったみたいです。(・・・このシナリオでは仕方ない)
お話しが少し盛り上がってきたところで、話しの腰を折られるナレーションは本当にイライラの連続でした。
若き日のヒロイン&ナタリーの娘を演じたラフィー・キャシディが魅力的だったのが救いですね。
出演作は本作を含め3本だけですが、デビュー作の『トゥモローランド』はDisney+で。『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』はAmazonプライムビデオで観られるので、機会があれば。
不謹慎な言い方になってしまいますが、スターの転落を描いた映画は面白いです。
古くは、わたくしの人生ベスト10に入る名作、ビリー・ワイルダー監督の『サンセット大通り』などなど。
また、転落から再起を図るドラマですと、”再生の物語”としての魅力があります。
本作はそういったものをナレーションでごまかし、ただただナタリーのマスコミへの愚痴(ナタリーのホンネ?)をお下品な言葉で繰り返すだけの映画になってしまっておりました。
ヘンテコピチピチ衣装で歌うクライマックスシーン。
歌は吹き替えなので問題ないのですが、ナタリーのパフォーマンスがとてもカリスマポップスターに観えず、苦笑してしまうレベル。
「ナタリーは歌手で無いので仕方ない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ウィレム・デフォー&女性シンガーと聞くと、すぐに思い出される、あの”ロックンロールの寓話”『ストリート・オブ・ファイヤー』。
この作品でシンガーを演じたダイアン・レインも歌は吹き替えですが、スターミュージシャンのオーラが漂っておりました。
こ、この違いは・・・。
コロンバイン高校銃乱射事件をモデルにした冒頭のシーン。
そうした銃社会における暴力への反対メッセージが込められているかと言ったら、そうでも無く、セレブ、スターであることの辛さを描いた映画でも無い。
ナタリーのくねくねダンスを楽しむ映画・・・と観ればいいのかもしれませんが、それはあまりにきつい。
ジュード・ロウなど出演していたころすら忘れる印象の無さ。
ダンブルドア先生なら、このような黒歴史、簡単に消し去ることができると思います。
出来たら私の脳裏からも消去してもらえると嬉しい・・・。