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『ウィッチ』

『ウィッチ』

原題:The Witch

 

2015年製作/アメリカ映画/上映時間:93分/G/2017年7月22日日本公開

 

監督:ロバート・エガース

出演:アニャ・テイラー=ジョイ

   ラルフ・アイネソン

   ケイト・ディッキー ほか

 

第31回サンダンス映画祭で監督賞に輝いたファンタジーホラー映画です。

17世紀のアメリカを舞台に、信心深いキリスト教徒の一家が、赤ん坊が行方不明になったことをきっかけに狂気に陥っていくさまが描かれます。

 

あらすじ

 

1630年のアメリカ・ニューイングランド。信仰心のあついキリスト教徒の一家が村外れの森の近くに移り住んでくる。ある日、生後間もない赤ん坊が突如姿を消す。一家に不穏な空気が流れる中、父ウィリアム(ラルフ・アイネソン)は、まな娘のトマシン(アニャ・テイラー=ジョイ)が魔女ではないかと疑い……。

シネマトゥデイより)

 

「魔女」をテーマに、赤子をさらわれた家族が次第に狂気の淵へと転落していく姿を描いたファンタジーホラー映画です。

父親から魔女だと疑われる娘には、『スプリット』などのアニャ・テイラー=ジョイが演じております。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

間もなく見放題終了とのことで、本作を選びました。

ストーリー、監督、キャスト、まったく予備知識無しでの鑑賞です。

 

1630年、ニューイングランド。ウィリアムとキャサリンの夫婦は、敬けんなキリスト教生活を送るために5人の子どもたちと森の近くにある荒地へとやって来た。しかし、赤ん坊のサムが何者かに連れ去られ、行方不明となってしまう。

 

家族が悲しみに沈む中、父ウィリアムは、娘のトマシンが魔女ではないかとの疑いを抱き、疑心暗鬼となった家族は、狂気の淵へと転がり落ちていく・・・。

 

17世紀アメリカ・ニューイングランドで怖れられた魔女を恐れる家族を描き、サンダンス映画祭で監督賞、インディペンデント・スピリット賞で新人作品賞と新人脚本賞を受賞した作品です。

 

信仰という希望にすがることの光と影のようなものを映し出しているように思いました。

 

自分はまったく信仰心が無いので(ですので「Oh My God!」と言いません)、このあまりの独善的な信仰を持つ家族の姿が申し訳ないのですが、少し滑稽に観えてしまいました。

 

yahoo!のレビューで上手い表現を使っていらっしゃる方がおりましたが、村から追放され、最低限の貧しい生活を送るこの家族は「暗黒版・『北の国から』」と書かれておりましたが、まさにそんな感じでした。

 

低予算ながら映画の作りは上手で、ロケーションがすばらしい。

本当に魔女が住んでいそうな森や、灰色がかった色調の映像など目を見張るものがありました。

子役の演技も上手かったですね。

 

神を信じることは悪いことでは無いと思います。

しかし、残念なことに、信仰ではお腹は膨れませんし、人間には食欲以外にも物欲や性欲というものが生じてしまいます。

それらを”邪神”(邪心?)と捉えてしまうことが、信仰心の強い家族ならより一層闇に飲み込まれてしまうように感じました。

 

悪いことが起こったら、すべて悪魔や魔女のせいにすればウィル・スミスも苦労しないと思うのですが、世の中そんなに上手くいきません。

収穫の無いこと、子どもが姿が消したこと、それらを家族の誰かの責任にしようとする姿は人間の心の暗闇が持つ悪しきもののように思えます。

 

エンドクレジット前に”17世紀の言語を忠実に使っている”とのテロップが出ました。

 

ヒロインと父親が言い争うシーンで「悪魔に魂を売り渡す」というセリフがあったのですが、私の聞き間違いで無ければ、「バーゲン」と言っていたような気が。

 

と、なると「バーゲンセール」とは魂の大安売りという意味なのでしょうか?

 

ヒロインを演じたアニャ・テイラー=ジョイが良かったです。

清楚な中に少し妖艶な魅力もあり、思わず見入ってしまう美しさがありました。

 

私的に魔女と言えばサマンサやメグちゃんなのですが、そのような方々は登場しない人間の弱い心の奥底から生まれる悪夢を描いたホラー映画でした。

『キャリー』や『シャイニング』を彷彿とされるような描写もあり、映画ファンとしては、結構楽しめました。

 

それにしても破廉恥なヤギさんだ・・・。