『ゴーストバスターズ/アフターライフ』
原題:Ghostbusters: Afterlife
2021年製作/アメリカ映画/上映時間:124分/PG12/2022年2月4日日本公開
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:キャリー・クーン
フィン・ウルフハード
マッケンナ・グレイス ほか
幽霊退治に乗り出した科学者たちの活躍を描いたSFコメディ『ゴーストバスターズ』シリーズの第3弾です。
祖父が遺(のこ)した田舎の家で新生活を始めた兄妹に待ち受ける運命が描かれます。
前2作を手掛けたアイヴァン・ライトマン監督の息子で『マイレージ、マイライフ』などのジェイソン・ライトマンがメガホンを取っております。
あらすじ
母(キャリー・クーン)と兄(フィン・ウォルフハード)と共に田舎に引っ越してきたフィービー(マッケンナ・グレイス)は、祖父が遺(のこ)した古い家で暮らし始めるが、街ではおよそ30年にわたり原因不明の地震が続いていた。ある日、フィービーは床下で不思議な装置を見つけ、さらに祖父の遺品を探るうちにゴーストを捕獲するための装置「プロトンパック」を発見。その後、彼女は祖父がかつてゴーストでいっぱいのニューヨークを救った「ゴーストバスターズ」の一員だったことを知るが、街はさらなる異変に見舞われる。
(シネマトゥデイより)
幽霊退治に挑む冴えない科学者たちの奮闘をユーモラスに描き、1980年代に世界的ブームを巻き起こした『ゴーストバスターズ』のシリーズ第3作です。
『gifted ギフテッド』のマッケンナ・グレイス、『IT イット』シリーズのフィン・ウルフハード、『アントマン』シリーズなどのポール・ラッドらが出演。
dTVにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。(レンタル鑑賞、ポイント利用です)
失効してしまうポイントがあったため、本作レンタル料に利用いたしました。(『スパイダーマン~』と迷ったのですが、こちらを選んでしまいました)
前2作とも観ております。(『1』はレンタルビデオ、『2』は映画館)
おさらいでまた観ようか迷ったのですが、以前書いたかもしれませんが、私、ビル・マーレイが好きで無いのでやめました。
配信終了など諸々の理由で、これから少しシリーズもののレビュー記事が多くなると思います。
ご了承ください。
少女フィービーは母や兄とともに、祖父が遺した田舎の古い屋敷に引っ越して来る。この街では30年間にわたり、原因不明の地震が頻発していた。ある日フィービーは地下研究室でハイテク装備の数々を発見し、祖父がかつてニューヨークを救ったゴーストバスターズの一員だったことを知る。
そんな中、フィービーは床下にあった装置「ゴーストトラップ」を誤って開封してしまう。すると不気味な緑色の光が解き放たれ、さらなる異変が街を襲いはじめる。
1984年に全米年間ナンバーワン大ヒットになった『ゴーストバスターズ』。
製作&監督にアイヴァン・ライトマン。
脚本が出演兼任のダン・エイクロイドとハロルド・ライミス。
ビル・マーレイ、シガニー・ウィーバー、リック・モラニスらが出演。
当時のコメディ映画の興行新記録を樹立。
主題歌のレイ・パーカーJrのテーマ曲も大ヒット。
’80年代洋楽ベスト盤などに必ずと言っていいほど収録されております。
映画ファンの私としては、ぜひとも映画館で観たかったのですが、高校受験を控えており、泣く泣く断念。
のちにレンタルビデオで鑑賞いたしましたが、やはり映画館向けの作品だと感じました。
シナリオを担当したダン・エイクロイドとハロルド・ライミスの才能が光る作品だと思います。
ちなみにが2つ。
1つ目は、2016年製作のリプート版はシリーズとしてカウントされておりません。
(あのエンドクレジットのクリス・ヘムズワースのダンスは思い出すと気分が悪くなる・・・。でも、それ以外はそれほど悪くない)
2つ目は1984年全米年間興行成績2位は『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』なのですが、この作品にダン・エイクロイドがカメオ出演。
登場場面はチャイニーズ・マフィアのラオ・チェから逃げ出したインディが空港に到着し、迎えに来た男を演じております。
気づかなかった・・・と言う方はぜひDVDなどでチェックしてください。
アイヴァン・ライトマン監督(写真一番左)のライフワークとも言える『ゴーストバスターズ』。
その正当な続編を息子(写真一番右)が監督を担当する。
お父さんとしては最高に嬉しいことだと思いますし、息子さんは父への親孝行とも言えると思います。
アイヴァン・ライトマンは映画公開後の本年2月12日に亡くなられております。
本作の製作が映画人としての最後の仕事になってしまいました。
心の温まるコメディを得意とする監督で、『ツインズ』や『デーヴ』という作品がお気に入りです。
ご冥福をお祈り申し上げます。
お父さんの意思は息子さんが受け継いでくれると思います。
オリジナルを観ている方が当然楽しめる作品だと思いますが、観ていなくてもまったくついていけない出来になっていないところは若い映画ファンにも受け入れられるように思いました。
ミニチュアマシュマロマンが大量に登場するのですが、これは可愛かった。
どうでもいいことですが、わたくし、アメリカ映画を観て「マシュマロは焼いて食べるもの」と知りました。
ただ、オリジナルを観ている者から言わせていただくと、ゴースト捕獲用使用の特殊な自動車やゴーストトラップなどの登場には思わずニヤリとされられまくりでした。
ハロルド・ライミスが演じたイゴン・スペングラーの孫娘を演じたマッケンナ・グレイスが魅力的ですばらしい演技を披露しておりました。
『gifted ギフテッド』でもキャップことクリス・エヴァンスを喰ってしまう名演を見せてくれたおりましたが、本作も良かったです。
担当教師を演じた俳優さん、どこかで・・・と思ったら、今知りましたが、『アントマン』を演じた人でした。
MCUの主人公を演じた俳優はマッケンナ・グレイスと共演しない方がいいかもしれませんね。
影が薄くなってしまいます。
※ここからネタバレ記事になります。これからご覧になられる方はご注意を。※
終盤でのオリジナルキャストの登場は少しズルい感じもいたしましたが、彼らが出なければ、やはり『ゴーストバスターズ』と言えない気もいたしましたので、これは仕方ないのかな?とも感じました。
ただ、それでも「美味しいところは全部持っていった」とは言えず、やはり最後までマッケンナ・グレイスが光っていたのは良かったですね。
エンドクレジットが流れ、「シガニー・ウィーバーは出てくれなかったか~」と思っていたら・・・
エンドクレジット中の映像にしっかり出演してくれておりました。
1作目で見せたビル・マーレイとのやり取りの再現シーンは楽しませてもらいました。
本作はその後にもオマケ映像があるので、エンドクレジット最後までご覧になってくださいね。
『ゴーストバスターズ2』が公開されたのが1989年。
本当はもっと早く3作目が製作されるはずでしたが、ビル・マーレイとハロルド・ライミスの確執などがあり、企画は断ち切れてしまいました。(これが私がビル・マーレイが嫌いになった一番の理由です)
2014年にライミスは他界されております。
ライミスが構想していた物語をできるだけ忠実に再現させようと製作された本作。
ライミスへの愛、ビル・マーレイとしては贖罪の気持ちもあっての出演だと思います。
映画の内容とは関係ないことかもしれませんが、CGで登場したライミスの嬉しそうな笑顔に胸が熱くなりました。
『トップガン マーヴェリック』が世界的に大ヒット中です。
同じ1980年代にオリジナルが公開になった作品です。
『トップガン』の監督も、もうこの世にはおりません。
オリジナルを生み出したクリエイターへの敬意と愛情を忘れないことが、続編作りをする人たちの使命のように思います。
本作や『トップガン マーヴェリック』はそれが出来ていたからこそ、好意的な評が多かったように思います。
(『トップガン マーヴェリック』はまだ観ておりませんので偉そうなことは書けませんが)
ルーカスを侮辱し、主演俳優を激怒させた某宇宙戦争映画8作目の監督や、石ノ森章太郎先生の生み出した改造人間を単純に軽い悪役として利用する白倉Pと脚本家・米村氏はこうしたものが完全に欠如しておりました。
本作は映画の出来として申し分ないとは言えないですが、オリジナル作とハロルド・ライミスへのあふれんばかりの愛情は観ていて気持ちのいいものでした。
・・・ただ、2作目のときも感じましたが、やはりマシュマロマンを超える魅力的なゴーストを生み出すのは難しかったようですね。
あと、お母さん役の女優さん、もう少し綺麗な方を起用してもらいたかった。
若い俳優がみんないい味を出していたので、青春映画としても楽しめる1本だと思いました。