『記憶屋 あなたを忘れない』
2020年製作/日本映画/上映時間:105分/G/2020年1月17日日本公開
監督:平川雄一朗
出演:山田涼介
佐々木蔵之介 ほか
第22回日本ホラー小説大賞で読者賞を受賞した織守きょうやの小説を、「Hey! Say! JUMP」の山田涼介主演で映画化した作品です。
あらすじ
大学生の遼一(山田涼介)は、年上の恋人・杏子(蓮佛美沙子)にプロポーズするが、翌日から彼女と連絡が取れなくなってしまう。数日後に再会すると、彼女は遼一の記憶だけを失っていた。混乱のさなか、遼一は人の記憶を消せるという都市伝説的な“記憶屋”の存在を知り、大学の先輩で弁護士の高原(佐々木蔵之介)に相談する。そして幼なじみの真希(芳根京子)らに支えられながら、杏子が記憶を失った原因を探っていく。
(シネマトゥデイより)
「第22回日本ホラー小説大賞」読者賞を受賞した織守きょうやの小説を実写映画化した作品です。(映画はホラーではありません)
『鋼の錬金術師』などの山田涼介が主演し、彼の幼なじみを『累 -かさね-』などの芳根京子が演じております。
Amazonプライムビデオにて鑑賞して鑑賞。
初めての鑑賞になります。
日本映画を観たいと思っていたのですが、観たい映画が上映時間が長い(2時間20分超え)作品ばかりで、あまり時間が無かったので1時間50分以内で終わる作品という理由だけで本作を選んでしまいました。
それが悪夢の始まりとは知らず・・・。
大学生の遼一は年上の恋人・杏子にプロポーズするが、その翌日から彼女と連絡が取れなくなってしまう。数日後に再会した彼女は、遼一の記憶だけを失っていた。
信じられない思いの遼一は、人の記憶を消せるという都市伝説的な存在「記憶屋」のことを知り、大学の先輩で弁護士の高原に相談して杏子の記憶喪失の原因を探り始める。
幼なじみの真希や高原の助手・七海らと調査を進めるうちに、人々の中にある忘れたい記憶やその奥にある思いに触れていく遼一だったが・・・。
映画を上映時間だけで決めてはいけない。
そう実感させてくれる褒める要素が皆無の恐ろしい映画でございました。
記憶を消せる力ということで、2004年のミシェル・ゴンドリー監督の『エターナル・サンシャイン』を例に出している人もおりましたが、冗談やめてください。あの傑作と一緒にしないでもらいたい。
観ていて終始イライラの連続。
理由は登場人物が全員自分のことしか考えていない。
「ファンタジーなんだから」なる擁護派の意見もありましたが、そういう問題を通り越した意味不明、理解不能な描写のオンパレード。
佐々木蔵之介さん演じる弁護士は脳に腫瘍があり、いつ死んでもおかしくない状態。
そんな状態で自動車を運転して東京から広島へ行ってしまいます。
そこで芳根京子さんのお爺ちゃんに会うのですが、その爺ちゃん、認知症患っているにも関わらず、4年間に会った孫をしっかり覚えているし、ちゃんとした会話もできている。
こういうおかしな描写をファンタジーで済ませてしまっては不味いでしょう。
記憶屋に婚約者の自分の記憶を消されてしまった主人公。
その婚約者がある事件に巻き込まれたと知り、ショックで豪雨の中、泣き崩れる主人公。
もうそろそろ、こういう描写は失笑しか呼ばないと日本映画界は気づくべきなんですけどね。
否定派の人の多くがこのシーン「ドン引きした」と書いてありましたが、監督はこれで観客が感動してくれると勘違いしているんでしょうね。
ジャニーズに詳しくはありませんが、主演の山田涼介さん、たしか『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に主演していた記憶が。(こんな記憶は消されても構わないのですが)
・・・ファンの女性が嘆くように、もっといい作品に出演させてあげたいと思ってしまいますね。
お気の毒です。
それ以上に気の毒だったのが芳根京子さん。
今、注目の若手女優のはずなのですが、これはあまりに酷すぎます。
彼女の役は、まさに『エクソシスト』の悪魔そのもの。
『ジョーカー』ですら、人の心があると思ってしまいました。
キネマ旬報を全面的に支持しているワケではありましたが、やはりこんな酷い邦画を観るなら、キネマ旬報ベストテンに入っている映画にすべきだったかな?と後悔しております。
三谷幸喜監督の映画といい、本作といい、『記憶』とタイトルにつく日本映画は気をつけた方が良さそうです。
この映画の後だったら、シャマランの2作品、もっと高い評価になっていたかもしれません。