原題:The Batman
2022年製作/アメリカ映画/上映時間:176分/G/2022年3月11日日本公開
監督:マット・リーヴス
出演:ロバート・パティンソン
ポール・ダノ ほか
『トワイライト』シリーズなどのロバート・パティンソンが、DCコミックスが原作のキャラクター「バットマン」ことブルース・ウェインを演じるサスペンスアクションです。
コリン・ファレル、ポール・ダノ、ゾーイ・クラヴィッツなどが共演者として脇を固めます。
あらすじ
両親を殺害されたブルース・ウェイン(ロバート・パティンソン)は探偵となり、夜は黒いマスク姿でゴッサム・シティの犯罪者を懲らしめていた。しかし、権力者を標的にした連続殺人事件の犯人として名乗り出たリドラーが、警察やブルースを挑発。そして、政府の陰謀やブルースに関する過去の悪事などが暴かれていく。
(シネマトゥデイより)
ゴッサム・シティに住む青年ブルース・ウェインがが、知能犯リドラーの挑発的な攻撃に苦悩しながらも戦いを繰り広げるDCコミックスの人気キャラクターのバットマンを主役に描くサスペンスアクションです。
『TENET テネット』のロバート・パティンソンが新たにブルース・ウェイン/バットマンを演じております。
dTVにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
失効してしまうポイントがあったため、それを利用してレンタルいたしました。
アメコミ・ヒーローの中でバットマンが一番好きです。
両親を殺された過去を持つ青年ブルースは復讐を誓い、夜になると黒いマスクで素顔を隠し、犯罪者を見つけては力でねじ伏せる「バットマン」となった。ブルースがバットマンとして悪と対峙するようになって2年目になったある日、権力者を標的とした連続殺人事件が発生。
史上最狂の知能犯リドラーが犯人として名乗りを上げる。リドラーは犯行の際、必ず「なぞなぞ」を残し、警察やブルースを挑発する。やがて権力者たちの陰謀やブルースにまつわる過去、ブルースの亡き父が犯した罪が暴かれていく・・・。
『夏美のホタル』同様、画面が暗かったです。
あちらは予算が無く、照明機材を集められなかったからですが、こちらは意図的。
ですが、何が映っているのか分からないシーンがあったのは同じでした。
誰もが”傑作”と認めるクリストファー・ノーランの『ダークナイト』。
それを基準で鑑賞してしまうと物足りなさを感じてしまうのは間違いありません。
・・・ですが、私個人的には最初に観た(正確に言えば子どもの頃テレビで観ていた「バットマン」が初めてなのですが、車とテーマ曲しか覚えていなかった)ティム・バートン監督版『バットマン』、2作品が一番好きです。
ほとんどの方が「クリスチャン・ベイル」と答えるでしょう。
それとも「ベン・アフレック」?
「ヴァル・キルマー」と答えたら、かなりの通です。
私はやはり映画での初代である、マイケル・キートン以外考えられません。
ではジョーカーと言えば・・・?
「ヒース・レジャー」か「ホアキン・フェニックス」がほとんどでしょう。
ですが、こちらも私個人的はやはり1989年の『バットマン』でジョーカーを演じたジャック・ニコルソンを真っ先に思い出します。
話しが脱線してしまいましたが、ノーラン版が多くの指示を集めておりますが、やはり1989年のティム・バートン版の成功が無ければ、『ダークナイト』も『ジャスティス・リーグ』も本作も無かったと言えると思います。
今回ブルース・ウェイン/バットマンを演じたロバート・パティンソンですが、とても良かったと思いました。
青くさい感が逆にいい味を出していたと思います。
今までで一番両親を殺されたショックから立ち直れていない内面の弱さが全面に出ていたように感じます。
バットマンになっても声を変えていない。
今まで一番顔が出ているので正体がバレバレ・・・という意見が多かったですが、今回のブルース・ウェインは青年実業家という設定で無く引きこもりで表舞台にほとんど出ない設定なので、それは問題無いと思いました。
ちなみにバットマンになって声を変えるのはノーラン版からという意見もありましたが、それは違います。
バートン版ですでに行われております。
本作は明確なヴィラン(敵役)であるリドラーを登場させ、しかし本当の悪は一番高いところから庶民を見下しているというストーリーになっております。
政治家と警察の汚職とマフィアとの繋がり。
それらを処刑し、バットマンになぞなぞを残していくリドラーの姿が実に面白いと思いました。
バットマンの宿敵として知られるペンギンがちょっと印象薄め。
まあコリン・ファレルなので仕方ないか・・・?
セリーナ/キャットウーマン役のゾーイ・クラヴィッツはとても魅力的でした。
バットマンと敵対する関係では無かったです。
ここはノーランの『ダークナイト ライジング』のアン・ハサウェイと同じような感じ。
これまでの『バットマン』はヴィランのインパクトが強すぎ、バットマンはその計画などを阻止する正義のヒーローとして描かれることが多かったです。
ですが、今回もリドラーの存在は強烈ですが、同じようにバットマンの持つ悲しみや憎しみも強く描かれているところが興味深かったです。
二人の根底にあるものは同じ”復讐”です。
バットマンと黒人刑事・ゴードンが共に行動し、街にはいつも雨が降っている。
構図的にも画面の薄暗さなど、『セブン』をモチーフにしたと思える作りになっておりました。
今回登場するバットモービルは凄い特殊な装備をしている・・・ということは無く、スポーツカーの改造車くらいな感じ。
全体的に超兵器なども登場しない設定になっております。
本作は『007』で言うところの『カジノ・ロワイヤル』のような感じです。
まだ完全なヒーローになりきれていないバットマンの姿が多く映し出されます。
失敗も多く、まだ弱く、ときに感情的になり暴走することもある。
ですが、そこが自分は気に入っております。
人の心は傷つきやすく、脆い。
セリーナもリドラーも、そしてブルースも・・・。
そのような人間的な部分がよく描かれていると思いました。
残念だったところは今までの作品の中で一番アルフレッドが面白く無いキャラクターになってしまっていたところでしょうか?
『ダークナイト』や『ジョーカー』があまりに完ぺきに近い出来なので、比較されがちですが、本作ならではの魅力もあると思います。
続編は現段階では分かりませんが、できたら、またロバート・パティンソンのブルース・ウェイン、観たいと願っております。
「バットマンの翼がジュディ・オングに観えた」なる意見がありましたが、それは無い!(笑)