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『アイネクライネナハトムジーク』

アイネクライネナハトムジーク

2019年製作/日本映画/上映時間:119分/G/2019年9月20日日本公開

 

監督:今泉力哉

出演:三浦春馬

   多部未華子

   恒松祐里 ほか

 

ベストセラー作家・伊坂幸太郎による小説を、『愛がなんだ』の今泉力哉監督のメガホンで映画化した恋愛群像劇です。

三浦春馬さんが劇的な出会いを待つだけの主人公の青年を演じ、さまざまな人物との物語が展開します。

 

あらすじ

 

マーケティングリサーチ会社で働く佐藤(三浦春馬)は、劇的な出会いをひたすら待っている。ある日、仙台駅前で街頭アンケートを取っていると、多くの人が立ち止まってくれない中で1人の女性(多部未華子)が快く応じてくれた。佐藤は、親友の「出会いなんてどうだっていい、後で自分の幸運に感謝できるのが一番だ」という言葉を思い出す。

シネマトゥデイより)

 

映画化もされた「重力ピエロ」などの伊坂幸太郎の小説を原作としたラブストーリーです。

映画の中でもキーとなる主題歌「小さな夜」と劇中音楽を、シンガーソングライターの斉藤和義が担当しております。

 

dTVにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

dTVの見放題の日本映画から、何か選ぼうと思い(dTVは月間5本観るとポイントが当たる可能性があるので)、数本、最初の10分鑑賞。

日本映画は最初の10分で「行ける」、「ダメだ」が(だいたい)分かるので、5本目にして、「行ける」と思ったのが本作でした。

Amazonプライムビデオの方では見放題終了していたこともあり、今回は本作を選びました。

 

仙台駅前で街頭アンケートを集めていた会社員の佐藤は、ふとしたきっかけでアンケートに応えてくれた女性・紗季と出会い、付き合うようになる。そして10年後、佐藤は意を決して紗季にプロポーズするが・・・。

三浦春馬さん演じる佐藤と多部未華子さん演じる紗季を中心に、美人の同級生・由美と結婚し幸せな家庭を築いている佐藤の親友・一真や、妻子に逃げられて途方にくれる佐藤の上司・藤間、由美の友人で声しか知らない男に恋する美容師の美奈子など周囲の人々を交えながら、不器用でも愛すべき人々のめぐり合いの連鎖を10年の歳月にわたって描き出す群像劇になっております。

 

「あのとき、出会えたのが君で良かった」。

そんな出会いに憧れを抱く青年・佐藤。

 

自分も高校は男子校。

職場も男社会だったので、出会いはまったくありませんでした。

佐藤の気持ちはオヂさんになった今も痛いほどよく分かります。(涙)

 

普段はネットで行っているアンケート調査をPCの故障により路上ですることに。

そこで偶然アンケート調査に答えてくれた沙紀。

それから彼女のことが気になり、ある日、道路工事現場でバイトをしている彼女と再会する。

映画の流れで行くと、三浦春馬さんと多部未華子さんのロマンスがメインだと思っていたら、そうでもない。

物語はいきなり10年後に・・・。

 

登場人物の多い作品ですが、それぞれのキャラクターが等身大で映画的に誇張されず、「ああ、こういう人いるな~」と思わせるところが良かったです。

恋に奥手の貫地谷しほりさんにお節介焼きのMEGUMIさん。

 

見た目は悪いが、人一倍他人を思いやる男・一真矢本悠馬)。

その美しい妻・由美(森絵梨佳)。

この2人の娘・美緒を演じる恒松祐里さんがとてもキュートでした。

 

愛とまでは行かないにしろ、人が人を好きになることの美しさ、すばらしさが温かみに包まれ描かれた映画だと思いました。

劇的な展開は用意されていないのですが、また、そこがナチュラルな感じがしていいと思いました。

 

ですが、不満も数々。

まず、多部未華子さんがなかなか登場しない。(上映開始30分後くらいにやっと登場)

・・・で、先ほど書いたとおり、2人が付き合うことになって、いきなり物語は10年後に。

10年間もダラダラ付き合って、ようやくプロポーズって?

普通、とっくに別れているでしょ。

この2人の話しがメインだと思っていたら一番薄口で、肉まんくん夫婦の物語の方がしっかり描かれておりました。

 

ボクシングのエピソードに関しては違和感だらけ。

まず、申し訳ないのですが、日本にプロボクシングヘビー級チャンピオンはまず誕生することはありません。

なぜリアルに思える、もっと軽い階級にしなかったのか?

10年前KO負けしたボクサーが10年後リターンマッチって、それまで何していたの?

そのボクシングのシーンでセコンドにお笑い芸人のサンドイッチマンが出て、一気にシラけました。

 

10年間、仙台駅前の同じところでストリートミュージシャンが歌っておりますが、本作の主題歌を担当したシンガーソングライターの斉藤和義がモデルだそうです。

ですが、”アイネクライネナハトムジーク”はヴォルフガング・アマデウスモーツァルトの作曲したセレナーデ。

斉藤和義は存じあげないので分かりませんが、できればモーツァルトの曲を使ってもらいたかった。

(ただ、原作が作者と斉藤さんとの交流から生まれたので、これは仕方ないかな?)

 

ラストの三浦春馬さんの最高の笑顔。

本当にすばらしく、忘れられないものになっております。

それだけに悔しく、悲しく、切なく、辛いです。