『モービウス』
原題:Morbius
2022年製作/アメリカ映画/上映時間:104分/G/2022年4月1日日本公開
監督:ダニエル・エスピノーサ
出演:ジャレッド・レト
マット・スミス
アドリア・アルホナ ほか
スパイダーマンの敵役として登場するマーベルコミックのキャラクター、モービウスを主人公に描いたダークアクションです。
コウモリの血清を用いて血液の難病を治療したために、肉体や能力が激しく変貌した彼の運命が描かれます。
あらすじ
ノーベル賞に輝くほどの頭脳を誇り、数多くの患者の命を救ってきた医師マイケル・モービウス(ジャレッド・レト)。しかし、治療法のない血液の難病を幼いころから患っており、身体はやせ細り、松葉杖を使わなくては歩くことさえ難しかった。病が命をむしばんでいくと感じた彼は、コウモリから採取した血清を投与するという治療に懸けてみることに。その結果、病気は回復するが、超音波を発して周囲の状況を感知する能力や飛行能力を手にすると同時に、血液を激しく欲するようになってしまう。
(シネマトゥデイより)
マーベルのキャラクター、モービウスを主人公にしたダークアクションです。
監督は『ライフ』などのダニエル・エスピノーサ。
『ダラス・バイヤーズクラブ』などのジャレッド・レト、『オフィシャル・シークレット』などのマット・スミスに加え、『スパイダーマン:ホームカミング』で敵のバルチャーを演じたマイケル・キートンが出演。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
期間限定¥100だったので、観たいと思ってレンタルいたしました。
し、しかし、先月レンタルしたのですが、今月下旬から見放題で配信とのこと。
(最近、このパターンが多い。気をつけなければ)
何となく¥100損した気分・・・。
天才医師のマイケル・モービウスは、幼いころから血液の難病を患っている。同じ病に苦しみ、同じ病棟で兄弟のように育った親友のマイロのためにも、一日も早く治療法を確立したいマイケルは、コウモリの血清を投与するという危険な治療法を自らの肉体を実験台にして試す。
その結果、マイケルの肉体は激変し、超人的なスピードや飛行能力、周囲の状況を察知するレーダー能力が身につくが、代償として血に対する渇望に苦しむこととなる。自らをコントロールするために人工血液を飲み、薄れゆく人間としての意識を保つマイケル。
そんな彼に対し、マイロも生きるためにその血清を投与してほしいという。同じころ、ニューヨークの街では次々と全身の血が抜かれるという殺人事件が頻発する・・・。
いや~、面白かった!
『スパイダーマン』のヴィランというのは聞いたことがある程度でしたが、『ジョーカー』同様、ヒーロー不在のダークキャラクター作品として、(さすがに『ジョーカー』には及びませんが)楽しめました。
ですが、映画ファンのレビュー、評論家の短評と低評価連発。
うっ、自分の感性がおかしいのだろうか?
たしかに『ザ・フライ』に似た設定。
ヴァンパイア(吸血鬼)を描いているのですが、流血シーンが(R指定を避けるため)少ないなど、不満の理由も理解できるものでした。
『ザ・フライ』同様、実験によりモンスターになってしまった青年と恋人のエピソードがあります。
こうしたドラマの部分もそれなりに描けていたと思います。
ただ、恋人役のアドリア・アルホナという女優さんは少し薄味でした。
プエルトリコ出身なので、「もしかして?」と思い、調べてみまいたら、『ウエスト・サイド・ストーリー』には出演しておりませんでした。
事件を追う2人組の刑事もダメダメでした。
面白味もありませんでしたし、役立たずのうえ、これと言った見せ場も無し。
劇中の表現だと税金の無駄遣い。
映画としては必要無いキャラクターでした。
ほかの俳優さんが魅力が無く観えてしまうのは、それだけオスカー俳優のジャレッド・レトが上手いからだと思います。
『ダラス・バイヤーズクラブ』、『ブレードランナー2049』、どちらもすばらしい演技を披露しておりました。
そして本作。
製作も兼任しただけに、この役に並々ならぬものがあったのだと思います。
この恐ろしくも哀しいキャラクターを見事演じておりました。
幼いころからの親友とのエピソードももの悲しいものがあり、切ない気持ちになりました。
恐るべき能力を手にいてたことで苦悩するマイケルとその力によって苦しめられたものから解放され暴れまくるマイロ。
対照的なキャラクターとして描かれます。
後半、このマイロを極悪非道の悪役に描き、その暴走を止めるヒーロー的なキャラクターとしてモービウスを描く姿勢には評価が分れると思います。
ハリウッドの製作するヴァンパイア・ムービーはどことなく哀しさが映し出せれていて自分は好きです。
トム・クルーズ主演の作品が一番お気に入りです。
まあ、あのクリステン・スチュワート主演の駄作シリーズという例外も存在いたしますが・・・。
SSU=ソニーズ・スパイダーマン・ユニバースの作品として観ると、もの凄く暗く、怖く、残酷な物語のように思います。
『ヴェノム』に比べてもユーモアな場面は一切用意されておりません。
「気持ち悪い」と言って批判している方も多かったですが、ポスターや予告編を観て本作が気持ち良くなる作品だと思っていたのでしょうか?
激辛料理注文して「辛い」と文句を言うのはやめましょう。
ラストにサプライズ。
本家コウモリ男の登場。
続編製作は間違い無いと思われれるエンディングでしたが、はたして、どの『スパイダーマン』と対決するのか?
期待して待ちたいと思います。