『ファースト・マン』
原題:First Man
2018年製作/アメリカ映画/上映時間:141分/G/2019年2月8日日本公開
監督:デイミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング
カイル・チャンドラー ほか
『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリングが再び組んだ伝記ドラマです。
人類初の月面着陸に成功したアポロ11号の船長ニール・アームストロングの人生が描かれます。
第91回(2019年)アカデミー賞にて視覚効果賞を受賞。
あらすじ
幼い娘を亡くした空軍のテストパイロット、ニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)は、NASAの宇宙飛行士に応募し、選抜される。彼は家族と一緒にヒューストンに移り住み、有人宇宙センターで訓練を受ける。指揮官のディーク・スレイトン(カイル・チャンドラー)は、当時の宇宙計画において圧倒的優位にあったソ連も成し得ていない月への着陸を目指すと宣言する。
(シネマトゥデイより)
ジェームズ・R・ハンセンが記した宇宙飛行士ニール・アームストロングの伝記「ファーストマン」を原作に、「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督&主演ライアン・ゴズリングのコンビが再びタッグを組んで描いた伝記ドラマです。
製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグ。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
昨日、11月11日は”ポッキーの日”でしたが、本日11月12日はライアン・ゴズリング、42歳のお誕生日です。
お祝いの気持ちを込めまして、今回は本作を選びました。
Happy Birthday!
1961年、空軍のテストパイロット、アームストロングは、NASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に応募。
翌年、宇宙飛行士に選ばれた彼は、妻子とともにヒューストンに移り住み、有人宇宙センターで過酷なトレーニングに励みながら、他の宇宙飛行士たちと家族ぐるみで友情の絆を深めていく
宇宙でのフロンティア開拓をめぐって、米ソ両国がしのぎを削る中、1969年、アームストロングはついに人類初の月面着陸に挑むことに・・・。
ライアン・ゴズリング Ryan Thomas Gosling
1980年11月12日カナダ・オンタリオ州ロンドン生まれ。
1993年にディズニーチャンネルで放送された番組で子役としてキャリアスタート。
2004年の『きみに読む物語』で注目され、2006年の『ハーフネルソン』でアカデミー賞主演男優賞にノミネート。
その後も順調なキャリアを積み、『ブルー・バレンタイン』(2010)、『ドライヴ』(2011)、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)と高い評価を受けます。
2016年の『ラ・ラ・ランド』でゴールデングローブ賞最優秀主演男優賞を受賞。2度目のアカデミー賞にノミネートされます。
プライベートでは、2016年に女優のエヴァ・メンデスと挙式。
2人の娘さんがおります。
いい俳優さんだと思います。
今まで観た作品でハズレが無いのが凄いです。
印象的な作品は、初めてゴズリングを知った『ラースとその彼女』、強烈なインパクトを残した『ドライヴ』、もちろん『ラ・ラ・ランド』、そして賛否分れておりますが、自分は大好きな『ブレードランナー2049』です。
デイミアン・チャゼル監督の作品は『ラ・ラ・ランド』より『セッション』の方が好きです。
音楽を題材とした映画のあとに、なぜアームストロングなのか?
それが気になって仕方ありませんでした。
『セッション』との共通点は難しいですが、『ラ・ラ・ランド』との共通点と言えるかどうか微妙かもしれませんが、「夢に向かう男の現実と苦悩」のようなものは似ているかもしれません。
宇宙飛行士を描いた名作『ライトスタッフ』と比較するのも面白いかもしれません。
マーキュリー計画に携わった男たちと音速の壁を超えた飛行士を”ヒーロー”として描いた『ライトスタッフ』に対し、本作はかなり現実的な視点で宇宙飛行士を捉え、英雄扱いはしておりません。
人類初の月面着陸という偉業を大騒ぎする内容では無く、そこまでに至る過程。
多くの仲間たちの犠牲。
それらを繰り返し、アームストロングは月を目指します。
それは、何のためなのだろうか?
ゴズリング演じるアームストロングは口数も少なく、表情もあまり変えない。
ゴズリングらしい演技なのですが、これが逆に謎が多く感じられ、とても良かったと思いました。
冒頭の悲しすぎるエピソード。
多くのものを犠牲にして、それでも「ソ連に負けたくない」(これだけでは無いとは思いますが)理由から、宇宙計画は進められていきます。
その犠牲をムダにしないためにも、彼は月を目指したのではないでしょうか?
監督は歴史的偉業より家族の絆を描きたかったと話しております。
これに関しては文句なし。
ラストの余韻もいいですね。
ですが、これまでの宇宙飛行士の物語の映画のような娯楽性は薄く、画像も意図的だと思いますが古くさくしており、スマホで何でもできてしまう今のご時世になんてポンコツなロケットでよくぞ月へ・・・などと思ってしまいます。
「黒人は飯が食えなく、白人は月へ行く」。
今まで描かれなかったアメリカン・ドリームの裏側を痛烈に描いた佳作だと思いました。