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『貞子』

『貞子』

 

2019年製作/日本映画/上映時間:99分/G/2019年5月24日日本公開

 

監督:中田秀夫

出演:池田エライザ

   塚本高史

   清水尋也 ほか

 

鈴木光司のベストセラー小説「リング」シリーズの一つ「タイド」を原作にしたホラー映画です。

監督は『リング』シリーズや『スマホを落としただけなのに』などの中田秀夫

 

あらすじ

 

心理カウンセラーである茉優(池田エライザ)の勤め先に、警察に保護された少女が入院してくる。記憶を失い名前も言えない彼女のカウンセリングにあたる茉優だが、周囲で奇怪な現象が頻発する。同じころ、茉優の弟で動画クリエイターの和真(清水尋也)は、アップロードした映像の再生回数が伸びないことに焦りを感じていた。そこで、死者5人を出した火災の起きた団地に侵入し、心霊動画を撮ろうとする。

シネマトゥデイより)

 

記憶を失ってしまった少女と向き合う心理カウンセラーの女性が怪現象に見舞われるホラー映画です。

一礼して、キス』などの池田エライザがヒロインを演じております。

 

dTVにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

池田エライザさんお目当てで、今回は本作を選びました。

ジャパニーズ・ホラーは笑ってしまうので、滅多に観ません。

 

心理カウンセラーの茉優は、警察に保護された1人の少女を担当することに。全ての記憶を失い自分の名前すら言えない少女と向き合う茉優だったが、次第に彼女の周囲で不可解な出来事が起こり始める。

一方、WEBマーケティング会社に勤める祐介の薦めでYouTuberとなった茉優の弟・和真は再生回数を稼ぐため、5人の死者を出した団地の火事跡に忍び込んで心霊動画を撮ろうとするが・・・。

 

一応ホラー映画だそうですが、もう冒頭からエンディングから、ずっと笑いっぱなし。

久々にお腹が痛くなるくらい笑いました。

製作に関西テレビ(カンテレ)の名前がありましたが、放映しているくだらないバラエティ番組より数段笑いのセンス抜群の鬼才・コメディ監督の中田秀夫の本領発揮の作品でした。(・・・ホラー映画の監督でしたね)

 

世界中を震撼させ、ハリウッドでもリメイクされた『リング』。(1998)

私はテレビ放映で鑑賞いたしましたが、どこが怖いのか分かりませんでした。

ただ髪の長い女性が顔を隠して井戸から出てくるだけ・・・の映画としか思えませんでした。

 

そして、満を持して(?)21世紀に甦った貞子の姿を描いた本作。

『リング』では”呪いのビデオテープ”でしたが、今の時代にVHSのビデオデッキ持っている家庭はほぼ無いと思われるので、貞子も時代には逆らえず(笑)、”呪いのYouTube”にデジタル進化。

 

オリジナル版、その続編に出演している佐藤仁美さんの出演は過去作との関連付けのようにしているのかもしれません。

・・・ですが、オリジナル版、松嶋菜々子さんが出ていたくらいしか覚えていない自分には意味が分かりませんでした。

この佐藤さん演じる倉橋という女性、枝切りバサミを手に刃物を向けて池田エライザさんに「なんで私を怖がるのよ!」などとわめくシーンがありますが、当たり前でしょ?危ないんだから。

さらに、貞子の呪い(?)らしきもので殺されたお顔は爆笑を誘います。

 

良かったところを一つだけ。

映画本編ではありましたが、池田イライザさんの同僚役に「仮面ライダーW」の左翔太郎役の桐山漣さんが出演。

相棒のフィリップ役の俳優さんは嫌と言うほと出演作が多いですが、桐山さんの「W」関連以外の作品を観たのが、これが初めてで新鮮でした。

残念ながら相棒がいないので、貞子相手に「変身!」して戦うことができなかったですが・・・。(でも『平成ライダーVS昭和ライダー~』で一人で変身!しておりましたが)

 

yahoo!映画レビュー平均的2.1。

映画.comレビュー平均点2.0。

この数字がすべてを語っております。

もう褒める要素の無い映画でした。

 

たしかに最初の『リング』は斬新なもので高評価なのは分かります。

ですが、それに味を占めてくだらない続編を作り続ける・・・。

これはハリウッドの『13日の金曜日』に似ております。

この作品も最初は湖で溺れ死んだ子どもの無念を晴らそうと、ティーンエイジャーへ復讐をしようとする母親の狂気を描いた優れたホラー映画でしたが、いつの間にかホッケーマスク被った死なない殺人鬼のコメディに変わってしまいました。

ハリウッドの悪い前例を見習わない姿勢を持ってもらいたかったです。

 

死んだ超能力者の怨念。

その娘の復讐。

親の愛に恵まれなかった子どもたち。

その救われなかった無数の魂。

 

どことなく、スティーヴン・キングの映画と共通するものが多い本作。

『キャリー』(クロエたんじゃ無い方)、『シャイニング』という大傑作を中田秀夫が観ていないとは思えませんが、これらに比べ、あまりに安っぽく、ただ登場人物だけ怖がっている演出にはウンザリでした。

まあ、この大傑作を観ていたのなら、「オレはデ・パルマキューブリックほどの才能は無い」と潔くホラー映画監督の座から身を引くのが妥当だとは思いますが・・・。

 

池田エライザさんはとても魅力的な女優さんだと思うのですが、単独主演だと少し厳しいのかな~?

賭ケグルイ』の浜辺美波ちゃんの敵役だと、あんなに光っていたのに・・・。

 

なぜ放火事件があった団地の部屋に簡単に入れたのが謎。

伊豆大島の洞窟の前にいたお婆ちゃんのセリフを読んでいる感が本作で一番怖かった(笑えた)。

その洞窟内で弟さんの体を池田エライザさんと貞子で綱引きするのですが、貞子の圧勝。

貞子の腕力の凄さも怖かった(笑えました)。

 

もう「お前の罪を数えろ」などと言っていられないほど、酷さしか無いコメディ映画でした。

エンディングテーマ、「いつか笑える日が来る~♪」・・・もう十分笑わせていただきました。

この映画を井戸の奥底へ沈めたい・・・。