『トップガン マーヴェリック』
原題:Top Gun: Maverick
2022年製作/アメリカ映画/上映時間:131分/2022年5月27日日本公開
監督:ジョセフ・コシンスキー
出演:トム・クルーズ
ジェニファー・コネリー ほか
トム・クルーズを一躍スターダムに押し上げた1986年公開の世界的ヒット作『トップガン』の続編です。
アメリカ軍のエースパイロットの主人公マーヴェリックを再びトムが演じ、『セッション』などのマイルズ・テラー、エド・ハリス、ジェニファー・コネリー、前作にも出演したヴァル・キルマーらが共演。
あらすじ
マーヴェリック(トム・クルーズ)は、かつて自身も厳しい訓練に挑んだアメリカ海軍パイロットのエリート養成学校、通称「トップガン」に教官として戻ってくる。父親と親友を空で失った過去を持つ彼の型破りな指導に、訓練生たちは反発する。彼らの中には、かつてマーヴェリックの相棒だったグースの息子ルースター(マイルズ・テラー)もいた。
(シネマトゥデイより)
トム・クルーズをスターダムにのし上げた出世作『トップガン』の続編です。
トムは製作も兼任。
『ユージュアル・サスペクツ』の脚本家として知られるクリストファー・マッカリーが脚本に参加。
監督は『トロン:レガシー』などのジョセフ・コシンスキー。
dTVにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
本年度最高の話題作。
「これは観ないワケにはいかない」と思い、失効寸前のポイントを理由しレンタルいたしました。
前作は映画館で観ております。
アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガンに、伝説のパイロット、マーヴェリックが教官として帰ってきた。空の厳しさと美しさを誰よりも知る彼は、守ることの難しさと戦うことの厳しさを教えるが、訓練生たちはそんな彼の型破りな指導に戸惑い反発する。
その中には、かつてマーヴェリックとの訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースターの姿もあった。ルースターはマーヴェリックを恨み、彼と対峙するが・・・。
「本年度最高の映画」。
「前作をはるかに超える傑作」。
「来年のオスカーノミネートは必至」など賞賛の嵐の本作。
前作にそれほど胸ときめかなった自分には少し眉唾な気持ちもありましたが、オープニングのシーンから度肝を抜かされっぱなし。
間違いなく前作を超える面白さ、出来栄えだったと言えます。
続編が1作目を超えたと言えるのは偶然にも同じパラマウント映画の『ゴッドファーザー』以来かも?
『ゴッドファーザー』は2年後の続編だったのですが、本作は前作から36年後の続編。
これだけでも本作がいかに凄いか分かります。
なぜ本作がこれほど面白いのか?
前作より温もりのようなものを感じたのはなぜなのだろうか?
いろいろ考えてみました。
まずはトムの前作からここまでのキャリア。
前作が無くてもスターになっていたのは間違いありましたが、トムをスターダムに押し上げたのは前作であるのは確かです。
トムは尊敬や感謝、そのような気持ちを忘れない映画スターだけでなく人間としても立派な人物です。
前作の監督を務めたトニー・スコットはもうこの世にはおりません。
だからこそ製作された続編と言えるかもしれません。
製作のジェリー・ブラッカイマーと一緒に「自分をスターにしてくれたトニーに捧げられる映画を」というトムの温かい気持ちが伝わってきます。
そして、出演条件に前作でライバルを演じたヴァル・キルマーの出演をあげたトム。
ここにも彼の人間性のすばらしさが現れております。
続編・・・であるのは間違いありましたが、リメイク的な印象も強い本作。
オープニングにケニー・ロギンスの名曲「デンジャー・ゾーン」が流れたときビックリ!
MTV系全盛期だった1986年さながらのヴィジュアルで魅せる体育会系の躍動など、「トニーの作り上げたものは現代でも輝く」ことを証明したかったというトム、そしてスタッフの気持ちが胸を熱くします。
『セッション』のマイルズ・テラーが前作の相棒だったグースの息子役で出演。
いい味を出していました。(ヒゲはちょっと似合わなかったかも・・・)
36年前の前作を観ていない映画ファンも多いと思いますが、前作を観ている人間としては、ラストのマーヴェリックとのやり取りは感涙ものです。
できればお母さん役でメグ・ライアンにも出て欲しかった・・・。(ムリか。涙)
今は無人飛行機での戦闘が当たり前の中、有人飛行機でなければできない任務の設定も違和感なく良かったです。
また、マーヴェリックが昇進を拒み、コクピットに座り続ける姿がすばらしいです。
前作は「男のカッコよさ」のようなものが描かれた映画でしたが、時代も変わりトップガンにも女性パイロットもいる。
変わらないもの、変わっていくものを上手く取り入れた作りになっていたと思いました。
ストーリーはとてもシンプルでした。
「文句なし!」の傑作ですが、あえて言うならジェニファー・コネリーとのラブシーンはもう少し減らしても良かったかな?
「戦争肯定映画」と否定的な意見もあります。
誰も血を流さないに超したことはありません。
ですが、「確実に一人は戦死するパイロットがいる」と言われる任務を戦死者無しにしようと奮闘するマーヴェリックの姿は人間の命の重さ、前作で大切な仲間を失ったからこそ生まれる使命感のようなものは、殺し合いを楽しむ映画では無いことを証明していると思えます。
改めて本作を観て、36年前の前作が本当に優れた作品だったと感じました。
ラストに表記されるトニー・スコット監督への哀悼の言葉には涙が出そうになりました。
トム・クルーズは本当のスーパースターです。
まさしく映画界のトップガン(選ばれし人物)と言えると思います。
不可能を可能にする男、それがトムの真骨頂ですね。
映画館で鑑賞できなかったのが悔やまれる作品でした。
ですが、ドッグファイトのシーンなどは自宅のテレビでもGがかかるような気持ちになるほど迫力満点でリアルな作りでした。
悲しいことですが、今の時代も侵略戦争が行われております。
人の命を脅かすものがいる限り、マーヴェリックも空を飛び続ける。
そのような時代が無くなることを願って、最後に・・・
ありがとう、トム!