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『哀愁しんでれら』

『哀愁しんでれら』

 

2021年製作/日本映画/上映時間:114分/G/2021年2月5日日本公開

 

監督:渡部亮平

出演:土屋太鳳

   田中圭

   山田杏奈 ほか

 

不幸のどん底にたたき落されるも開業医との結婚で幸せをつかんだはずの女性が、思わぬ事態に陥っていく『春待つ僕ら』などの土屋太鳳主演のサスペンスです。

監督は『かしこい狗は、吠えずに笑う』などの渡部亮平

 

あらすじ

 

児童相談所で働き、平凡な毎日を送っていた小春(土屋太鳳)。だが、祖父が倒れて車で病院に向かうも事故に遭遇し、父親が飲酒運転で連行されてしまう。さらに、自転車屋を営んでいた自宅は火事になって廃業になった上に、恋人が自分の同僚と浮気している現場を目にしてしまう。全てを失って打ちひしがれる中、離婚歴がある裕福な開業医・大悟(田中圭)と出会う。8歳になる彼の娘ヒカリと打ち解け、彼からプロポーズされた小春は結婚し、一気に幸せの頂点に立つ。

シネマトゥデイより)

 

土屋太鳳が主演を務め、幸せを追い求める真面目な女性が社会を震撼させる凶悪事件を起こす姿を描いたサスペンスです。

TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016」でグランプリを獲得した企画をもとに、『かしこい狗は、吠えずに笑う』の渡部亮平監督がオリジナル脚本で映画化。

 

dTVにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

Amazonプライムビデオで見放題終了間際の日本映画を観ようと思ったら、いつも通り繋がらず、dTVの中から予告編を観て(dTVは予告編観れないものが多いです)本作に決めました。

しかし、ぶっちゃけ言うと、土屋太鳳さん、田中圭さん、石橋凌さん、お三方とも好きでは無いので不安要素強かったです。

 

児童相談所で働く小春は平凡な毎日を送っていたが、ある夜、不幸に見舞われ全てを失ってしまう。人生を諦めかけた彼女の前に、8歳の娘を男手ひとつで育てる開業医・大悟が現れる。

 

優しく裕福で王子様のような大悟に惹かれた小春は、彼のプロポーズを受け入れ、不幸のどん底から一気に幸せの絶頂へと駆け上がるが・・・。

 

間違いなくジャパニーズ・ラズベリー女優である土屋太鳳嬢。

で、ですが、この作品の演技はすばらしかった!

イメージばかり気にして、嫌な人物を演じることの少ない日本の人気女優。

土屋さんも3回出演を断ったそうですが、やって良かったのではないでしょうか?

今までのワンパターンの可憐なヒロイン役とはまったく違う女性を見事演じておりました。

ハッキリ言って見直しました。

 

すべてが悪いとは言えませんが、本作は近年の日本映画のあまりよろしくない3つの要素が取り除かれております。

①原作もの(ベストセラー小説や少女コミック)では無くオリジナルストーリー。

②テレビ局が携わっていない。

③映画に合っていない主題歌が使われていない。

 

この3つが無い、異例の作品だと思います。

これに近いのが『ドライブ・マイ・カー』だと思いますが、①だけ当てはまってしまいます。

 

ストレートであれ、歪んでいるにしろ、親の子どもへの愛情の強さは子どもを思えば思うほど高まっていくと思います。

しかし、それだけしか見えなくなってしまうと、とてつもない悲劇を生んでしまう。

よく「ウチの子に限って・・・」などという言葉を吐く親がおりますが、それが一番危ない。

 

田中圭さん演じる大悟の愛娘・ヒカリを演じるCOCO(壱カレーではありません)さん、とてもいい演技でした。

この映画では重要な役だったので、見事大役をこなしておりました。

インスタが人気だそうですが、ごめん、オヂさんやっていない・・・。

 

かなりの猛毒のあるダークファンタジーだと思いました。

好き・嫌いはあると思いますが、日本映画でこういったジャンルが作られ、若手女優が主演したことはすばらしいと言えます。

 

韓国映画ポン・ジュノには及ばないにせよ、『パラサイト/半地下の家族』のようなタイプの破滅型映画が作られたのは良かったです。

 

「愛があれば・・・」などと言いますが、やはりお金が無いことには幸せを手に入れることはできない。

それを皮肉たっぷりに描いております。

母親に捨てられた小春。

それだけに、血の繋がりが無いにせよ、子どもを裏切ることができない。

その気持ちがやがて、彼女を狂気に変えてしまいます。

大悟の母親の言うセリフが重いです。

「母でなるのと母であることは違う」。

 

言葉悪いですが、胸クソ悪い映画です。

子どもは純心な分、逆にストレートにものを言うところが大人からすると怖く感じることがあります。

 

転落死をした女子生徒は本当にヒカリが突き落としたのだろうか?

謎を残したまま、驚くべきエンディングへ・・・。

 

ツッコミどころ、不自然に感じるものもありましたが、期待値ゼロだったせいか、かなり楽しめました。

土屋太鳳さんに負けず、ほかの若手女優もこのようなダークなキャラクターを演じてもらいたいですね。

 

このような批判的なレビューが。

「登場人物全員クズばかり。『ジョーカー』を見習ってもらいたい」。

・・・ど、どういう意味なんでしょう?