『草の響き』
2021年製作/日本映画/上映時間:116分/PG12/2021年10月8日日本公開
監督:斎藤久志
出演:東出昌大
奈緖
大東駿介 ほか
『そこのみにて光輝く』、『きみの鳥はうたえる』などの原作で知られる夭逝の作家・佐藤泰志の同名小説を映画化。
心を病み、医師に治療としてランニングを勧められた男が、走ることを通して再生していく姿が描かれます。
あらすじ
心を病んでしまい、妻・純子(奈緒)と故郷の函館に戻った和雄(東出昌大)。精神科を訪れた彼は、医師(室井滋)から治療としてランニングを勧められる。雨の日も、風の日も、決まったコースを走っては記録をつけていく和雄。慣れない土地で暮らすことに不安を感じていた純子も、ひたむきな姿を見て彼を理解しようとする。走ることで心の平穏を見いだすようになった和雄は、路上で出会った若者たちと奇妙な絆を育む。
(シネマトゥデイより)
「海炭市叙景」などで知られる作家・佐藤泰志の小説を原作にしたドラマです。
『コンフィデンスマンJP』シリーズなどの東出昌大、『ハルカの陶』などの奈緒らが出演。
dTVにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
今、注目の女優さんの奈緖さん出演と、映画芸術2021ベストワン・・・と知り、少し興味を持ち鑑賞してみようと思いました。
今月は少しAmazonプライムビデオ、Disney+よりdTVでの鑑賞作品が増えると思います。(理由は後ほど)
心のバランスを崩し、妻と一緒に故郷・函館へ戻ってきた工藤和雄。精神科の医師に勧められ、治療のために街を走り始めた彼は、雨の日も真夏の日もひたすら同じ道を走り続ける。
その繰り返しの中で、和雄は徐々に心の平穏を取り戻していく。やがて彼は、路上で知り合った若者たちと不思議な交流を持つようになるが・・・。
dTVでの鑑賞作品が増える理由なのですが、今月か遅くても来月中には解約をしようと思っているからです。
理由なのですが・・・
ヲタッキーな理由で申し訳ないのですが、dTVは昭和~平成のほぼすべての「仮面ライダー」(テレビシリーズ&一部を除く劇場版)が見放題でした。
平成はAmazonプライムビデオでも1部見放題でありますが、昭和のライダー、全作見放題というのはdTV最大の魅力に思っておりました。
Amazonプライムビデオでは1話¥110~なので、これは「お得」と思っておりましたが、残念なことに今月いっぱいで昭和のライダーは全作見放題終了になることに。
昭和のライダーは全作品、リアルタイムで観ているので、ストーリーなどはハッキリ覚えております。
ですが、「もう一度観てみたいエピソード」などを時間のあるときに・・・と思っていたので、とても残念です。
それに加え、昭和のライダー全作品、平成ライダーの劇場版が『アギト』~『フォーゼ』くらいまでの作品が見放題終了になります。
これらが一気に終了になるので、dTVの”31日以内に配信終了”の作品欄、年末大掃除驚愕の450本超えの数でした。
逆に”今後の配信予定”はわずか30本。
これが解約しようという理由です。
ですので、AmazonプライムビデオとDisney+で見放題での配信では無い作品を優先的に観ておこうと思い(本作もAmazonプライムビデオではレンタル¥400でした)、これから少しdTVでの鑑賞作品が増えると思います。
地味目な作品の感想が多くなると思います。
ご了承いただければと思います。
映画芸術という映画批評専門誌は毎年恒例になっている厳しい判定、評価で選ばれる「日本映画ベスト&ワーストテン」を発表しております。
これが、何と言いますか、変わっているんですよね。
日本映画ベストテンと言うと”キネマ旬報”が有名ですが、”アンチキネマ旬報”と言うべきかと思うほど、まったく異なる作品が選出されております。
逆にワーストでは、ここがアンチキネ旬と思えるもので、キネ旬でベストテンに入っているものが多数ワーストに選ばれております。
2021年のワーストでは、
1位『空白』(キネ旬ベストテン7位)
2位『すばらしき世界』(キネ旬ベストテン4位)
4位『ドライブ・マイ・カー』(キネ旬ベストテン1位)
5位『由宇子の天秤』(キネ旬ベストテン8位)
9位『花束みたいな恋をした』(キネ旬ベストテン10位)
ただ、すべてが正反対というワケでも無く、(キネ旬はワーストは発表していないので)ベストテンの方で両方にランクインしている作品もあります。
『偶然と想像』(濱口竜介監督作品。キネ旬3位。映画芸術2位。ただし映画芸術ではワーストテンでも6位にランクイン)
過去のベストテン、ワーストテンでも、2016年の『この世界の片隅に』、2017年の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』、2019年の『火口のふたり』がキネ旬、映画芸術ともにベストテン1位。
逆に2018年『万引き家族』はキネ旬1位。映画芸術ワースト1位。
2020年『スパイの妻〈劇場版〉』がキネ旬1位。映画芸術ワースト1位に輝いて(?)おります。
どちらも評論家(映画芸術は映画監督も)の選出された作品ばかりなので、映画ファン好みの作品が少ないのが特徴です。
なので、一概にベストテン=絶対いいとは断言できませんが、それこそ「ワースト」と思える映画に「優秀」と間違った日本語を当てている日本アカデミー賞よりは数段信用はできます。(日本アカデミー賞も正確に言うと”日本黄金木苺賞”ですからね)
2021年、う~ん、どちらも『シン・エヴァンゲリオン劇場版||』が入っていないのは私個人的には残念に思いますが、自分は満足しているので、評論家がどう思うと関係ありません。(映画芸術は2017年からアニメ映画は除外になっていると、記事を書き終わったあと知りました)
2019年、映画芸術ワースト1位『記憶にございません』には納得。
・・・と、言いますか、このような映画を作ることが犯罪行為に近い(そこまで言うか?)。
佐藤泰志氏原作の映画は『そこのみにて光輝く』、『オーバー・フェンス』のみ鑑賞しております。
どの作品も心に傷(本作では病)を抱えながら不器用に生きる人を淡々と描いていたように感じました。
本作では、その姿が函館の少し寂しげな空に上手くマッチしていたように思いました。
2018年のNHK連続テレビ小説「半分、青い。」で主人公の親友役を演じて注目された奈緖さん。
うつ病を患い苦しむ夫を献身的に支える妻、そして妊婦を好演しておりました。
ちなみに、この「半分、青い。」ですが、タイトルからわたくし、石ノ森章太郎先生原作の光明寺博士の人造人間の話しだとばかり思っていたら、違いました。
タイトル詐欺ですね。(連続テレビ小説は主婦層向けなので、考えれば分かりそうですが・・・)
現在公開中の『マイ・ブロークン・マリコ』で「半分、青い。」で共演した永野芽郁さんと再共演しております。
本当にお恥ずかし話しですが、自分もうつ病を患い、10年以上心療内科に通院しております。(劇中、主人公が自分と同じ薬を飲んでいたのに少し驚きました)
心の病の辛さ、痛いほど分かります。
主人公が友人に「病院へ行こう」と言われ、「怖くて電車に乗れない」と泣き叫ぶシーンがありますが、これも同じような気持ちになることがあるので、なんとなくですが自分を映されている映画のように思えて仕方なかったです。
住みにくい世の中にもがきながら走り続ける男の悲しい物語。
今の東出昌大さんの姿と主人公がダブって映るところもあり、それだけに切なさが募りました。
ただ、悪くは無いとは思いますが、ベストワン・・・ほどかな?とも思ってしまいました。
ランニング中、親しくなる高校生が死んでしまうエピソードが少し唐突過ぎる気がいたしました。
東京から函館にやって来た妻の純子が「見たい」と願っていたものがラストに目の当たりにすることになります。
このシーンに微かではありますが、ほんの少しの希望を感じさせられました。
今回、映画の内容と関係ないことを長々と書いてしまいました。
申し訳ありませんでした。