『ジャングル・クルーズ』
原題:Jungle Cruise
2021年製作/アメリカ映画/上映時間:128分/G/2021年7月29日日本公開
監督:ジャウム・コレット=セラ
出演:エミリー・ブラント
エドガー・ラミレス ほか
ウォルト・ディズニーが1955年に開園させた最初のディズニーランドに、オープン当初から存在するアトラクション「ジャングル・クルーズ」を題材にした冒険スペクタクル映画です。
監督は現在公開中のDCコミックス原作の映画『ブラックアダム』のジャウム・コレット=セラ。
あらすじ
アマゾンの伝説では“奇跡の花”を手に入れた者は、永遠の命を授かると言い伝えられてきた。行動力と冒険心にあふれる博士リリー(エミリー・ブラント)は、その伝説に魅せられ、スリリングなアマゾンのジャングルへ冒険に向かう。彼女は観光客用クルーズツアー船の船長フランク(ドウェイン・ジョンソン)を旅の相棒として選ぶ。
(シネマトゥデイより)
ディズニーランドでおなじみの人気アトラクション「ジャングルクルーズ」を実写映画化したアクションアドベンチャーです。
アマゾンの不老不死の伝説を絡めた冒険譚(たん)が描かれます。
主演に『メリー・ポピンズ リターンズ』などのエミリー・ブラント。
Disney+にて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
少し低予算、地味目な作品が続いていたので、気分を変えてコロナ禍の中で公開された数少ないハリウッド超大作と大好きな女優さんのエミリー・ブラントに惹かれて、今回は本作を選びました。
アマゾンのジャングルの奥深くに「“奇跡の花”を手にした者は永遠の命を手にする」という不老不死の伝説があった。行動力と研究心を兼ね備えた植物博士のリリーは、この秘密の花を求めて危険に満ちたアマゾンへ旅立つ。
リリーが旅の相棒に選んだのは、現地を知り尽くしたクルーズツアーの船長フランク。ジャングルに生息する珍しい動物やスリルあふれる先住民の村、滝の裏側など名所の数々を、時にジョークを交えながら観光客相手にガイドしているフランクだったが、彼にもまた、奇跡の花を求める、ある理由があった。
「伝説に近づく者は呪われる」と言われる、アマゾン奥地の「クリスタルの涙」を目指してジャングルを進むリリーたち。そこで彼らは恐るべき真実を知り、奇跡の花をめぐる争奪戦に巻き込まれる・・・。
最高の演技を披露した『ボーダーライン』(2015)以降、パッとしない作品が続くエミリー・ブラント様。
『クワイエット・プレイス』2作はご主人監督と言うこともあり、夫婦愛があることに目をつむれますが、それ以外が・・・。
まだ未見(いずれ観ようと思っております)の『メリー・ポピンズ リターンズ』(2019)は大コケ。
同じDisneyでリベンジとばかりに『パイレーツ・オブ・カリビアン』の二匹目のどじょうを狙った本作は如何に・・・。
私は新日本プロレスの大ファンです。
ですが、プロレスすべてが好きなワケではありません。
極端なことを言うのであれば、新日本プロレス以外はプロレスと認めておりません。
特に嫌いなのが全日○プロレスとWWE。
そのWWEのトップレスラーだった”ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソン。
本作は彼が製作にも参加しております。
人の成功に水を差すつもりはありませんが、彼がプロレスを引退し、映画俳優として活躍している姿にとても違和感を感じてしまいます。
レスラーとしても俳優としても、それほど魅力があるとは思えません。
大ヒット作に多数出演しておりますが、私が観ている映画は『ジュマンジ』2作と本作のみです。
全部、ジャングル繋がり。
オープニングのロンドンのシーンはとても良かったです。
「おおっ、これは”女性版・インディアナ・ジョーンズ”みたいなものを期待できる」とワクワクしておりました。
し、しかし、物語がアマゾンへ行き、ザ・ロック様が登場してテンション思いっきり下がってきてしまいました。
超大作とばかり思っていたのですが、CGのショボさに驚き。
ジャガーが登場するのですが、本当に安っぽいCGでニセモノ感あふれておりました。
こんな安いCG、「これは日本映画か?」と思うほどでした。
アマゾンの現地の人を悪く描いたら人種問題に発展してしまう恐れがあるという映画が面白いものを描きにくくなってしまった今日(こんにち)。
ですが、映画の舞台が1910年代と考えると、ストーリー的にはその方が自然です。
・・・で、本作で悪役に選ばれたのがドイツ人。
もう近年の映画は今さら感がある「ナチスを描いていれば問題ない」的なものが多すぎて、「いつまで昔のことを掘り起こすの?」と問いたくなりました。
『インディアナ・ジョーンズ』のようなアドベンチャー・・・なら問題ないのですが、『インディアナ・ジョーンズ』をパクったアドベンチャーになると大問題です。
本作はそれをやってしまいました。
もう、あまりに『インディ』そっくりな展開、描写の多さに唖然としてしまいました。
気の強い女性とへそ曲がりの船長との船旅・・・という点では、古い作品ですが、巨匠・ジョン・ヒューストン監督の『アフリカの女王』(1951)のそのまんま。
ドイツの艦が登場するというところは両方の作品に共通いたします。
ジョン・ヒューストンやスピルバーグには及ばないのは仕方ありませんが、あまりに演出力の無さが全面に出てしまい、スリルも無く、ハラハラ・ドキドキもありません。
本作の監督&主演コンビの新作『ブラックアダム』は北米で大コケ状態とニュースで知りました。
つまり本作で2人が才能ナッシングと証明してしまったので、「もう騙されないぞ」という映画ファンが増えたのだと思います。
・・・ただ、監督の過去作の中で唯一『エスター』というスリラー映画は面白かった記憶があります。
エミリー・ブラントの弟がゲイだったり、やたら強い女性が多く登場したりとポリコレ感がかなり強い映画です。
Disneyは近年、これらの描写に力を入れているようですが、「それっ、必要ある?」と思ってしまうものは逆に映画の障害になるように感じて仕方ありませんでした。
ジェームズ・ニュートン・ハワードの音楽は良かったです。♪~
『インディアナ・ジョーンズ』をパクるなら、せめて『ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』クラスのものを作らなければ・・・。
ザ・ロック様を主演にしたことより、製作もさせたことが失敗だったと思いました。
彼の独りよがり映画に成り下がり、本当につまらない映画になってしまいました。
ディズニーランドには行ったこと無いのでアトラクションは知りません。
どうせゲイを強く描くなら、最後はザ・ロック様と弟くんが恋仲になれば良かったと思いましたが、違いました。
・・・で、つまらないことは1910年代を出している本作。
女性がスカートでは無くズボン(劇中ではパンツと言っておりました)を穿いていることをからかうシーンが多い。
すべてが中途半端な映画でした。