『アムステルダム』
原題:Amsterdam
2022年製作アメリカ映画/上映時間:134分/G/2022年10月28日日本公開
監督:デヴィッド・O・ラッセル
出演:クリスチャン・ベイル
ジョン・デヴィッド・ワシントン ほか
『アメリカン・ハッスル』などのデヴィッド・O・ラッセル監督が、1930年代のニューヨークを舞台に巨大な陰謀に巻き込まれる3人組の行く末を描いたクライムミステリーです。
第1次世界大戦の戦地で親友になった3人が、殺人の容疑を晴らそうと奔走する姿が描かれます。
あらすじ
1930年代のアメリカ・ニューヨーク。医師のバート(クリスチャン・ベイル)と弁護士のハロルド(ジョン・デヴィッド・ワシントン)、アーティストのヴァレリー(マーゴット・ロビー)は第1次世界大戦の戦地で出会い、終戦後にアムステルダムで友情を確かめ合っていた。ところが、バートとハロルドが殺人事件の容疑者となってしまい、3人は無実を証明するため、ある作戦を企てる。
(シネマトゥデイより)
『世界にひとつのプレイブック』のデビッド・O・ラッセル監督が、クリスチャン・ベイル、マーゴット・ロビー、ジョン・デヴィド・ワシントンらキャストを迎え、ある巨大な陰謀に巻き込まれた3人の男女の姿を描いたクライムストーリーです。
共演にラミ・マレック、ロバート・デ・ニーロ、クリス・ロック、アニャ・テイラー=ジョイ、ゾーイ・サルダナ、マイク・マイヤーズ、マイケル・シャノン、テイラー・スウィフトら豪華キャストが多数。
Disney+にて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
本当は今月30日のベイルのお誕生日に鑑賞予定でしたが、1月4日に発表されたアメリカのバラエティが選ぶ「2022年のワースト映画10本」で同誌の映画評論を担当するオーウェン・グレイバーマン氏が本作をワースト1に選び、そのニュースを聞いて、「これは急いで観なければ」と思い(←普通は思わない)、今回は本作を選びました。
ベイルのお誕生日は昨年お祝いいたしましたので・・・。(でも、機会があれば)
1930年代のニューヨーク。かつて第1次世界大戦の戦地で知り合い、終戦後にオランダのアムステルダムで一緒の時間を過ごし、親友となったバート、ハロルド、ヴァレリー。3人は「何があってもお互いを守り合う」と誓い合い、固い友情で結ばれていた。
ある時、バートとハロルドがひょんなことから殺人事件に巻き込まれ、容疑者にされてしまう。濡れ衣を着せられた彼らは、疑いを晴らすためにある作戦を思いつくが、次第に自分たちが世界に渦巻く巨大な陰謀の中心にいることに気づく・・・。
途中寝ることも無く、早送りすることも無く、しっかり最後まで鑑賞いたしました。
う~ん、年間ワースト1ほど酷いとは思わなかったですが、たしかに面白く無かった。
ラッセル監督の作品は『ザ・ファイター』、『世界でひとつの~』、『アメリカン・ハッスル』、そして劇場未公開作品の『ジョイ』と観てきましたが、間違い無くこれが一番酷かった。
”ほぼ実話”のテロップから始まる本作。
どこまでが事実なのかは分かりませんが、最初の印象はセリフ劇なのですが、会話は弾まない、面白味が無い、正直言ってギャグが寒い。
字幕スーパーでは実際言っていることの1/3くらいしか伝えられないと聞いたことがありますが、英語が分かるアメリカの評論家がワースト1にするくらいですから、言語分かっても面白く無いのではないでしょうか?
凍える寒いギャグに笑えず、会話や描写での悪趣味なところに少し気分が悪くなりました。
マーゴット・ロビー演じる第1次世界大戦での医師(だったのかな?)が負傷した兵士の体から弾丸を取り出し、それを集めて溶接し奇妙なカタチのティーカップ作ってお茶飲む・・・って、これ実話なんでしょうか?
だったら、この感覚凄すぎ。
違ったら、実在した人への冒涜。
『TENET テネット』のときと同様、このジョン・デヴィッド・ワシントン、なぜにこんなに重宝に映画に使われているのか分かりませんでした。
演技力もあるとは思えないですし、魅力も無い。
表情の乏しさが致命的。
お父さん(デンゼル・ワシントン)とは雲泥の差。
まあ、スパイク・リーはお父さんとの関係で仕方ないかなとは思いますが、ノーランやラッセル監督ほどの人がこんな面白く無い俳優を主役級で起用する理由が分かりません。
では、ほかの俳優はどうでしたでしょうか?
まず驚いたのがテイラー・スウィフト。
登場して3分くらいであっさり退場。
演技には問題無かったので、気の毒に思いました。
『キャッツ』といい映画に恵まれないので、シンガー一筋で行った方がいいのでは?
まあ、演技もキャラクターもまったくダメ。
ビンタされて当然(とまでは言いません)。
救いは出演シーンが少なかったところ。
ほかの超豪華キャストもほとんどが面白く無いキャラクターばかり。
これだけすばらしい俳優揃えて日本の○本新喜劇のようなギャグかまされては暖房も効果がありせんでした。
こんなつまらないマイケル・シャノン観るの初めてです。
・・・ただ、その中でもさすがの貫禄を魅せたのがデ・ニーロ。
彼の演じるギル将軍(ギル教授・・・じゃないのね?)は物語の重要なキャラで、しっかりとした演技で仕事を全うしていたと思います。
ファンだからそう観えてしまったのかもしれませんが、アニャ・テイラー=ジョイも良かったと思いました。
マーゴット・ロビーが(彼女のキャリアの中では)イマイチだったせいで、余計際立った感じがいたしました。
多少オマケでラミ・マレックもまずまずだった。
そして、製作も兼任しているクリスチャン・ベイル。
彼は絶対裏切らないですね。
ベイルが主演で無かったら観ていられない映画だったと思います。
意味の無いセリフのオンパレードで、何が言いたいのか、何を描きたいのかが分からない。
ここがバラエティでワースト1に選ばれた理由にもなっておりましたが、本当に「分かる人教えて~」と思ってしまいました。
濡れ衣を着せられた殺人事件の裏に存在するある組織。
そこが”世界征服”を企む・・・などとセリフで出てきたときは”原作・石ノ森章太郎”と出てきてもおかしくないと思ってしまいました(ギルというキャラも登場しますし)。
・・・ただ、そうした陰謀を暴く物語でありながら、ミステリーとしては盛り上がらず、真相が判明したときも、「はぁ~、(ため息)また○チか」というガッカリ感。
(この時代の秘密結社じゃナ○以外あり得ませんが)
ワシントンは別として、クリスチャン・ベイルとマーゴット・ロビーが主演でここまで魅力の無い映画もある意味凄い。
無能の監督の作品ならいざ知らず、そうでも無い。
高級食材を一流シェフが料理し、出てきた料理が近所の定食屋の日替わりランチより不味かった・・・みたいな(分かりづらい表現)映画でした。
民主主義の意義を表すデ・ニーロの演説シーンは大きな意味のあるものだったと思います。
本当にデ・ニーロに助けられた作品ですね。
劇中、セリフに鳥の”カッコー”(cuckoo)という言葉が使われますが、これは別の意味で「正気じゃない」、「頭のおかしい」という意味も持っております。
映画『カッコーの巣の上で』はこちらから来ております。