『嘘喰い』
2022年製作/日本映画/上映時間:119分/G/2022年2月11日日本公開
監督:中田秀夫
出演:横浜流星
白石麻衣 ほか
「週刊ヤングジャンプ」で連載された迫稔雄のギャンブル漫画を、『スマホを落としただけなのに』シリーズの中田秀夫監督が実写映画化した作品です。
「嘘喰い」の異名を持つ謎の天才ギャンブラーが、大金と生死を懸けたギャンブルバトルが行われる闇組織の頂点を目指す様が描かれます。
あらすじ
日本の政財界そして裏社会をも牛耳る闇のギャンブル倶楽部「賭郎」。その会員には政府の要人や超一流のイカサマ師たちが名を連ね、勝負に負けると生死を問わず代償を取り立てられる。「嘘喰い」の異名を持つ天才ギャンブラーの斑目貘(横浜流星)は、かつて賭郎の頂上決戦で敗れ会員権を剥奪されていた。倶楽部を荒らす新たな会員の佐田国一輝(三浦翔平)のうわさを聞きつけた貘は、賭郎の頂点を目指して究極のデスゲームに挑む。
(シネマトゥデイより)
「ヤングジャンプ」で2006~17年に連載された迫稔雄の人気ギャンブル漫画「嘘喰い」を、横浜流星主演で実写映画化した作品です。
BDにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
2月13日は有村架純さん、何と30歳のお誕生日です。
お祝いをかねて作品を・・・と思ったらのですが、観ていない作品で現時点で観れる環境のものはテレビドラマの映画版の『前科者』か『るろうに剣心』。
今からドラマ全話観る時間も、『るろうに剣心』も1作も観ていないので、1日で全作観るのも不可能だったので、泣く泣く断念。
代わりに寝かせておいた本作を選びました。
通称「嘘喰い」と呼ばれる主人公の天才ギャンブラー、斑目貘が、日本の政財界や裏社会を支配する闇ギャンブル倶楽部で命懸けの危険な勝負に挑む姿を描く。絶大な支配力を誇る闇ギャンブル倶楽部「賭郎」。
一世一代の大勝負に敗れて会員権をはく奪されてしまった「嘘喰い」こと斑目貘だったが、新たな会員の佐田国一輝が倶楽部を荒らしていると聞き、再び姿を現す。
闇金から貘に救われた負け組の青年・梶隆臣、闇カジノのオーナーでヤクザ組長の鞍馬蘭子と協力した貘は、欲望にまみれた超一流のイカサマ師たちを相手に、敗者には残酷な死が待ち受ける危険なデスゲームに挑む・・・。
はぁ~。(ため息)
原作はとても面白いらしく、ファンは本作にかなり激怒しているというYouTubeを幾つか拝見しました。
自分は原作未読でしたが、少し開いた口がふさがらない出来でした。
まあ、監督が中田秀夫ですから・・・。
ちなみに原作者も怒り心頭だったそうです。
全49巻の原作は評価も高く、改めてコミックの実写映画化の厳しさを感じさせられました。
映画はリアルな日本を舞台にしているのですが、原作そのまんまの銀髪・スーツで登場する主人公にはやはり違和感を感じてしまいます。
何か、ルービックキューブいじくっているだけの男が登場しているのですが、セリフはラストに一言だけ。
唖然とする棒読み。
この人は櫻井海音さんという人らしいのですが、あのMr.Childrenの桜井和寿さんの息子さんだそうです。
良かったところは一つだけ。
横浜流星さんの演技。
流星さんも原作がお好きなようで、主人公・斑目貘を演じきろうという姿勢を感じ、頑張っていたと思います。
映画の出来と関係ないことでもう一つ良かったことが。
久々に村上弘明さんのアクションシーンを観れたこと。
還暦で、この動きできるのでしたら、また、・・・せめて、もう一度だけでも筑波洋/仮面ライダー演じてもらいたいな~と思ってしまいました。
続いて酷かったところ。(それ以外すべてですが・・・)
批判的レビュー動画を上げている人すべて、そして自分も思ったのですが、ヤクザ組長の鞍馬蘭子を演じた白石麻衣さんのあまりの演技のヘタさに度肝を抜かされました。
こ、これはもしかすると、あの土屋太鳳嬢をも超えるものかもと思ってしまいました。
乃木坂46はそれほど詳しくありません。
白石麻衣さんの演技は『あさひなぎく』以来2本目だと思いますが、ここまで酷かったかな~?と思い返しております。
女性としての好みは西野七瀬さんですが、女優としても西野七瀬さんの方が上かもしれません。
『孤狼の血』2作目はそんな酷いとは思いませんでしたし。(良かったとも思っておりませんが)
監督の中田秀夫のアイディアでこの組長と斑目貘との恋模様が描かれております。
原作にはそのような色恋話しは無いので、ここも原作ファンがお怒りのところ。
それに白石麻衣さん、893の組長に見えますか?
もう少しキャスティング、しっかりしてくださいよ。
いかさまギャンブルを見破り、「あんた、嘘つきだね」という決め台詞を言う斑目貘。
このとき、斑目貘は梅干しを食べるのですが、中田秀夫が原作改変(壊変?)でハーモニカを吹くという設定に変更しようとしたそうです。
それを原作ファンの流星さんが「やめましょう、原作通りで行きましょう」と言って、原作通りになったそうです。
流星さんに救われましたね。
原作はかなりアクションがあるそうなのですが、映画はほとんど無し。
ちょっと「これは?」と思ってしまったのが、エレベーターから降りてくる人物が男性か女性か賭けるシーンがあります。
斑目貘は「男」と言い、降りてきたのがチャイナドレスを着た女性。
「お前の負けだ」と言われると、その女性の股間を掴み、その人はゲイだったというシーン。
昭和のお笑い番組なら分かりますが、さすがに西暦2022年にこの描写は不味いのでは?
それから敵が股間に丸太ぶつけて「キ~ン」という効果音、これもあまりに古臭いダサいセンスなのでやめてください。
終盤のお互いの命を賭けた大一番。
これも緊迫感もありませんし、面白味も欠けておりました。
全体的に言えるのですが、ギャンブルの面白さがまったく描かれておりません。
ドヘタな演出にチープなシナリオ。
ラストのイカサマギャンブルを見破るシーンも「あっ、そうですか」くらいの印象しか残りませんでした。
2022年は『大怪獣のあとしまつ』というレベちな駄作があったため、それほど目立った批判は少なかったですが、本作も十分ワーストテン入りできる悪質極まる映画でした。
2022年の日本映画は『大怪獣のあとしまつ』と本作と同じ中田秀夫の『”それ”がいる森』という映画(キング原作の映画のパクリ?)がダントツに酷かったと聞いております。
2022年の日本映画界は悪い意味で中田秀夫無双状態でしたね。
YouTubeでワーストを上げている人の中には涙ぐみながら「日本映画、頑張ってくれよ。もうどんどん韓国やインドに引き離されている」と切実に語られていた人がいて、胸が痛みました。
「原作と比較してつまらないと言うのはナンセンス」という意見もありましたが、原作知らない自分もこの映画はさすがに褒めることができません。
山田洋次や中田秀夫、東大卒の映画監督はもういらないんじゃないかな~?
映画は学歴社会では無く実力と才能がモノを言うので・・・。
とんだババを引いてしまいました。
架純さん、お誕生日おめでとうございます!