『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
原題:Spider-Man: No Way Home
2021年製作/アメリカ映画/上映時間:149分/G/2022年1月7日日本公開
監督:ジョン・ワッツ
出演:トム・ホランド
トム・ホランドが主人公ピーター・パーカーにふんするマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属する『スパイダーマン』シリーズの第3弾です。
スパイダーマンであることが世界中に知れわたってしまい、平穏な生活を送ることができなくなったピーターが、自らの宿命と向き合う姿が描かれます。
2022年・第94回アカデミー賞において視覚効果賞にノミネート。
あらすじ
スパイダーマンの正体がピーター・パーカー(トム・ホランド)だという記憶を世界から消すため、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)はある呪文を唱えるが、それがドック・オク(アルフレッド・モリナ)らヴィランたちを呼び寄せてしまう。ヴィランの攻撃によって、ピーターのみならず恋人のMJ(ゼンデイヤ)らピーターの大切な人たちにも危険が及ぶ。
(シネマトゥデイより)
トム・ホランドがピーター・パーカー=スパイダーマンを演じる『HOME』シリーズ第3弾です。
『アベンジャーズ エンドゲーム』でもスパイダーマンと共闘した、ベネディクト・カンバーバッチ演じるドクター・ストレンジが登場。
監督を前2作に引き続きジョン・ワッツが務め、Dr.オクタビアス役のアルフレッド・モリナをはじめとする過去のシリーズに登場したヴィラン役の俳優たちが再び出演。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
好きなおかずは最後まで取っておく性格なので、ずっと寝かせておいておりましたが、さすがに頃合いと思い、今鑑賞終わりました。
※ネタバレ全開の記事になります。これからご覧になられる方はご注意を。※
前作で、ミステリオを倒したスパイダーマン。しかしミステリオは死の間際に「スパイダーマンの正体はピーター・パーカーだ」という告白をビデオに残し、それをデイリー・ビューグルがスクープ映像として世界中に公開してしまう
マスコミに騒ぎ立てられ、ピーターの生活は一変。身近な大切な人にも危険が及ぶことを恐れたピーターは、共にサノスと闘ったドクター・ストレンジに助力を求め、魔術の力で自分がスパイダーマンだと知られていない世界にしてほしいと頼むが・・・。
号泣しました。😭
間違いなくシリーズ最高!
それも『HOME』だけでなく、『スパイダーマン』の映画すべての中でもベストと言えるものだったと思います。
正直、これまでのシリーズでトム・ホランド版があまり好きになれませんでした。
特殊な蜘蛛に噛まれたことで大いなるパワーを手に入れ・・・という部分を省略されていたせいか、トニー・スタークからもらったパワードスーツを身にまとい活躍するトム・ホランドの姿は劣化版アイアンマン二世みたいで、「別にスパイダーセンス持ってなくてもいいんじゃねぇ?」と思ってしまいました。
「'80年代のジョン・ヒューズの青春映画的テイストがサイコー!」と尊敬するラッパーの宇多丸氏がおっしゃっておりましたが、それは認めます。
ですが、自分が『スパイダーマン』に求めるのは青春では無くヒーローとしての姿です。
サム・ライミ版の第1作が大好きな自分から観て、トム・ホランドのパーカーはあまりに明るくノー天気で、元気いっぱいの彼の姿に少し違和感を感じておりました。
親友の父親殺しの疑いをかけられ、それでもヒーローとしても宿命を全うするトビー・マグワイアとはかなり違うと思っておりました。
前作のラスト、あの(?)J・K・シモンズが登場したときはビックリ!
そして、まさかまさかの展開に。
スパイダーマンとセッション?・・・違います。(「バンドやってるの?」というセリフはありましたが)
全世界にスパイダーマンの正体が知られてしまいます。
騒動を受けて受験したMITも不合格となり、困り果てたピーターはドクター・ストレンジに助けを求めます。
ストレンジは魔法ですべての人からピーターがスパイダーマンだという記憶を消そうとします。
しかし、MJ、親友やアベンジャーズで一緒に戦った仲間の記憶は消さないで欲しいとねだるピーター。
事がややこしくなり、魔法は大失敗。
その衝撃から別世界の扉が開かれ、過去の『スパイダーマン』に登場したヴィランが多数トム・ホランド=スパイダーマンの前に姿を現します。
アルフレッド・モリナいいですね~。
『レイダース/失われたアーク』から蜘蛛と縁の深い俳優さんです。
・・・と、なるとヴィランだけというワケにはいきません。
夢のような3人のスパイダーマン勢ぞろい。
ちょっとトビー・マグワイアは老けちゃったかな~と思ってしまいましたが、第1作目から約20年なので仕方ありません。
MJ演じた女優さんは20年前のときから高校生に見えませんでしたが・・・。(それは禁句)
『アメイジング~』で共演したアンドリュー・ガーフィールドとエマ・ストーン。
それがキッカケで一時は婚約まで行ったのですが、その後破局。
ですが、その後も友好関係は続いているそうです。
本作公開前、彼の出演がウワサになり、エマが「あなた出演しているの?私にだけ本当のことを教えて」と聞かれ続けられ、かたくなに「知らない。なぜそんな話しが出ているのか分からない」としらを切ったアンドリュー・ガーフィールド。
いざ、映画が公開され、エマから「あなたって、本当に最低!(笑)」と罵倒されたそうです。
マリサ・トメイ演じるメイおばさんが死んでしまうことは、実はYouTubeで知ってしまいました。
本作公開は昨年の1月で年末・年始に発表する年間ベストテンに本作をランクインしている映画ファンYouTuberの方はほとんどいなかったのですが、お一方だけおりまして、事もあろうか、ラストまで全部話してしまっておりました。(ネタバレありと記載してほしかった)
ですが、そこであの名セリフが登場するとは知らず、ここで涙腺ウルウル。
そうした苦悩や葛藤がある今回のトム・ホランド版『スパイダーマン』。
前2作には無かったドラマ性の部分の強さが映し出されたように感じました。
ストレンジが少し三枚目的に描かれていたところも面白かったです。
過去作のヴィランの再登場はやはり嬉しいものがありました。
「ネタ切れだろ」という否定的意見もありましたが、それは間違いありませんが・・・。
その中でもゴブリン役のウィレム・デフォーの存在感は他を抜いて圧倒しておりました。
この人は『ストリート・オブ・ファイヤー』の時からタダ者では無いオーラを発しておりましたが、年齢を重ねるにつれ、さらに円熟味が増しました。
すばらしい俳優です。
本作ではヴィランを倒すことを目的とせず、矯正をさせようとし、悪の力を取り除き元の世界へ送り届けようとします。
しかし、ゴブリンは「治すなどクソ喰らえだ」とばかりにトム・ホランド=ピーターの目の前でメイおばさんを殺してしまいます。
ここで過去2作と同じ境遇になります。
矯正がムリなら倒すしかない。
ヴィランたちと3人のスパイダーマンの戦いの火蓋が切って落とされます。
個人的には目の部分が一番大きいアメイジングのスパイダーマンスーツがお気に入り。
助けられなかった命。
守りたかった命。
そして使命。
それらを背にスパイダーマンたちの戦いが繰り広げられていきます。
ヒーローは怒りや憎しみで戦ってはいけない。
それをトビー・マグワイア=スパイダーマンがトム・ホランド=スパイダーマンに教えるシーンに感激。
この頃には目が真っ赤な状態でした。
おそらく、いえ、間違いなく最初で最後の3人のスパイダーマン勢ぞろい。
もっと、もっと、長い時間観ていたかった・・・。
この悲しすぎる結末に不満の方もいらっしゃるようです。
ですが、これがヒーローが持つ宿命、大いなる力を持つ者の運命と言える気がします。
最後のトム・ホランド=ピーターの決断は『エンドゲーム』のアイアンマンの勇気ある姿とダブって観えました。
本作を観終わって、この『HOME』3部作は少年ピーター・パーカーの成長物語だったのだと感じました。
4作目の準備はできているとマーベルの社長は言っておりますが、自分はこれ以上の結末は無いと思うので、これで終わりがベストだと思いました。
・・・と思っていたら、エンドクレジット途中の映像にもう一人のすっかり忘れていた(すまん、トム・ハーディ)ヴィランの姿が。
やっぱり、スパイダーマンとの対決観てみたいですよね。
悩みます。
そこに『ドクター・ストレンジ』2作目(もう観て大丈夫かな?)を監督したサム・ライミが意味深コメントを。
トビー・マグワイア主演の『スパイダーマン4』を製作する可能性があることを。
サム・ライミ曰く、「世の中に不可能は無い」。
すっかりオッサンになったピーター・パーカーの活躍・・・どうなのかな~と思ったら、DCの方でまさか、まさかのマイケル・キートンのバットマン復活。
マイケル・キートンと言うと、スパイダーマンのもう一人のヴィランの吸血鬼の存在も。
まだまだスパイダーマンから目が離せそうにないですね。
ありがとう、スパイディー!
この映画、観る気が無かったのですが、これで気が変わりました。
こちらもWバットマン!
・・・カーラはテレビドラマ版が良かったな~。(涙)