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『パリ13区』

『パリ13区』

原題:Les Olympiades

 

2021年製作/フランス映画/上映時間:105分/R18+/2022年4月22日日本公開

 

監督:ジャック・オーディアール

出演:ルーシー・チャン

   マキタ・サンバ

   ノエミ・メルラン ほか

 

ディーパンの闘い』などのジャック・オーディアール監督が、グラフィックノベリストであるエイドリアン・トミネの原作に着想を得た群像ドラマです。

脚本をオーディアール監督と『燃ゆる女の肖像』などの監督のセリーヌ・シアマ、レア・ミシューが共同で手がけております。

 

あらすじ

 

コールセンターで働く台湾系フランス人のエミリー(ルーシー・チャン)は、ルームメイトの募集広告を見てやってきたアフリカ系フランス人の教師カミーユ(マキタ・サンバ)と関係を持つ。一方、大学に復学した32歳のノラ(ノエミ・メルラン)はポルノスターだと誤解され、大学にいられなくなる。職探しのため不動産会社に行った彼女は、会社を手伝っていたカミーユと出会う。

シネマトゥデイより)

 

パリの高層ビルなどが建ち並ぶ界隈を舞台に、30歳前後の3人の男女の孤独や不安、セックス、愛などが描かれる群像ドラマです。

出演はルーシー・チャン、マキタ・サンバ、『燃ゆる女の肖像』などのノエミ・メルランなど。

 

BDにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

実を言いますと、昨日夜から・・・

Disney+オリジナルドラマ、スター・ウォーズ系の「マンダロリアン」、マーベルスタジオ作品の「ホーク・アイ」を鑑賞し始めました。

スター・ウォーズ』マニア絶賛の「マンダロリアン」はまだ序盤と言った感じでした。

あまり期待していなかったマーベルスタジオ作品の「ホーク・アイ」、これがメチャ面白かった。

トゥルー・グリット』などのヘイリー・スタインフェルドが出演しているとは知らず、彼女が好きなので思わぬ収穫。

全6話と短めで最後まで観れそうですし、今後、ブラック・ウィドウの妹役で『ミッドサマー』のフローレンス・ピューも出演するそうなので、さらに期待が高まります。

今月いっぱいでのDisney+解約はちょっと厳しそうですね。(もう少し待てば『アバター』や『イニシェリン島の精霊』観れるかもしれませんし)

 

共に1話約1時間のドラマでしたので、観終わったらすぐ寝るつもりでしたが、目が覚めてしまい、続いて映画を鑑賞することに。

上映時間が手頃な本作を選びました。

またR18+指定作品なので、少し過激な言葉を使うと思います。

ご了承いただければ幸いです。

 

コールセンターでオペレーターとして働く台湾系フランス人のエミリーのもとに、ルームシェアを希望するアフリカ系フランス人の高校教師カミーユが訪れる。2人はすぐにセックスする仲になるが、ルームメイト以上の関係になることはない。

 

同じ頃、法律を学ぶためソルボンヌ大学に復学したノラは、年下のクラスメイトたちに溶け込めずにいた。金髪ウィッグをかぶり、学生の企画するパーティに参加したことをきっかけに、元ポルノスターのカムガール(ウェブカメラを使ったセックスワーカー)だと勘違いされてしまったノラは、学内の冷やかしの対象となってしまう。

 

大学を追われたノラは、教師を辞めて不動産会社に勤めていたカミーユの同僚となるが・・・。

 

パリのセーヌ川南岸の13区で起こる男女4人の人間模様をモノクロームの映像で映し出したドラマです。

2021年・第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されております。

 

『ブロンド』、『ミッドサマー ディレクターズカット版』とR18+指定作品が続きましたが、本作が一番そういったシーンが多かったですね。

すぐにベッドインしてしまう登場人物の多さにフレンチポルノなどと評している方もいらっしゃいました。

 

たしかにポルノの言われても仕方の無いシーンは多いですが、自分はまったく気になりませんでした。

とにかくモノクロームの映像が美しく、その世界観に引き込まれました。

 

タイトルのパリ13区の街並み。

典型的な”パリ”を映すのでは無く、少し寂しげな雰囲気のコンクリートで作られた団地が建ち並ぶ風景。

 

その悲しげにも感じるパリ13区の街並みが見事登場人物たちの心の隙間を映し出すかのようにマッチしておりました。

 

メインに描かれる男女4人。

それぞれが愛に飢えております。

それはセックスでは埋まらない。

では、何が彼、彼女たちの心を満たしてくれるのだろうか?

 

何かが足かせになるものが存在すれば、自由に羽ばたくことができない。

それらをつけている4人が解放されていく姿が描かれるワケなのですが、正直言うと少し分かりづらい・・・。

 

監督はフランスの名監督と言われているそうですが、過去作はホアキン・フェニックス主演の『ゴールデン・リバー』しか観ておらず、それほどの方なのかな~と思っております。

ただ、シナリオが日本でも高い評価を受けた『燃ゆる女の肖像』(未見)の人なので、女性視線の描写はとても面白く感じました。

 

愛の終着点がセックスでは無いと言わんばかりの内容です。

ここはお国柄の違いで、気が合えば出会ったその日にすぐベッドインする(というウワサ)のフランス人と日本人(そういう人はいると思いますが)の考え方の相違かもしれません。

 

満たされているはずなのに、なぜか埋まらない心の溝。

現代社会を描いた映画のある意味典型的な作品と言えるかもしれませんが、終盤、何か吹っ切れ笑顔を取り戻した登場人物の姿に少し温かさと優しさのようなものを感じました。

 

ガイドブックに乗っていないパリ観光映画とも言えますが、テーマが複雑でえっちぃシーンも多いので、あまり万人向けではありません。

オススメはできませんが、嫌いな映画ではありません。

 

 

 

字幕版で観ております。

 

ジェレミー・レナー、一日も早くお元気になられることをお祈りいたします。