One today is worth two tomorrow.

当ブログへ起しいただき、心から感謝いたします。映画の感想やスポーツ観戦の記事、写真中心のブログです。

『検察側の罪人』

検察側の罪人

 

2018年製作/日本映画/上映時間:123分/G/2018年8月24日日本公開

 

監督:原田眞人

出演:木村拓哉

   二宮和也

   吉高由里子 ほか

 

クローズド・ノート』、『犯人に告ぐ』などの原作で知られる雫井脩介のミステリー小説を、木村拓哉二宮和也の初共演で映画化した作品です。

クライマーズ・ハイ』、『関ヶ原』などの原田眞人監督がメガホンをとり、ある殺人事件を巡る2人の検事の対立を描きます。

 

あらすじ

 

東京地方検察庁刑事部に配属された検事の沖野啓一郎(二宮和也)は、有能で人望もある憧れのエリート検事・最上毅(木村拓哉)と同じ部署になり、懸命に仕事に取り組んでいた。あるとき、二人が担当することになった殺人事件の容疑者に、すでに時効が成立した事件の重要参考人・松倉重生が浮上する。その被害者を知っていた最上は、松倉に法の裁きを受けさせるべく執拗(しつよう)に追及するが、沖野は最上のやり方に疑問を抱き始め……。

シネマトゥデイより)

 

犯人に告ぐ』などで知られる雫井脩介の同名ミステリー小説を映画化した作品です。

東京地方検察庁を舞台に、人望の厚いエリート検事と彼に心酔する新米検事がある殺人事件の捜査をめぐってすれ違い、やがて二人の正義がぶつかり合うさまが映し出されます。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

特にこれと言った理由なく本作を選びました。

監督が原田眞人なので、ホラー映画を観る前以上の恐怖がありましたが・・・。

 

都内で発生した殺人事件。犯人は不明。事件を担当する検察官は、東京地検刑事部のエリート検事・最上と、刑事部に配属されてきた駆け出しの検事・沖野。最上は複数いる被疑者の中から、一人の男に狙いを定め、執拗に追い詰めていく。

 

その男・松倉は、過去に時効を迎えてしまった未解決殺人事件の重要参考人であった人物だ。最上を師と仰ぐ沖野は、被疑者に自白させるべく取り調べに力を入れるのだが、松倉は犯行を否認し続け、一向に手応えが得られない。やがて沖野は、最上の捜査方針に疑問を持ち始める。

 

「最上さんは、松倉を、犯人に仕立て上げようとしているのではないか?」・・・。 互いの正義を賭けて対立する二人の検事。彼らの戦いに、待ち受けていた決着とは・・・。

 

原田眞人

1986年の『おにゃん子ザ・ムービー 危機イッパツ』の脚本・監督を手がけ一躍活動の場を広げます。(おにゃん子に興味無かったので未見です)

しかし、その後作る映画は『ガンヘッド』(1989)、『クライマーズ・ハイ』(2008)、『日本のいちばん長い日』(リメイク・2015)など、不完全な良心回路を持ったジローを苦しめるプロフェッサー・ギルの笛のような苦痛を与える(分かりづらい例えだ)映画ばかり製作しております。

特に酷かったのが、本作の前作にあたる『関ヶ原』(2017)。

有村架純さんの大ファンの私は架純さんの演技を楽しみに劇場へ足を運んだのですが、彼女の魅力をまったく引き出せず、映画は観るのが本当に苦痛の最悪の出来でした。

 

・・・ただ、コイツ(などと書いてはいけない)、イッパツだけ大ホームランを放って、『わが母の記』(2012)は感動で泣いてしまいました。

また翻訳家としても優秀で、スタンリー・キューブリック監督から信頼され、DVD化する作品の翻訳を担当。

グッドモーニング・ベトナム』など英語のスラングが多く使われる作品を得意としておりました。

 

2003年、俳優として『ラスト サムライ』でハリウッドデビュー。

 

撮影初日にトム・クルーズに自作のビデオを数本渡したそうです。(トムにはいい迷惑だ)

その中にあった『KAMIKAZE TAXY』(1995)がのちのトム・クルーズ主演の『コラテラル』(2004)に酷似していたことから、トムやドリームワークスを相手取って「訴える」と意気込んでおりましたが、その後、そのような行動は取っておりません。

 

原田の映画は本作を含め、ほとんどが原作ものなので、コイツ(って書いてはいけない)はストーリーテラーでは無いので、盗作では無い気がします。(『コラテラル』面白かったので)

 

また、役所広司さんがいないと何もできない男で、「ドラえもん」に似ている関係です。

原田=のび太、役所さん=ドラえもん

「助けてドラえもん!」と役所さんに頼りっきりでしたが、役所さんの四次元ポケットも底をついたのか、『関ヶ原』を最後に愛想を尽かされてしまったようで、今は『関ヶ原』の主演の岡田准一さん(シン・ドラえもん)に頼りっきりです。

 

受賞歴も幾つかありますが、ほとんどが日本アカデミー賞というのが笑えます。

Wikipediaを参考にさせていただきました)

 

その原田が撮った映画としては、結構面白く観ることができました。

おそらく原作の良さ、ストーリーの面白さがあったからだと思います。

 

原田に関しては相変わらずの原作レ○プ、俳優に頼りっきり。

役所広司さんがいないので、「もう、しずかちゃん(木村拓哉さんの奥様ではありません)、セワシくん助けて~」みたいな状態でした。

 

関ヶ原』はほとんどセリフが聞き取れず、ストーリーも分からない出来だったので、今回はAmazonプライムビデオの恩恵で日本語字幕を入れて鑑賞いたしました。

・・・それでも、このセリフ劇は分かりづらい。

木村拓哉さん演じる最上の親友と言っていた丹野という男、議員らしいのですが、バックボーンがまったく描かれず、突然”大スキャンダル”、そして突然自殺。

 

終盤登場する山崎努さんの役もサッパリ分かりませんでした。(沖田艦長では無いようでしたが)

「権藤さん、あんたヘタな小細工してるんじゃないだろうね?」と言ってほしかったですが、原田の映画では聞き取れないと思います。

そもそも、そんなセリフ言っちゃったら、それこそ原田が黒澤プロに訴えられますが・・・。

 

とにかく”唐突”の連発。

録音をやめた途端、時効になった殺人事件の真犯人だと名乗り出る男。

昼日向のラーメン屋で「殺人犯はオレだ」と叫ぶ男。

 

二宮和也さんと吉高由里子さんのラブシーンも唐突。

しかも、事が済んだあとのこのシーン、この姿勢には「・・・?」状態でした。

新たなプロレス技?

 

その吉高由里子さん演じる事務官(・・・で、いいのかな?)はある目的があるのですが、その辺りの描き方もテキトーで終盤は「もう、どうでもいいや」的投げやりになっていて、思いっきり消化不良。

 

木村拓哉さん演じる最上が松倉を憎む理由。

それは分かるのですが、これも描き方が上手くなく、「なぜ、そこまで?」と思ってしまうものでした。

 

本作を日本版『スリーパーズ』と評している批評家がおりました。

法律を利用し、復讐を果たす物語という点では共通点もあると思います。

例え、それが正義では無かったとしても・・・。

 

”二兎追う者は一兎も得ず”。

木村拓哉さん&二宮和也さんW主演で話題の作品でしたが、どちらのキャラクターも描き方が雑で薄味になってしまい、逆に犯罪者を演じた俳優さんが目立つ結果になってしまいました。

その殺人犯がいきなりタップダンス踊るシーンは「ギャグなのか?」と思ってしまいました。

私はお二人のファンではありませんが、やはり「もったいない」という気持ちになってしまいました。

 

日本で”ネオナチ”などと言われてもピンと来ません。(ネオショッカー、ネオジオンなら分かります)

でも、まあ原田眞人監督の映画として観れば、傑作と言えるかもしれません。

でも、ほとんどの方がレビューされている通り、セリフ聞き取れる映画を作ってもらいたいですね。

 

大田区蒲田で起こった殺人事件ですと、別にすばらしい映画がありますので、そちらをオススメしたいと思います。