『マスカレード・ナイト』
2021年製作/日本映画/上映時間:129分/G/2021年9月17日日本公開
監督:鈴木雅之
出演:木村拓哉
小日向文世 ほか
東野圭吾のベストセラー小説を木村拓哉と長澤まさみの共演で映画化した『マスカレード』のシリーズ第2弾です。
原作小説のシリーズ第3作をもとに、ホテル・コルテシア東京に再び潜入した刑事・新田浩介と優秀なホテルウーマン・山岸尚美が難事件に挑む姿が描かれます。
監督は前作に続き『劇場版ラジエーシュンハウス』の鈴木雅之。
あらすじ
ある日、警察に匿名の密告状が届く。それはホテル・コルテシア東京で大みそかに開催されるカウントダウンパーティー“マスカレード・ナイト”に、数日前に起きた殺人事件の犯人が現れるというものだった。パーティー当日、捜査のため再びフロントクラークとしてホテルに潜入した刑事・新田浩介(木村拓哉)は、優秀なホテルマン・山岸尚美(長澤まさみ)の協力を得て任務に当たる。しかし、500人の招待客は全員仮装し顔を仮面で隠しており、二人は殺人犯の特定に苦戦する。
(シネマトゥデイより)
東野圭吾のミステリー小説シリーズを、木村拓哉と長澤まさみの共演で映画化した『マスカレード・ホテル』の続編です。
共演に小日向文世、梶原善、石橋凌、渡部篤郎といった前作からのキャストをはじめ、中村アン、田中みな実、石黒賢、沢村一樹、勝村政信らが新たに出演。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく木村拓哉さんの主演最新映画が配信開始とのことで、その映画を観たいと思っていたので(綾瀬はるかさんがお目当てですが・・・)、まず先にこちらをと思いまして、今回は本作を選びました。
前作(本ブログ2021年12月19日記事にしております)のとき、「続編はいいなか~?」なることを記載してしまいましたが、やはり長澤まさみさん大好きなので(綾瀬はるかさんじゃねぇのかよ!)結局鑑賞してしまいました。
ある日、警察に届いた匿名の密告状。それは、数日前に都内マンションの一室で起きた不可解な殺人事件の犯人が、12月31日にホテル・コルテシア東京で開催される年越しカウントダウン・パーティー、通称「マスカレード・ナイト」に現れる、というものだった。
大晦日当日、捜査本部に呼び出された警視庁捜査一課の破天荒な刑事・新田浩介は、かつての事件同様、潜入捜査のためホテルのフロントクラークとして働くハメに。優秀だがいささか真面目過ぎるホテルマン・山岸尚美と事件解決にあたるが、パーティーへの参加者は500名、全員仮装し、その素顔を仮面で隠している。
次から次へと正体不明の怪しい人間がホテルを訪れる状況に、二人はわずかな手がかりすら掴めずにいた...。刻一刻と迫り来るタイムリミット。増え続ける容疑者。犯人の狙いは?密告者とは?残されたわずかな時間で、新田と山岸は顔も姿もわからない殺人犯の「仮面」に隠された「真実」に辿り着くことができるのか・・・?
面白かったです!
・・・ただ、それは本作がとても優れた映画と言うより、前日鑑賞した『ピーター・パン&ウェンディ』が本年度ワースト映画決定的な酷さだったから、自然に本作がとても良くできた映画に観えてしまうというところもあり、間違っても諸手を挙げて賞賛できるレベル(鈴木雅之が監督では、それほ「ムリです」・・・って、これはホテルマンが言ってはいけないセリフ)ではありません。
ですが、けっして悪い映画ではありません。
それは断言できます。
冒頭の木村拓哉さんと、とても仲の良い、前作でも友情出演した方の登場シーンには大爆笑してしまいました。
たしかに、あれは人物画など人が写っているものが嫌いな方でなくても悲鳴を上げてしまいます。
田中みな実さん、今、とても人気のある方のようですが、正直自分はそれほど好みではありませんでした。申し訳ありません。(そうですよね、長澤まさみさん一筋ですから)
冒頭の木村拓哉さんのタンゴシーンですが、伏線になっているんだろうな~と思ったら、予想通り。
前作もそうでしたが、伏線が途中犯人判明のバレバレな描写が多いのが、前作そして本作のミステリーとして致命的に弱いところのように思いました。
このシーンですが、木村さん演じる新田が女性にタンゴを教えているのかと思ったら、中村アンさんの方が先生だと言うことは後になって知りました。
潜入捜査官って、大晦日タンゴの練習しているほど暇なんだ・・・などという野暮なことを言ってはいけません。(笑)
前作に次いで登場の石川恋さん。
可愛い人ですね。(マズい、浮気癖出てきた)
ただ、出演シーンは少なめ。
見せ場も無し。
もうフジテレビジョン製作の作品には欠かせない俳優の小日向文世さんが本作でも大活躍されております。
今回は前作に比べ、長澤まさみさん演じる山岸と一緒にいるシーンが多めにあり、別の作品を思い出してしまいました。
あちらのフジテレビジョンの作品も息があっておりましたが、本作でもこのおふたりは相性バツグンですね。
すべてのお客様に快適な時間を過ごしてもらいたいと考えるホテルの人たちとすべての来客を疑ってかからなければ新たな殺人事件が起こるかもしれないと考える警察側の考え方の違い・・・。
まったく遭い譲れない双方の感情が徐々に歩み寄っていくところは良かったように思いました。
ただ、ヘンだな~と思うところ、ツッコミどころは本作も健在。
不倫相手との密会場所として、都内のこんな超高級ホテル利用する人いるのかな~?と思いました。
大晦日で、しかも大がかりなパーティもあるのに。
「ホテルマンは時間に縛られてはいけない。それは大切なお客様の時間を奪ってしまうから」・・・と言いながら、お婆ちゃんの形見の常に5分遅れの腕時計をしている山岸。
言っていることとやっていること、矛盾があるのでは?
と、思ったら、やはりこれも後の伏線に。
「あぁ、あれが伏線だったのか!」と思わせるものが上手いミステリーの作りなのですが、「これは怪しい」と思うものが多数序盤から登場してしまうのが、このシリーズのミステリーの面白さを半減させてしまっている原因のように思いました。
木村拓哉さんの演技に関しては、賛否かなり分れてますね。(本作以外でも)
私はそれほど多く作品を観ているワケでは無いので、あれやこれや言える立場では無いかもしれませんが、『無限の住人』(2017)の演技はそれほど悪くは無かったと思いました。
『ヤマト』(あの作品にこのタイトル言いたくない)の実写版はバ監督の原作レ○プの酷さに木村さんの演技を観ている余裕が無かったです。
スマートでカッコ良すぎる新田の姿が(原作がそうなのかもしれませんが)逆に真犯人に「お前はホテルマンじゃない、警察の人間とすぐに分かった」と言われてしまいます。
そこが、そのような役柄を多く演じている木村さんの弱点かもしれません。
本作にはもうお一人木村さんが出演しておりますが、木村佳乃さんは出演シーンは少なめですが、印象に残る演技を披露しておりました。
「この役を西島秀俊さんに演じてもらいたかった」という意見もありましたが、西島秀俊さんと演技力比較するのはさすがに気の毒です。
それに西島秀俊さんと長澤まさみさんだと、殺人犯より「禍威獣(カイジュウ)」退治が本職になってしまいます。
ですが、前日鑑賞の『ピーター・パン&ウェンディ』のピーター・パンを演じたガキ・・・もうこどもの日じゃないからいいか、よりは1兆倍いい演技だったと思います。
「キムタクが好きだからこの映画を観に行った」というレビューがありましたが、木村拓哉さん、そう呼ばれるの嫌っているので、ファンなら呼ばない方がいいです。
真犯人を演じた方、久々の拝見でしたが、とてもすばらしい演技だったと思います。
前作同様、犯行動機は「・・・?」でしたが。
新田が「次は無いでしょ」と言っていたので、これで終わり・・・と思わせて3作目も間違いなくあると思う東野圭吾氏原作の本作。
金城哲夫氏原作ではありませんので、長澤まさみさんが巨大化し、ホテルを踏み潰してエンディング・・・では無いということだけネタバレしておきます。
まあ、前日の映画のあまりの酷さもあって、観て「良かった」と思えるものでした。
むしろ、これまで数々の駄作を世に放っていたフジテレビジョン製作の映画がDisneyの映画を大きく上回ってしまう、この信じられない現実が「Disney、これから本当に大丈夫か?」と心配になるものでした。