『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
原題:Ant-Man and the Wasp: Quantumania
2023年製作/アメリカ映画/上映時間:125分/G/2023年2月17日日本公開
監督:ペイトン・リード
出演:ポール・ラッド
ジョナサン・メジャース ほか
マーベルのキャラクター・アントマンを実写映画化した『アントマン』シリーズの第3弾です。
フェイズ5と言われる世界の始まりで、新たな『アベンジャーズ』へ続く物語が始動します。
あらすじ
アントマンことスコット・ラング(ポール・ラッド)は、実験中の事故に巻き込まれ、相棒のワスプことホープ・ヴァン・ダイン(エヴァンジェリン・リリー)や娘のキャシーらと共に量子世界に引きずり込まれる。未知の世界で彼らを待ち受けていたのは、征服者カーンだった。
(シネマトゥデイより)
『アベンジャーズ』をはじめとしたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を構成する人気作品のひとつ、『アントマン』のシリーズ第3弾です。
未知の量子世界に入り込んだアントマンやワスプが、アベンジャーズの新たな脅威となる存在、カーンと遭遇します。
Disney+にて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
『アントマン&ワスプ』の特にファンではありませんが、次の『アベンジャーズ』に繋がる重要なポジションの作品らしいので、配信開始日・・・の翌日鑑賞いたしました。
『エンドゲーム』で量子世界を使ったタイムスリップの可能性に気づき、アベンジャーズとサノスの最終決戦に向けて重要な役割を果たしたアントマンことスコット・ラング。
アントマンとその妻でパートナーのワスプは、<量子世界>に導く装置を生み出した娘キャシー達とともに、ミクロより小さな世界へ引きずり込まれてしまう。
そこで待ち受けていたのは、過去、現在、未来すべての時を操る能力を持つ、マーベル史上最凶の敵、征服者カーン。彼がこの世界から解き放たれたら、全人類に恐るべき危機が迫る・・・。
本作で劇場用MCU作品初登場になる(と思う)、あのサノスをも超越する、すべてを征服するという謎の男カーン。
・・・なのですが
Disney+で絶賛配信中(?)のオリジナルドラマ「ロキ」にすでに登場しており、このドラマを観ていないと分かりづらいキャラクターになっております。
新たな、そして最強のヴィラン(敵キャラ)を知りたければ、Disney+に入会せよ・・・というDisneyの商魂のたくましさ。
すでに加入している自分もロキが主人公のドラマなど観る気が無かったので、時すでに遅し・・・。
皆さんは”アントマン”というキャラをどう感じていらっしゃいますか?
自分の感想ですが、『エンドゲーム』では、一番重要なキャラクターになると思われていたキャプテン・マーベル・・・を押しのけそのポジションに位置するほどのアベンジャーズでの大きなキャラクターなのですが、アントマンが登場した作品で「面白かった」と言えるのが『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『エンドゲーム』。
つまり、単独作品では今ひとつ魅力を感じないんですよね~。
昭和のヒーロー作品で育った世代で、”分かる人は分かる”的な表現で言うのであれば、「仮面ライダー」シリーズ(当然昭和)のライダーマンのようなキャラクターに思えて仕方ありません。
V3と並んだ姿はカッコいい!
ですが、単体で戦う姿は「・・・」。
それに似た感じで、キャップ(キャプテン・アメリカ)と一緒だと光るのですが、単体での活躍は(好きな人は多いみたいですが)正直、それほどカッコよさは感じません。
あくまで個人的な意見ですが・・・。
そのアントマン単体でのシリーズ3作目になる本作。(ほかのアベンジャーズのキャラは一切登場せず)
ここからは映画としての本作の感想と今後のMCU作品、フェーズ5の展望などなどを綴って行きたいと思いますが、ハッキリ言いましょう、本作はとんでもない駄作で、フェーズ5開幕で、いきなり暗雲立ちこめる出来になっておりました。
量子世界と呼ばれる空間に引きずり込まれたアントマンとその一行ですが、そこに待っていたものが、何とも魅力の無い『スター・ウォーズ』第1作(エピソード4)の劣化版のような世界観。
さらに、私の大っ嫌いなこの俳優(名前は伏せます・・・って、顔写真掲載では意味ないですが)が登場し、わたくしの不快度がかなりマックスに上がりだしてきました。
救いは10分ほどの出演シーンで終わってくれたこと。
マイケル・ダグラスとミシェル・ファイファーも最初の契約のとき、シリーズ化は念頭に置いていたとは思いますが、シリーズ重ねるにつれ、酷くなり、こんなシナリオの映画に出演しなくてはならないとなり、本当に気の毒でした。
こちらは前作、2018年の『アントマン&ワスプ』の写真ですが、左のホープ=ワスプを演じているエヴァンジェリン・リリー・・・
5年でこ、こんなに老けてしまいました。(写真右)
実際の年月+指パッチンの失われた5年もあり、老けメイクをしていたのかもしれませんが、私は違う女優さんが出演していたと思ってしまいました。
ミシェル・ファイファーを「ママ」と呼ぶのは少々辛いルックスに。
第1作でのヴィラン、ダレンが再登場。
量子世界で見事復活。
こ、こんな低俗な姿になって・・・。
その量子世界での戦いなので、世界観は狭く感じてしまうところが欠点と言えます。
間違いなくお金掛けている作品であるはずなのですが、何かチープでAmazonプライムビデオでたまに見かける超・低予算SF映画のような感じに思えてしまいます。
そこに現れる、MCU作品史上最強のヴィランという設定のカーンですが・・・
新日本プロレスのグレート・O・カーンより弱そうに観えてしまいました。
「パンケーキ、食うか?」。
本作で唯一良かったと思えるところ。
スコットとホープの娘を演じた、『ザ・スイッチ』のキャスリン・ニュートンが可愛かったことだけでしょうか?
そして、あえて甘口で褒めるなら、本作は家族の物語で、お父さん&お母さん&娘の3人が並んで戦う姿はほかの作品に無い魅力と言えるかもしれません。
博士は娘さん用のスーツも作っていたんですね。(劇中一切語られませんが)
フェーズなんとかと言われてもピンとこない自分ですが、多くのファンの方がレビューなどで語られておりますが、MCU作品、もう限界が来ているのではと思わせる雑過ぎるシナリオとテンポの悪い演出のまったく面白く無い映画でした。
『マーベルズ』の公開延期も決まったそうで、いよいよ足もとぐらつき始めてしまったようにも思えます。
MCU作品も、そしてDisney王朝も・・・。
チャドウィック・ボーズマン氏が亡くなられたから、こんなコメントをするという、後出しジャンケン的意見を述べさせていただくと、今、こんな作品を観せられると、『エンドゲーム』で完結していたら、もの凄い美しいMCU作品のエンディングだったんだな~と思ってしまいました。
『アベンジャーズ ザ・カーン・ダイナスティ(原題)』で「カーンは戻ってくる」そうです、一応までに。