『わたしは生きていける』
原題:How I Live Now
2013年製作/イギリス映画/上映時間:101分/PG12/2014年8月30日日本公開
監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:シアーシャ・ローナン
ジョージ・マッケイ
トム・ホランド ほか
メグ・ローゾフのベストセラー小説を基にした、異色の青春ドラマです。
テロリストによる核爆発と第3次世界大戦によって混乱するイギリスを舞台に、16歳の少女が織り成す決死のサバイバルをいとことの恋を交えながら映し出します。
あらすじ
生後間もなく母親がこの世を去るなど、複雑な家庭環境で育ってきた16歳の少女デイジー(シアーシャ・ローナン)。彼女は会ったことのないいとこたちと過ごすため、1人でニューヨークからイギリスへとやってくる。純真ないとこたちと触れ合い、自意識過剰で反抗的だったデイジーの心境に変化が生じる。やがて、いとこの長兄エディ(ジョージ・マッケイ)に惹(ひ)かれるように。そんな中、ロンドンで核爆発テロが起き、第三次世界大戦が勃発する。戒厳令が敷かれ、デイジーたちは軍によって離れ離れになってしまう。
(シネマトゥデイより)
メグ・ローゾフの同名ベストセラーを原作に、終末世界で生きる少女の青春を描いたサバイバル映画です。
出演は『レディ・バード』などのシアーシャ・ローナンを筆頭に、『1917 命をかけた伝令』などのジョージ・マッケイ、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』などのトム・ホランド。
監督は『モーリタニアン 黒塗りの記録』などのケヴィン・マクドナルド。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
見放題終了・・・の映画と思ったのですが、それより古い映画を先にと考え、シアーシャ・ローナン主演に惹かれての鑑賞でした。
ニューヨークから単身イギリスにやってきたデイジー。生まれたときに母親を亡くした彼女は、見知らぬ3人の従兄弟 とひと夏を過ごすため、この異国の地を訪れた。複雑な家庭環境で育ったせいで自意識が強く反抗的なデイジ ーだったが、人なつこく純真な従兄弟たちと過ごす生活は、そんな彼女の頑なな心を少しずつ溶かしていく。
そして、 彼女は長兄エディとの間で初めての恋に落ちた...。そんなある日、ロンドンでテロリストによる核爆発が発生。第三次世界大戦勃発に伴う戒厳令がしかれるなか、デイジーたちは突如現れた軍に拘束され、離ればなれにされてしまう。
軍の管理下に連れて来られたデイジーは、エディとの再会の約束を胸に秘め施設を脱出。いくつもの極限の試 練が待ち受ける荒廃した世界に身を投じていくのだった・・・。
いや~、トム・ホランドが若い。
もちろん今でも若いのですが、この時、15~16歳くらい。(役は14歳という設定)
今まで、あまり気にしたこと無かったのですが、彼はイギリス出身の俳優さんだったんですね。(サリー州出身)
アメリカからイギリスへやってきた少女デイジーは田舎の生活に馴染めないでいた。
他者とのコミュニケーションを遮るかのようにしていたデイジーでしたが、徐々に心を通わせるようになる・・・と言った、ある意味ありきたりな展開です。
彼女のいとこが暮らすその家には子どもたちしかおりません。
母親と呼ばれる女性も仕事と言って部屋から出てきません。
そんな中、デイジーは長兄のエディと恋に落ちます。
田舎暮らしも慣れてきたさなか、突然空から灰のようなものが降ってきてテレビでロンドンがテロリストによって核攻撃を受け、第三次世界大戦が勃発するという事態になります。
突如現れた軍によって男女引き離されてしまいます。
そしてデイジーはいとこの女の子と一緒に逃亡し、愛しのスイートホーム目指し、決死のサバイバルに出ます・・・。
こんな感じのストーリーですが、大分荒々しい展開になっております。
最初は心を閉ざした少女の物語と思わせて、突如第三次世界大戦という展開にはかなり強引さを感じてしまいました。
テロリストがなぜ核兵器を持っていたのか?
テロリストの目的など一切語られません。
捕虜のようになったデイジーといとこの女の子は収容所のようなところでは無く、普通の民家に住まわせられ、ちゃんと食事ももらえます。
なぜか民家の押し入れに偶然入っていた(そこはツッコんではいけないと思いつつ、「・・・」)拳銃片手にいざ、地図とコンパスを手に入れ(これも出来すぎのように思いつつ、ツッコんではいけない)田舎の家を目指す2人。
いとこの女の子がテロリスト(と思われる人物)に捕まったとき、問答無用でその銃で射殺してしまうデイジー。
ですが、ある夜、森で強姦の被害に遭っている女性を目撃し、その女性が逃げデイジーを見つけ「助けて」と言ってもガン無視。
人によって助けるか助けないか決めてしまう、何とも言えないデイジーの性格。
終盤の脱出劇からのサバイバルまで、ほとんどシアーシャ・ローナンの一人舞台です。
彼女のファンなので、それは問題無いと思いましたが、映画的には正直微妙でした。
鑑賞後知りましたが、イギリスのティーン向けの小説が原作で、少女の成長と恋、生きる力を美しく描くのがメインで、テロリストや核攻撃、第三次世界大戦という設定はオマケに過ぎません。
トム・ホランドが可愛そうな役で、切なくなってしまいました。
同じティーンの女の子には勇気を与えられる作品に仕上がっていたように思いました。
自分のようなオヂさんは少し厳しいかな?
ですが、シアーシャ・ローナンはいつも通りの安定した演技力でしたし、苦境でも前へ進むことは描いていた映画であるのは間違いありません。