『モネ・ゲーム』
原題:Gambit
2012年製作/アメリカ映画/上映時間:90分/G/2013年5月17日日本公開
監督:マイケル・ホフマン
出演:コリン・ファース
アラン・リックマン ほか
犯罪コメディ『泥棒貴族』を、オスカー俳優コリン・ファースとラブコメの女王ことキャメロン・ディアス共演でリメイクした作品です。
監督は『終着駅 トルストイ最後の旅』のマイケル・ホフマン。
脚本は数々のヒット作を世に送り出したジョエル&イーサン・コーエン兄弟。
あらすじ
美術学芸員のハリー(コリン・ファース)はモネの名画のニセモノを使った詐欺を思いつく。相棒PJ(キャメロン・ディアス)が絵画の所有者に成り済まし、ハリーは本物と見まがうような贋作を用意して標的の億万長者シャバンダー(アラン・リックマン)に近づく。しかし超天然のPJが次々と騒動を巻き起こし、シャバンダーが別の絵画鑑定士を呼んだことで、成功間違いなしのはずの計画は予期せぬ方向に……。
(シネマトゥデイより)
ジョエル&イーサン・コーエン兄弟が脚本を手がけた犯罪コメディです。
モネの名画の贋作(がんさく)詐欺をもくろむ男と天然カウガールの相棒、そしてターゲットの億万長者が珍騒動が描かれます。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく見放題終了とのことで、鑑賞いたしました。
キャストに惹かれての鑑賞でしたが、オープニングのクレジットでコーエン兄弟が脚本と知り、少しハードルが高くなりました。
学芸員のハリーは、印象派の巨匠モネの名画「積みわら」の贋作を用意し、詐欺をもくろむ。相棒のPJが絵画の所有者になりすまし、億万長者シャバンダーをカモにしようとするが、PJが次々とトラブルを起こし、シャバンダーの雇った鑑定士が登場するなど、完璧だったはずの計画は思いもよらない方向へと転がっていく・・・。
印象派の巨匠モネの名画「積みわら」の贋作を億万長者シャバンダーに売りつけようとする詐欺師を描いたコメディです。
美術品にまったく疎い自分でも、モネは名前くらいは聞いたことがあります。
堅物の億万長者のアラン・リックマン。
陽気なカントリーガールのキャメロン・ディアス。
いかにも英国のジェントルマン(と言った感じの)のコリン・ファース。
この3人の絡みが面白かったです。
コーエン兄弟のシナリオですが、思ったほど毒は薄め。
アラン・リックマンの敵役のコリン・ファースの役名が”ハリー”なのは、あの魔法使いを思い出してしまいました。(「ハリー」と呼ぶシーンがあるのですが、まんまでした)
ワケの分からない日本人ビジネスマングループが登場するのですが、この描写は正直日本人から観ると不快に感じます。
最強のセキュリティと評される空腹のライオンのCGの安っぽさには「これっ、本当にハリウッド映画?」と思ってしまうほどでした。
※ネタばれを含みます。※
これらの残念な描写もありますが、全体的には軽いタッチの作品で肩の凝らない、楽しい映画だったと思いました。
日本人ビジネスマングループが一度では無く二度出てきたとき、何となく結末が読めてしまいましたが・・・。
モネの贋作を作った”少佐”と呼ばれる男に「ピカソは出来るか?」と聞いて、「作る意味あるのか?」と逆に聞かれると「ドナルド・トランプが興味あるらしい」というセリフがあります。
大統領になる前の作品ですが、いっそトランプも騙してもらいたかったと(架空のストーリーですが)思ってしまいました。
1994年の『マスク』で映画デビューし、一躍大スターに。
しかし、本作の2年後に製作の『ANNIE/アニー』を最後に女優業を引退しております。
彼女の女優としての立ち位置。
どうしてもファンは『メリーに首ったけ』、『チャーリーズ・エンジェル』、『ホリディ』のような明るい笑顔の彼女を期待してしまいます。
しかし、女優としての幅を広げようと出演した『ギャング・オブ・ニューヨーク』、『私の中のあなた』などのシリアス路線の作品は興行的に成功しておりません。
本作でも笑顔のステキなアメリカの田舎娘を演じております。
彼女にしか演じられない役だったと言えるかもしれません。
やはり、キャメロン・ディアスはコメディが似合います。
そのファンの期待が逆に彼女を追いつめてしまったのかもしれません。
引退は寂しいですが、これまでたくさんの映画で見せてくれた笑顔はファンは忘れないと思います。
2018年現在で、アメリカ映画史上、5番目に稼いだ女優にランキングされております。
(Wikipediaを参考にさせていただきました)