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当ブログへ起しいただき、心から感謝いたします。映画の感想やスポーツ観戦の記事、写真中心のブログです。

『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』

ジャスティス・リーグザック・スナイダーカット』

原題:Zack Snyder's Justice League

 

2021年製作/アメリカ映画/上映時間:241分/日本劇場未公開作品

 

監督:ザック・スナイダー

出演:ベン・アフレック

   ヘンリー・カヴィル

   エイミー・アダムス ほか

 

2017年に公開された『ジャスティス・リーグ』を制作中に降板したザック・スナイダー監督が抱いていた構想に基づき、追加撮影や再編集を施したディレクターズカット版です。

バットマンワンダーウーマンたちがチームを結成し、世界の存亡を懸けた戦いに挑みます。

 

あらすじ

 

世界を破滅させる陰謀が動き出しているのを知ったバットマンことブルース・ウェインベン・アフレック)は、ワンダーウーマンガル・ガドット)と共に超人たちのチームの編成に取り掛かり、アクアマン(ジェイソン・モモア)、サイボーグ(レイ・フィッシャー)、フラッシュ(エズラ・ミラー)を仲間に引き入れようとする。しかし、それぞれがつらい過去と苦悩を抱えていたことから動き出せずにいた。紆余(うよ)曲折を経て結成されたチームは、陰謀の裏に潜むステッペンウルフたちに立ち向かう。

シネマトゥデイより)

 

バットマン、スーパーマンワンダーウーマンなど、DCコミックのスーパーヒーローが集結したアクション大作『ジャスティス・リーグ』の新バージョンです。

バットマン役のベン・アフレック、スーパーマン役のヘンリー・カヴィルワンダーウーマン役のガル・ガドットらが出演。

 

4K Ultra HD BDにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

少し時間があったことと、『ザ・フラッシュ』公開前に観ておこうと思い(『ザ・フラッシュ』を映画館で鑑賞するかは微妙ですが)、今回は上映時間4時間超えの本作を選びました。

 

究極の犠牲を払ったスーパーマンの遺志を継ごうとブルース・ウェインが、ダイアナ・プリンスと協力し、ある計画に着手する。迫り来る破滅的な脅威から世界を守るため、メタヒューマンによるチームを組織しようとしていた。

 

ところが、チームの結成はブルースの想像以上に難航する。前代未聞のヒーロー連合を組むためには、各々が自分自身の過去と向き合い、迷いを断ち切る必要があったからだ。

 

ようやく、バットマンワンダーウーマン、アクアマン、サイボーグ、フラッシュが一堂に集結するが、ステッペンウルフやデサード、ダークサイドの恐るべき野望が、もう目前に迫っていた・・・。

 

2017年に公開された『ジャスティス・リーグ』の製作を途中で降板したザック・スナイダー監督が、当初思い描いていた構想を実現させるため、追加撮影も行って完成させた新バージョンです。

 

劇場公開版には使われなかった大量の蔵出し映像や新規撮影の映像も加え、再編集などを施し、約4時間にわたる大ボリュームになっております。

 

自分も劇場版は一度しか観ていないので、変わった箇所すべては分かりませんが、明らかに違うと感じたのが、この『ジャスティス・リーグ』から登場するキャラクター、アクアマン、フラッシュ、サイボーグが深掘りして描かれていたところです。

 

特に劇場版ではあまりパッとしなかったキャラクターだったサイボーグ。

彼の存在価値がグッと上がった感がありました。

彼を殺さないようサイボーグ化した父親との葛藤や、サイボーグとなってしまった体に悩み、苦しむビクター=サイボーグの姿は石ノ森章太郎先生の作品のようなテイストを感じました。

 

バリー=フラッシュと服役中の父親との交流のシーンも増え、彼の人間性も厚みを増したように感じました。

 

マントもスーツも黒一色のブラック・スーパーマンが登場。

・・・なぜ黒くなっちゃったかはネタバレになるので書けませんが。

 

アクアマンの奥様(で、いいのかな?)役のアンバー・ハードの出演シーンも増えたように思いました。

劇中では私生活と違い離婚裁判にはなりませんでした。

 

(左がスナイダーカット、右が劇場版)

敵キャラのステッペンウルフのVFXのクオリティも高くなりました。

 

そして、個人的に一番違う、そして見どころと思えるのが・・・

ジャレッド・レト演じるジョーカーの登場シーン。

これはもの凄くインパクトありました。

そのジョーカーに痛い所を突かれ、ヘトヘトになって疲れているバットマンが少し哀れに思えてしまいました。

 

思いっきり続編を意識した作りでありながら、その可能性が無くなってしまった本作。

そこが残念に思います。

 

DCコミックスの映画化で大成功と言える、1978年のリチャード・ドナー監督の『スーパーマン』。

この作品が無ければ、今日(こんにち)のアメコミ映画の存在も無かったかもしれません。

それくらい完成度の高い作品だったと思います。

 

そのリブート的作品の2013年の『マン・オブ・スティール』。

この作品にかなり多くの人が失望してしまいました。

リチャード・ドナー作品にはあった「スーパーマン=超人の活躍」という面白さがそがれ、終始ダークな展開に・・・。

 

その続編の2016年の『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』は2017年のゴールデンラズベリー賞において、最低リメイク・続編・盗作賞、最低助演男優賞ジェシー・アイゼンバーグ)を受賞してしまいました。

ベン・アフレックヘンリー・カヴィルは最低主演男優賞にノミネート。

ストーリーも画面も暗いと散々な評価を受けてしまいました。

 

続く『スーサイド・スクワット』(2016)も興行・評価とも大ハズレ。

どの作品も「暗い、暗すぎる」という声が圧倒的でした。

しかし、2017年の『ワンダーウーマン』は興行・評価とも大成功を収め、そして製作されたのが『ジャスティス・リーグ』でした。

 

当初、ザック・スナイダーが監督予定だった『ジャスティス・リーグ』でしたが、彼の娘さんの突然の死に降板。

製作元のワーナー・ブラザースは暗すぎる2作品のザック・スナイダーを降ろせると「これ幸い」と思い、監督に『アベンジャーズ』のジョス・ウェドンを起用。

上映時間を大幅に短縮するよう命じ、スナイダーが撮影したシーンの約90分がカットされて公開されることに。

 

ですが、このジョス・ウェドン版『ジャスティス・リーグ』は不評を買い、これまでのDCコミックスの映画化作品で最低の興行成績になってしまいます。

さらに出演者からウェドンへの批判が相次ぎ、ファンの間では”ザック・スナイダーカット”の存在があるというウワサが広まり、公開を求める要望が寄せられます。

そして、日の目を見ることが出来たのが、この『ザック・スナイダーカット』です。

 

ちょうど、この次期はマーベル・シネマティック・ユニバースMCU)が何をやっても成功し、DCコミックスは何をやっても失敗しているような時期でした。

ただ、MCUの真似事で『ジャスティス・リーグ』が作られたのでは無いことが、今回『ザック・スナイダーカット』を観て分かった気がいたしました。

 

デッドプールにディスられるように、DCユニバースのヒーローはシビアでダークな一面を持つキャラクターが多いと思います。

壮大なパワーも味方なら頼もしいが、敵に回すとこれ以上無い恐怖になってしまう。

そんな二面性を持ったヒーローを描いた映画だと思いました。

 

4時間はまったく長く感じませんでした。

スーパーマンの超人的パワーでもエイミー・アダムスのオバサン化は防げなかったのは、とても残念でした。(←失礼やろ!)

 

 

 

宅配お弁当を注文

日曜日、雨、ダルい、スワローズ10連敗😭ということもあり(理由になっていない)、買い物へ行く元気が無かったので、デリバリーを注文いたしました。

 

今回はお弁当です。

”宅配とんかつ かさねや”さんの「海老フライ弁当」を注文いたしました。

海老フライは3尾。

白米。

日本人の心です。

ポテトサラダとお漬けもの。

タルタルソース、胡麻のドレッシングがあったので、かけて出来上がり。

もちろん普通のソースもついておりました。

 

お値段は定価¥1,590ですが、初めてのかさねや注文の割引きクーポン¥300分あり、計¥1,290。

このお値段ですと、お得感がありますね。

 

出来たてだったので、衣もサクサクで美味しかったです。

次回はクーポン使えませんが、送料も無料ですし、また注文したいですね。

 

ご馳走様でした。

 

 

『わたしは生きていける』

『わたしは生きていける』

原題:How I Live Now

 

2013年製作/イギリス映画/上映時間:101分/PG12/2014年8月30日日本公開

 

監督:ケヴィン・マクドナルド

出演:シアーシャ・ローナン

   ジョージ・マッケイ

   トム・ホランド ほか

 

メグ・ローゾフのベストセラー小説を基にした、異色の青春ドラマです。

テロリストによる核爆発と第3次世界大戦によって混乱するイギリスを舞台に、16歳の少女が織り成す決死のサバイバルをいとことの恋を交えながら映し出します。

 

あらすじ

 

生後間もなく母親がこの世を去るなど、複雑な家庭環境で育ってきた16歳の少女デイジーシアーシャ・ローナン)。彼女は会ったことのないいとこたちと過ごすため、1人でニューヨークからイギリスへとやってくる。純真ないとこたちと触れ合い、自意識過剰で反抗的だったデイジーの心境に変化が生じる。やがて、いとこの長兄エディ(ジョージ・マッケイ)に惹(ひ)かれるように。そんな中、ロンドンで核爆発テロが起き、第三次世界大戦が勃発する。戒厳令が敷かれ、デイジーたちは軍によって離れ離れになってしまう。

シネマトゥデイより)

 

メグ・ローゾフの同名ベストセラーを原作に、終末世界で生きる少女の青春を描いたサバイバル映画です。

出演は『レディ・バード』などのシアーシャ・ローナンを筆頭に、『1917 命をかけた伝令』などのジョージ・マッケイ、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』などのトム・ホランド

監督は『モーリタニアン 黒塗りの記録』などのケヴィン・マクドナルド

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

見放題終了・・・の映画と思ったのですが、それより古い映画を先にと考え、シアーシャ・ローナン主演に惹かれての鑑賞でした。

 

ニューヨークから単身イギリスにやってきたデイジー。生まれたときに母親を亡くした彼女は、見知らぬ3人の従兄弟 とひと夏を過ごすため、この異国の地を訪れた。複雑な家庭環境で育ったせいで自意識が強く反抗的なデイジ ーだったが、人なつこく純真な従兄弟たちと過ごす生活は、そんな彼女の頑なな心を少しずつ溶かしていく。

 

そして、 彼女は長兄エディとの間で初めての恋に落ちた...。そんなある日、ロンドンでテロリストによる核爆発が発生。第三次世界大戦勃発に伴う戒厳令がしかれるなか、デイジーたちは突如現れた軍に拘束され、離ればなれにされてしまう。

 

軍の管理下に連れて来られたデイジーは、エディとの再会の約束を胸に秘め施設を脱出。いくつもの極限の試 練が待ち受ける荒廃した世界に身を投じていくのだった・・・。

 

いや~、トム・ホランドが若い。

もちろん今でも若いのですが、この時、15~16歳くらい。(役は14歳という設定)

 

今まで、あまり気にしたこと無かったのですが、彼はイギリス出身の俳優さんだったんですね。(サリー州出身)

 

アメリカからイギリスへやってきた少女デイジーは田舎の生活に馴染めないでいた。

他者とのコミュニケーションを遮るかのようにしていたデイジーでしたが、徐々に心を通わせるようになる・・・と言った、ある意味ありきたりな展開です。

 

彼女のいとこが暮らすその家には子どもたちしかおりません。

母親と呼ばれる女性も仕事と言って部屋から出てきません。

そんな中、デイジーは長兄のエディと恋に落ちます。

 

田舎暮らしも慣れてきたさなか、突然空から灰のようなものが降ってきてテレビでロンドンがテロリストによって核攻撃を受け、第三次世界大戦が勃発するという事態になります。

 

突如現れた軍によって男女引き離されてしまいます。

そしてデイジーはいとこの女の子と一緒に逃亡し、愛しのスイートホーム目指し、決死のサバイバルに出ます・・・。

 

こんな感じのストーリーですが、大分荒々しい展開になっております。

最初は心を閉ざした少女の物語と思わせて、突如第三次世界大戦という展開にはかなり強引さを感じてしまいました。

 

テロリストがなぜ核兵器を持っていたのか?

テロリストの目的など一切語られません。

捕虜のようになったデイジーといとこの女の子は収容所のようなところでは無く、普通の民家に住まわせられ、ちゃんと食事ももらえます。

 

なぜか民家の押し入れに偶然入っていた(そこはツッコんではいけないと思いつつ、「・・・」)拳銃片手にいざ、地図とコンパスを手に入れ(これも出来すぎのように思いつつ、ツッコんではいけない)田舎の家を目指す2人。

 

いとこの女の子がテロリスト(と思われる人物)に捕まったとき、問答無用でその銃で射殺してしまうデイジー

ですが、ある夜、森で強姦の被害に遭っている女性を目撃し、その女性が逃げデイジーを見つけ「助けて」と言ってもガン無視。

人によって助けるか助けないか決めてしまう、何とも言えないデイジーの性格。

 

終盤の脱出劇からのサバイバルまで、ほとんどシアーシャ・ローナンの一人舞台です。

彼女のファンなので、それは問題無いと思いましたが、映画的には正直微妙でした。

 

鑑賞後知りましたが、イギリスのティーン向けの小説が原作で、少女の成長と恋、生きる力を美しく描くのがメインで、テロリストや核攻撃、第三次世界大戦という設定はオマケに過ぎません。

 

トム・ホランドが可愛そうな役で、切なくなってしまいました。

同じティーンの女の子には勇気を与えられる作品に仕上がっていたように思いました。

自分のようなオヂさんは少し厳しいかな?

 

ですが、シアーシャ・ローナンはいつも通りの安定した演技力でしたし、苦境でも前へ進むことは描いていた映画であるのは間違いありません。

 

 

 

『任侠学園』

『任侠学園』

 

2019年製作/日本映画/上映時間:119分/G/2019年9月27日日本公開

 

監督:木村ひさし

出演:西島秀俊

   西田敏行

   葵わかな ほか

 

社会奉仕がモットーの地元密着型ヤクザたちの奮闘を描いた今野敏の人気小説「任侠」シリーズを映画化したコメディです。

西島秀俊西田敏行がダブル主演を務め、共演に伊藤淳史葵わかな葉山奨之など。

 

あらすじ

 

経営難の仁徳京和学園高校に、昔気質のヤクザ一家・阿岐本組の阿岐本組長(西田敏行)やナンバー2の日村(西島秀俊)らが新しい理事としてやってくる。見た目が怖く荒っぽいが、義理人情を重んじる彼らの言動に、少しずつ周囲の空気が変わっていく。あるとき、学校の乗っ取りをもくろむ欲深い連中が策略を仕掛けてくる。

シネマトゥデイより)

 

今野敏の小説「任侠」シリーズの一作「任侠学園」を原作にしたコメディです。

ヤクザ一家が経営難に陥った高校の再建に挑む姿が描かれます。

監督は『屍人荘の殺人』などの木村ひさし。

 

Netflixにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

間もなく配信終了とのことと、少し映像を観て(予告編ほどの長さはありません)、なかなか面白そうと思い、今回は本作を選びました。

 

困っている人は見過ごせない、義理と人情に厚すぎるヤクザ”阿岐本組”。組長は社会貢献に目がなく、次から次へと厄介な案件を引き受けてしまう。

 

今度はなんと、経営不振の高校の建て直し。いつも親分に振り回されてばかりの阿岐本組NO.2の日村は、学校には嫌な思い出しかなく気が進まなかったが、“親分の言うことは絶対”!

 

子分たちを連れて、仕方なく学園へ。待ち受けていたのは、無気力・無関心のイマドキ高校生と、事なかれ主義の先生たちだった・・・。

 

絶賛するほどの映画ではありませんが、シンプルに面白く、最後まで楽しめる映画でした。

自分は正直、あまり任侠もの、任侠映画は好きでは無く、これまで敬遠していたところもありました。

北野武監督の『アウトレンジ』も観たことがありません。

 

何やら無数(?)に小ネタが散りばめられている映画で、鑑賞後、映画サイトで教えてもらったのですが、劇中やたらと目立ったブタの頭の丸焼き。

これには意味があり、本作の出演者、高木ブーさん、西田敏行さん、伊藤淳史さんと3人とも”猪八戒”を演じているからとのこと。

 

経営不振の私立高校を再建しようと、「スクールアイドル」を生み出す・・・ワケでは無く、「戦車道で優勝」・・・するワケでも無く、義理人情に厚すぎるヤクザの組長が立ち上がるというストーリーは多少ムリはあるものの、結構面白く感じました。

 

その組長に振る舞わされ続ける、ナンバー2の日村の苦悩が笑えます。

彼自身も少年時代にいい思い出が無く、高校の理事なる仕事に抵抗を感じております。

 

その高校は可もなく不可もなしと言った、飛び抜けたものも無い代わりに底辺を彷徨っているというワケでも無い、至って普通の学園。

そこで、唯一問題点な行動を起こす女子高生と出会い、自分の苦かった高校時代を思い出す日村。

 

”まさかり投法”、”幸田シャーミン”などなどの昭和ネタ満載の少し古臭さも感じる義理と人情の任侠映画なのですが、そのスタイルが死んだ目をしていたこの学園の生徒を生き返らせるという筋書きはありきたりではあるのですが、観ていて気持ち良かったです。

 

日村の舎弟の二宮を演じる伊藤淳史さん。

猪八戒以外で、知る人ぞ知る、フジテレビ系「とんねるずのみなさんのおかげです」のコーナーで放映された「仮面ライダー」のパロディ「仮面ノリダー」のチビノリダー(当時4~5歳)を演じておりました。

このコーナーはパロディと侮れない、かなり本格的なもので、ナレーションに昭和ライダーのナレーターを務めた故・中江真司氏、立花藤兵衛役をオリジナルの故・小林昭二氏が演じるております。(小林氏は第2期のオファーで「もう、卒業したのやらない」と言っていたのですが・・・)

・・・ですが、今では考えられないことなのですが、このコーナー、石森プロや東映に無許可で製作&OA。

当然、当時の東映の「仮面ライダー」プロデューサーは大激怒。

しかし、このコーナーを観た石ノ森章太郎先生は爆笑していたという先生の心の広さを感じます。

 

お世辞にも演技が上手とは言えませんでしたが、熱っ苦しいヤクザばかりの中で清涼剤的キャラクターを演じられた葵わかなさん。

『サバイバルファミリー』に出演してそうですが、まったく覚えておりません。(汗)

映画出演はこの作品が今現在最後になっていたので、もしかして引退されてしまったのかと思いましたが、テレビドラマには出演されているみたいで、良かったです。

 

反社会勢力を美化するのはいかがなものかという評論家の意見もありましたが、物事にきっちり筋を通す姿勢で、人を騙したりはしない日村たちの姿と、一見真面目そうに思えて裏でとんでもない企みをしている人物・・・というあらすじも、本当にありきたりではあるのですが、悪く感じられないものがありました。

 

それは西島秀俊さんのすばらしい演技力が説得力を持たせているからだと思います。

本当にどんな役柄もこなせる俳優さんですね。

 

校長先生が「私は教師として最低限の仕事はしております」という発言に、「最低限?最高の仕事をしてください」と言うセリフはとても良かったです。

 

西田敏行さんの演技は「・・・」なところもありますが、西島秀俊さんがインタビューで語られておりましたが、たしかにアドリブが本当にすばらしい。

なので、この人から最大の長所のアドリブを奪った『大怪獣のあとしまつ』の監督がいかに無能だったのか、改めて良く分かりました。

 

夢も希望も無かった学園に生きる喜びを置いていって去って行く阿岐本組の皆さん。

とても胸アツな物語ですが、似たタイプですと、やはり『いまを生きる』には遠く及びません。

 

ですが、木村ひさし監督ということを考えると、かなりいい拾いものだったと思いました。

脚本が第96回(2022年)キネマ旬報・日本映画ベストテンで1位になった『ケイコ 目を澄ませて』の酒井雅秋氏。

シナリオの出来の良さは『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の倍以上だったように思いました。

本当に大丈夫か、Disney?

 

 

 

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』

アントマン&ワスプ:クアントマニア』

原題:Ant-Man and the Wasp: Quantumania

 

2023年製作/アメリカ映画/上映時間:125分/G/2023年2月17日日本公開

 

監督:ペイトン・リード

出演:ポール・ラッド

   エヴァンジェリン・リリー

   ジョナサン・メジャース ほか

 

マーベルのキャラクター・アントマンを実写映画化した『アントマン』シリーズの第3弾です。

フェイズ5と言われる世界の始まりで、新たな『アベンジャーズ』へ続く物語が始動します。

 

あらすじ

 

アントマンことスコット・ラング(ポール・ラッド)は、実験中の事故に巻き込まれ、相棒のワスプことホープヴァン・ダインエヴァンジェリン・リリー)や娘のキャシーらと共に量子世界に引きずり込まれる。未知の世界で彼らを待ち受けていたのは、征服者カーンだった。

シネマトゥデイより)

 

アベンジャーズ』をはじめとしたマーベル・シネマティック・ユニバースMCU)を構成する人気作品のひとつ、『アントマン』のシリーズ第3弾です。

未知の量子世界に入り込んだアントマンやワスプが、アベンジャーズの新たな脅威となる存在、カーンと遭遇します。

 

Disney+にて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

アントマン&ワスプ』の特にファンではありませんが、次の『アベンジャーズ』に繋がる重要なポジションの作品らしいので、配信開始日・・・の翌日鑑賞いたしました。

 

『エンドゲーム』で量子世界を使ったタイムスリップの可能性に気づき、アベンジャーズとサノスの最終決戦に向けて重要な役割を果たしたアントマンことスコット・ラング。

 

アントマンとその妻でパートナーのワスプは、<量子世界>に導く装置を生み出した娘キャシー達とともに、ミクロより小さな世界へ引きずり込まれてしまう。

 

そこで待ち受けていたのは、過去、現在、未来すべての時を操る能力を持つ、マーベル史上最凶の敵、征服者カーン。彼がこの世界から解き放たれたら、全人類に恐るべき危機が迫る・・・。

 

本作で劇場用MCU作品初登場になる(と思う)、あのサノスをも超越する、すべてを征服するという謎の男カーン。

・・・なのですが

Disney+で絶賛配信中(?)のオリジナルドラマ「ロキ」にすでに登場しており、このドラマを観ていないと分かりづらいキャラクターになっております。

新たな、そして最強のヴィラン(敵キャラ)を知りたければ、Disney+に入会せよ・・・というDisneyの商魂のたくましさ。

すでに加入している自分もロキが主人公のドラマなど観る気が無かったので、時すでに遅し・・・。

 

皆さんは”アントマン”というキャラをどう感じていらっしゃいますか?

自分の感想ですが、『エンドゲーム』では、一番重要なキャラクターになると思われていたキャプテン・マーベル・・・を押しのけそのポジションに位置するほどのアベンジャーズでの大きなキャラクターなのですが、アントマンが登場した作品で「面白かった」と言えるのが『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『エンドゲーム』。

つまり、単独作品では今ひとつ魅力を感じないんですよね~。

 

昭和のヒーロー作品で育った世代で、”分かる人は分かる”的な表現で言うのであれば、「仮面ライダー」シリーズ(当然昭和)のライダーマンのようなキャラクターに思えて仕方ありません。

V3と並んだ姿はカッコいい!

ですが、単体で戦う姿は「・・・」。

それに似た感じで、キャップ(キャプテン・アメリカ)と一緒だと光るのですが、単体での活躍は(好きな人は多いみたいですが)正直、それほどカッコよさは感じません。

あくまで個人的な意見ですが・・・。

 

そのアントマン単体でのシリーズ3作目になる本作。(ほかのアベンジャーズのキャラは一切登場せず)

ここからは映画としての本作の感想と今後のMCU作品、フェーズ5の展望などなどを綴って行きたいと思いますが、ハッキリ言いましょう、本作はとんでもない駄作で、フェーズ5開幕で、いきなり暗雲立ちこめる出来になっておりました。

 

量子世界と呼ばれる空間に引きずり込まれたアントマンとその一行ですが、そこに待っていたものが、何とも魅力の無い『スター・ウォーズ』第1作(エピソード4)の劣化版のような世界観。

 

さらに、私の大っ嫌いなこの俳優(名前は伏せます・・・って、顔写真掲載では意味ないですが)が登場し、わたくしの不快度がかなりマックスに上がりだしてきました。

救いは10分ほどの出演シーンで終わってくれたこと。

 

マイケル・ダグラスミシェル・ファイファーも最初の契約のとき、シリーズ化は念頭に置いていたとは思いますが、シリーズ重ねるにつれ、酷くなり、こんなシナリオの映画に出演しなくてはならないとなり、本当に気の毒でした。

 

こちらは前作、2018年の『アントマン&ワスプ』の写真ですが、左のホープ=ワスプを演じているエヴァンジェリン・リリー・・・

5年でこ、こんなに老けてしまいました。(写真右)

実際の年月+指パッチンの失われた5年もあり、老けメイクをしていたのかもしれませんが、私は違う女優さんが出演していたと思ってしまいました。

ミシェル・ファイファーを「ママ」と呼ぶのは少々辛いルックスに。

 

第1作でのヴィラン、ダレンが再登場。

量子世界で見事復活。

こ、こんな低俗な姿になって・・・。

 

その量子世界での戦いなので、世界観は狭く感じてしまうところが欠点と言えます。

間違いなくお金掛けている作品であるはずなのですが、何かチープでAmazonプライムビデオでたまに見かける超・低予算SF映画のような感じに思えてしまいます。

 

そこに現れる、MCU作品史上最強のヴィランという設定のカーンですが・・・

機動戦士Zガンダム」のハマーン・カーンはおろか、

新日本プロレスのグレート・O・カーンより弱そうに観えてしまいました。

「パンケーキ、食うか?」。

 

本作で唯一良かったと思えるところ。

スコットとホープの娘を演じた、『ザ・スイッチ』のキャスリン・ニュートンが可愛かったことだけでしょうか?

 

そして、あえて甘口で褒めるなら、本作は家族の物語で、お父さん&お母さん&娘の3人が並んで戦う姿はほかの作品に無い魅力と言えるかもしれません。

博士は娘さん用のスーツも作っていたんですね。(劇中一切語られませんが)

 

フェーズなんとかと言われてもピンとこない自分ですが、多くのファンの方がレビューなどで語られておりますが、MCU作品、もう限界が来ているのではと思わせる雑過ぎるシナリオとテンポの悪い演出のまったく面白く無い映画でした。

 

『マーベルズ』の公開延期も決まったそうで、いよいよ足もとぐらつき始めてしまったようにも思えます。

MCU作品も、そしてDisney王朝も・・・。

 

チャドウィック・ボーズマン氏が亡くなられたから、こんなコメントをするという、後出しジャンケン的意見を述べさせていただくと、今、こんな作品を観せられると、『エンドゲーム』で完結していたら、もの凄い美しいMCU作品のエンディングだったんだな~と思ってしまいました。

 

アベンジャーズ ザ・カーン・ダイナスティ(原題)』で「カーンは戻ってくる」そうです、一応までに。

 

 

 

『スポットライト 世紀のスクープ』

『スポットライト 世紀のスクープ』

原題:Spotlight

 

2015年製作/アメリカ映画/上映時間:128分/G/2016年4月15日日本公開

 

監督:トム・マッカーシー

出演:マーク・ラファロ

   マイケル・キートン

   レイチェル・マクアダムス ほか

 

アメリカの新聞「The Boston Globe」の記者たちが、カトリック教会の醜聞を暴いた実話を基に描くスリリングな社会派ドラマです。

2016年・第88回アカデミー賞において、作品、監督、助演男優賞マーク・ラファロ)、助演女優賞レイチェル・マクアダムス)など計6部門にノミネートされ、作品賞、脚本賞の2部門を受賞。

 

あらすじ

 

2002年、ウォルター(マイケル・キートン)やマイク(マーク・ラファロ)たちのチームは、「The Boston Globe」で連載コーナーを担当していた。ある日、彼らはこれまでうやむやにされてきた、神父による児童への性的虐待の真相について調査を開始する。カトリック教徒が多いボストンでは彼らの行為はタブーだったが……。

シネマトゥデイより)

 

新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを暴いた実話を描いた社会派ドラマです。

カトリック系住民が多いボストンで、神父による児童への性的虐待事件を暴露した新聞記者らの困惑と共に、次々と明らかになる衝撃の真実を描き出します。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

2回目の鑑賞になります。

前回鑑賞もAmazonプライムビデオでした。

映画館で観たかったのですが、2016年4月にちょうど東京から神戸へ引っ越しを控えていて、泣く泣く断念いたしました。

 

今回なぜ本作を改めまして観直そうとしたのか?

この作品をご覧になられた方は、薄々気づいていると思いますが、最近ごく一部のマスメディアに取り上げられている日本の超・大手芸能事務所の話題との関連です。

 

2002年1月、米国の新聞「The Boston Globe」が、カトリック教会の信じがたい実態を報じた。数十人もの神父による性的虐待を、教会が組織ぐるみで隠蔽してきた衝撃のスキャンダル。

 

その許されざる罪は、なぜ長年黙殺されたのか。「SPOTLIGHT」という名の特集記事を担当する記者たちは、いかにして教会というタブーに切り込み、暗闇の中の真実を照らし出したのか・・・。

 

 

今回はあまり映画の感想を書けないかもしれません。

 

イギリス・BBCによる告発番組と、元所属タレントのカウアン・オカモト氏による告発会見から始まった故ジャニー喜多川氏による性加害疑惑を受けて、ジャニーズ事務所は社長の藤島ジュリーK氏が謝罪動画を公式サイトに掲載いたしました。

この動画によると、同氏は喜多川氏による性加害について「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」とコメントしております。

 

過去の告発や週刊文春による性加害疑惑の報道、その後の文春に対する名誉棄損訴訟で負けたことなど、これらについて知らないのではなく、実際に性加害が行われていたかどうか知らなないという回答です。

公式コメントでは性加害の事実関係については改めて事実確認をするという回答にとどまって、ほぼゼロ回答。

 

お顔を出して”会見”というかたちで、このような過去があったことを告発したカウアン・オカモト氏の行動は、賛否あるとは思いますが、とても勇気のいることだったのは間違いないと思います。

 

・・・ただ、このようなウワサは先ほども触れた通り過去多く表沙汰になっては事務所の圧力や忖度と呼ばれるもので、闇に葬られておりました。

 

この事務所へのマスメディア=日本のマスコミ(マスゴミ)の忖度の異常さは以前からアンチでは無い(関心もあまり無い)自分でも不可解に思っていたことがありました。

一番「?」だったのが、元SMAP稲垣吾郎さんが公務執行妨害で逮捕されたとき、マスゴミに対し事務所は「稲垣吾郎容疑者と絶対記載、言わないように。稲垣吾郎メンバーと記載、言うように」と要請。

その意味不明な指示に「は~い💖」と当たり前のように「稲垣吾郎メンバー」と。

それに対し「絶対におかしい。アメリカでは警官に射殺されていてもおかしくない公務執行妨害を犯して・・・」と異議を唱えていたのは、芸能レポーター梨元勝氏だけでした。

 

そして今回の事務所社長の藤島ジュリーK氏の謝罪動画が発表された翌日のスポーツ紙の一面も、なんと半分しか飾っておりませんでした。

藤島ジュリーK氏の動画3紙に対し、サトテルの2本塁打が2紙って、サトテルの2本塁打はもっと異常だったのでしょうか?(・・・まあ、デイリーはしょうがないかな?)

 

もはや、ここまで事務所の忖度とは、正直悲しくなる日本のマスゴミ

 

今思うとジャニーズ事務所が、これほどまでにインターネットを嫌っていた理由が分かったような気がいたしました。

テレビ局・ラジオ局・新聞はいくらでも操作できる。

もみ消しもたやすい。

しかし、回線で全世界に繋がってしまっているネットには手の出しようが無い・・・と思われても仕方ないのでは無いでしょうか?

 

ただ、今回、事務所への批判を書こうと思ったワケでは無く、読売の坂本遊撃手も件もそうですが、大きなものにまったく抵抗できず真実を伝えない日本のマスゴミへの怒りと共に、未成年者に対する大人の性的暴行のおぞましさを扱った映画として、この映画を紹介したいと思いました。

 

※ネタバレありの記事になります。これからご覧になられる方はご注意を。※

 

2002年、アメリカの新聞「The Boston Globe」が、「SPOTLIGHT」と名の付いた新聞一面に、神父による性的虐待と、カトリック教会がその事実を看過していたというスキャンダルを白日の下に晒す記事を掲載いたしました。

 

物語の舞台となった、現在、吉田正尚選手が活躍されているボストンという街ですが、こちらは映画評論家の町山智浩氏のお話しですと、アイルランド系の人種が多くカトリック教徒がほとんどをしめております。(人工の約30%くらい)

 

バチカン市国を拠点にしたカトリック協会はこの街にとって”絶対的な神”でもあり、バチカン市国はどんな王国にも負けない”帝国”とまで呼ばれておりました。

そのボストンのカトリック協会の数十人の神父による児童への性的虐待と、それを組織ぐるみで隠ぺいしてきた教会の実態をたった5人の新聞記事が暴き出した物語です。

 

きっかけは他州から来た新しいユダヤ系の局長が、小さなコラム記事で神父による少年への性的暴行を見つけ、これをなぜ記事にしないのかという意見が出ます。

しかし、カトリック協会こそが最大の神であると考えていた新聞記事たちは、最初は躊躇しながらも、取材を開始いたします。

 

被害者のほとんどが貧しい家庭の子どもで、1人の神父が30人の幼児(ほとんど・・・と言うか全員男子)への性的暴行を行っていたことを突き止めます。

そして、この件は単に1人の神父の問題では無く、ボストンだけで約70人の神父たちが同じようなことを行っていたことが発覚いたします。

なぜ貧しい家庭の子どもばかりが狙われていたかと言うと、いざとなったらお金で済ませようという神父の魂胆です。

 

それに驚く「SPOTLIGHT」の記者たち。

しかし、事はもっと大きく、「The Boston Globe」の上の人間がこの事実を知りながら、見て見ぬふりをしていたことも発覚いたします。

 

アメリカ合衆国全土を揺るがしかねない一大スクープ。

「The Boston Globe」の記者たちは、巨大な権力に対し、「真実」を記事にできるのであろうか・・・。

 

カトリックを信じ続けた記者たちが知る驚くべき事実。

被害を受けていた当時少年だった人への取材で語られる生々しい神父が行った性的暴行は聞いていて辛かったです。

 

自分たちの神であった存在のカトリック協会がおぞましい行いを隠蔽していた。

そのことを知った記者が、「もう教会へ行くな」と自分の子どもに言い聞かせようといたします。

子どもは不審に思い「なぜ?」と問いただすのですが、説明ができない父親の苦悩がよく描かれております。

 

オスカー候補になったレイチェル・マクアダムス

いつも通り、お美しい。

彼女の存在が暗く、重い本作の一服の清涼剤的になっております。

 

・・・ですが、彼女たちの書き上げた記事を目の当たりにした母親が、自分が今まで信じていたものの正体を知り、そしてもう信じていた神はいないと悟ったときの絶望的な表情は、単にヘンタイ神父の行動に収まらず、今までカトリック協会を信じていた人たち(信者)への最大の背信行為だったと言えます。

 

この映画を日本のマスゴミに観てもらいたい1つ目の理由に「権力を持った人間のパワハラ・セクハラと言える未成年者への性的暴行(虐待)」の事実です。

これに関しては、本作と一緒にクリント・イーストウッド監督作品『ミスティック・リバー』(2003)も観てもらえればと思っているのですが、まだ物事の判別がつきにくい年齢の人への性的暴行はいつまでも消えない傷となってしまうということです。

本作でも大人になってからも麻薬でボロボロになったり、自殺をしてしまった少年の存在も明らかになります。

 

アカデミー賞作品賞受賞ですが、これに関しては批評家も賛否意見が分かれておりました。

下馬評では前回の記事の『ドント・ルック・アップ』のアダム・マッケイ監督の『マネー・ショート 華麗なる大逆転』が最有力と言われていたそうですが、ギリギリになって本作が強さを出してオスカー獲得となったと言われております。

この年のアカデミー賞は”レオ様祭り”と言われるほどレオナルド・ディカプリオアカデミー賞最優秀主演男優賞受賞で盛り上がった年で、作品賞はあまり話題になりませんでした。(正直かなり地味な作品ですし)

 

常識では考えられないタブーを打ち破った「The Boston Globe」の5人の新聞記事の”ジャーナリズムのあり方”を描いた作品です。

今までずっと疑問に思ってきたことですが、なぜ日本のマスゴミは加害者の人権は尊重するのに被害者の人権は無視し続けるのだろうということでした。

 

ジャニーズ事務所、読売、巨大な権力にもの言えない。

それもありかもしれません。大いに結構。

しかし、そのとき、日本のジャーナリズムは終焉を迎えます。(と、言いますか、そんなものは最初から無かったのかもしれません)

本作、『ミスティック・リバー』、そして『大統領の陰謀』(1976)を観て、「真のジャーナリズムとは何か?」を手遅れになる前にもう一度考えてもらいたいです。

 

 

 

『ドント・ルック・アップ』

『ドント・ルック・アップ』

原題:Don't Look Up

 

2021年製作/アメリカ映画/上映時間:138分/PG12/2021年12月24日日本公開

 

監督:アダム・マッケイ

出演:レオナルド・ディカプリオ

   ジェニファー・ローレンス

   ロブ・モーガン ほか

 

彗星衝突という地球の危機を察知した落ちこぼれの天文学者と教え子が、世界中にその事実を伝えようと奔走する姿を、『バイス』、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のアダム・マッケイ監督が描いたコメディドラマです。

2022年・第94回アカデミー賞では作品、脚本、編集、作曲の4部門にノミネート。

 

あらすじ

 

さえない天文学者ランドール・ミンディ教授(レオナルド・ディカプリオ)と教え子の大学院生ケイト(ジェニファー・ローレンス)は、あるとき地球衝突の恐れがある彗星(すいせい)の存在に気付く。二人はオーリアン大統領(メリル・ストリープ)とその息子であるジェイソン補佐官(ジョナ・ヒル)と対面したり、陽気な司会者ブリー(ケイト・ブランシェット)のテレビ番組に出演したりするなどして、迫りくる危機を世界中の人々に訴えようと奮闘する。しかし二人の熱意は空回りし、予期せぬ方向に進んでいく。

シネマトゥデイより)

 

地球に接近する巨大彗星の存在に気付いた天文学者と教え子が、世界中にその事実を伝えるべく力を尽くす姿をコミカルに描いた風刺ドラマです。

共にオスカーを受賞したレオナルド・ディカプリオジェニファー・ローレンスが主演。

共演には『テキサス・ロデオ』などのロブ・モーガン、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などのジョナ・ヒルのほか、ティモシー・シャラメアリアナ・グランデケイト・ブランシェットメリル・ストリープと超豪華キャストが集結。

 

Netflixにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

「母の日」ということで、それっぽい映画を・・・と思っておりましたが、Twitterの映画サイトで本日、5月14日はケイト・ブランシェット、54歳のお誕生日という知らせを知り、「これはお祝いに出演作を」と思いました。

候補として、すでに鑑賞済みの『ハンナ』(2011)、『ブルージャスミン』(2013)、未見の『ソング・トゥ・ソング』(2017)と考えたのですが、やはり観ていない作品がいいと思い、最終候補でDisney+の『シンデレラ』(2015)と本作の2本に絞り、『シンデレラ』は先日Disney+で『ピーター・パン&ウェンディ』観たばかりだったので、「またDisneyの実写映画化か・・・」という気持ちと母の日に不向きと思い(意地悪なまま母役なので)、こちらの超・豪華キャストの本作を選びました。

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008)はスッカリ忘れておりました。(苦笑)

 

HappyBirthday!

 

天文学専攻のランドール・ミンディ博士は、落ちこぼれ気味の天文学者。ある日、教え子の大学院生ケイトとともに地球衝突の恐れがある巨大彗星の存在を発見し、世界中の人々に迫りくる危機を知らせるべく奔走することに。

 

仲間の協力も得て、オーリアン大統領と、彼女の息子であり補佐官のジェイソンと対面したり、陽気な司会者ブリー(ケイト・ブランシェット)によるテレビ番組出演のチャンスにも恵まれ、熱心に訴えかけますが、相手にしてもらえないばかりか、事態は思わぬ方向へー。果たして2人は手遅れになる前に彗星衝突の危機から地球を救うことが出来るのか・・・。

 

ケイト・ブランシェット Catherine Élise Blanchett

 

1969年5月14日、オーストラリア ビクトリア州メルボルン生まれ。

 

メルボルン大学メソジスト女子カレッジで美術史と経済学を学んでいたが中退し、オーストラリア国立演劇学院で演技を学びます。

1993年に出演した舞台でシドニー劇場批評家協会賞で新人賞を受賞。

1994年の映画デビュー。

1998年の『エリザベス』でエリザベス1世を演じ、ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞(ドラマ部門)を受賞。

アカデミー賞にもノミネートされ、一躍トップスターになります。

 

2001年からの『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでガラドリエルを演じ、実力派の女優の地位を築き、2004年の『アビエイター』で往年の大女優、キャサリン・ヘプバーンを演じ、アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。

2013年、ウディ・アレン監督の『ブルージャスミン』でゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)、アカデミー賞最優秀主演女優賞をW受賞。

2022年、『TAR/ター』(現在劇場公開中)で、二度目のヴェネチア国際映画祭 女優賞を受賞。

Wikipediaを参考にさせていただきました)

 

本作にも出演のメリル・ストリープと並ぶ、完ぺきと言える演技力の持ち主のように思います。

演じる役柄も幅広く、間違いなく現在の映画界トップクラスの女優さんです。

お気に入りは・・・ストリープ同様、傑作が多いので迷いますが、『エリザベス』は女王版『ゴッドファーザー』のようなストーリーでかなり好きです。

ほかは、『ブルージャスミン』と『キャロル』(2015)が好きです。

 

『TAR/ター』で二度目のアカデミー賞最優秀主演女優賞・・・と思っていたのですが、惜しかったです。

やけとおめでたい日だからと言って、こんな勢いの飲まないでくださいね。

 

バイス』の監督作品らしく、社会風刺が効いた強烈なブラックコメディでした。

配信を前提に作られた映画で、この人気・実力派のキャストを揃える、揃えられるNetflixの本気度を感じる映画と言えます。

 

ミシガン州立大のケイト(ローレンス)がすばる望遠鏡で観察中に彗星を発見。

それは半年後に地球に衝突し、間違いなく全人類が消滅してしまうものでした。

そのことをホワイトハウスの人に言うと、「スバル(SUBARU=日本の自動車メーカー)は望遠鏡も作ったのか?」と言われる始末。

ここで、まず大爆笑。

でも、ほとんどが日本の企業の三菱電機が作ったのは間違いないんですけどね。

 

レオ様演じるミンディ博士は「彗星の爆発の威力は広島の100億倍以上(この比較は日本人には多少思うものがありましたが、分かりやすかった)」と大統領に言っても、ストリープ演じる大統領は現在抱えているスキャンダルもみ消しと支持率アップ、次期選挙で彗星のことなど眼中にない・・・。

 

大統領と取り巻き(息子など)の無能ぶりは映画製作時の大統領だったトランプへの皮肉にも思えました。

また前例の無いことへの対応の悪さというところでは『シン・ゴジラ』の日本政府や、今回の新型コロナウイルスの対応の後手後手と被るものがあります。

 

当初は有人の廃棄スペースシャトルに核を搭載し、ミサイルと一緒に破壊する予定でしたが、ハイテク企業のCEOが突然現れ、その作戦は急遽中止。

その彗星には大量の希土類元素があり、それを手にすれば巨万の富をアメリカは手にすることができる。

 

人類滅亡のカウントダウンだと言うのに、自国の利益しか考えない大統領。

悪役は珍しいストリープですが、こういう役も本当に上手い!

前大統領に「最も過大評価されている女優」と言われましたからね。

反撃の倍返し。

 

なぜ有人なのか?

大統領曰く、「(死んでしまう)ヒーローが必要だから」。

某『アルマゲ○ン』をパロった描写に二度目の大爆笑。

・・・不謹慎ですが。

 

ティモシー・シャラメも出演。

それほど多く無いと思っていた出演シーンでしたが、後半のかなり重要な役柄を演じていて、「本当に贅沢なキャスティングだな~」と思ってしまいました。

 

オールスター映画は失敗するケースが多いのですが、本作は成功していると思いました。

やはりレオ様の演技力は高く、観る人を惹きつけるものがあります。

科学者は「100%」とは言わないのですが、(「エヴァンゲリオン」の赤木リツコ博士も言わなかったですね)「100%じゃないなら絶対じゃ無いですよね」と信じてくれない世論に振り回される役です。

 

ジェニファー・ローレンスも良かったです。

ストリープ、ケイト・ブランシェットと大御所との共演でしたが、かすむこと無く、対等以上の演技力を発揮。

 

※以下、多少ネタバレあり。※

 

もう肉眼で彗星が見えている段階に来ても「上を見ちゃダメよ~(Don't look up)」と呼びかけ続ける大統領。

はたして希土類元素を手に入れ、その後、彗星を爆破するという計画は成功するのか・・・?

 

ジョナ・ヒル演じる大統領のボンクラ息子がいよいよヤバい状態になったとき、「死ぬのはお前ら底辺にいる人間だけだ。オレたち上流の人間は生きる権利がある」なる暴言連発。

まあ、このような状態になったとき、人はホンネを吐き出しますからね。

 

逆に最後の晩餐とばかりにレオ様やジェニファー、ティモシーらが揃う終盤の家族での食事のシーンは胸が熱くなるものでした。

 

ウルトラマン」の怪彗星ツイフォンも、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のアクシズ落としも地球には衝突しませんでしたが、本作の結末は、あのキノコ雲が映し出され「また会いましょう♪~」という歌が流れるスタンリー・キューブリックの名作『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』の結末に似た、残酷なのですが、なぜかユーモラスに映るものでした。

 

「笑えない」、「面白くない」というレビューも多い本作ですが、もし、このような状態になったとき、リーダーシップを(勝手に)取るのはアメリカ合衆国です。

その政府がとんでもなく無能だったらという彗星衝突以上の恐怖を猛毒たっぷりに描いたアダム・マッケイ監督お得意の風刺ドラマで、自分は好きです。

SNSに依存し続ける人類への皮肉も痛烈でした。

 

 

改めまして、ケイト・ブランシェット、お誕生日おめでとうございます。