『ザ・スーサイド・スクワッド ”極・悪党、集結』
原題:The Suicide Squad
2021年製作/アメリカ映画/上映時間:132分/R15+/2021年8月13日日本公開
監督:ジェームズ・ガン
出演:マーゴット・ロビー
ジョン・シナ ほか
「バットマン」や「スーパーマン」を生んだDCコミックスに登場する悪役たちがチームを組んで戦う姿を描いたアクションエンタテインメント映画です。
圧倒的に不利な条件の下、減刑と引き換えに悪役たちが激しいバトルが繰り広げられます。
監督と脚本を手掛けるのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズなどのジェームズ・ガン。
あらすじ
クレイジーなハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)、最強スナイパーのブラッドスポート(イドリス・エルバ)、敵をチーズに変える能力を持つポルカドットマン(デヴィッド・ダストマルチャン)ら凶悪な犯罪者たちを集め、特殊部隊が結成される。彼らは成功すれば刑期短縮、失敗すれば即死、命令に背けば首に埋め込まれた爆弾で殺されるという命懸けのミッションに挑む。
(シネマトゥデイより)
DCコミックスの悪役たちを集めて結成された「ザ・スーサイド・スクワッド」が、巨大な敵に立ち向かう姿を描くアクション巨編です。
『バービー』などのマーゴット・ロビー、『パシフィック・リム』などのイドリス・エルバ、『ロボコップ』などのジョエル・キナマンらが出演。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく見放題配信終了とのことでしたが、過去作を観ておりませんでしたので悩みました。
でも、やっぱりジェームズ・ガンの作品は「観たい」と思い、今回は本作を選びました。
相変わらずの”悪ノリ”感、全開だったジェームズ・ガンらしさがあふれた映画でしたが、結論から言ってしまうと、さすがに『ガーディアンズ~』には及ばなかったかな~?と言った印象です。
本編スタート前にWB(ワーナー・ブラザーズ)から「本作はR15+指定でかなり不適切なシーンが取り込まれております。しかし作者の意向を尊重し、そのまま上映いたします」という断り書きが出たとき笑ってしまいました。
映画はマーゴット・ロビーは引き続き出演しておりますが、2016年版の続編と言うより新たに作られた『スーサイド・スクワッド』らしいです。
おかげで過去作を観ていなくても分かりやすい作りになってくれていて良かったです。
・・・ですが、さすがにR15+指定映画で、お下品さ、下ネタ、驚くほどのグロ描写がてんこ盛り。
特にグロに関してはR18+指定でもいいのでは?と思ってしまうほどでした。
シネマトゥデイのライター7人の評価も男性6人は満点の★5でしたが、唯一の女性ライターは★3でした。
何となくうなずけます。
血の出るシーンが苦手な方にはオススメできません。
またドブネズミの大量発生など、汚らしいものも登場しますので、こちらも苦手な方はご注意を。
幸い私は食事をしながらの鑑賞だったので、思わず「うげっ・・・」となってしまったことが度々。
終盤登場する巨大ヒトデ怪獣のB級感には爆笑してしまいました。
ここまで好きに作らせてくれたジェームズ・ガンのやりたい放題ぶりにはあっぱれですが、それを許可し、観る人を選ぶR指定のアメコミ映画をかなりの製作費で作らせることをしたWBの懐の深さも凄いものがあったと感じました。
のちのジェームズ・ガン監督作品『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』にも出演した(どこに出ていたのか覚えておりませんが)、ラットキャッチャー2を演じたポルトガル出身の女優さん、ダニエラ・メルヒオールがなかなかステキで良かったです。
その『ガーディアンズ~』との共通するものも多く、世間から虐げられ、のけ者的になってしまった人間の底力。
強く、カッコよく、憧れるようなヒーローと真逆を行く彼らの姿が、逆に愛着がわき、応援したい気持ちになります。
サメ人間・キング・シャークの声を担当したシルヴェスター・スタローン曰く、「脳みそを家へ置いて観に行け」(スタローンは常にそうじゃない?)の言葉通り、理屈など無縁の、頭空っぽにして観るのがベストな映画だと思いました。
ただ、それだけでは無い映画なのが、本作の良かったところです。
自国に不利益な存在を、いかにも「それらしい」理由で排除しようとするアメリカの姿や、その巨大権力に切り捨てられる弱者など、しっかりとしたテーマも盛り込まれているところは評価できます。
今思い返すと『ガーディアンズ~』シリーズだけ、MCU作品で独特の”色”があったように思います。
その『ガーディアンズ~』を手がけたジェームズ・ガンの完全オリジナルシナリオの本作は悪ノリ、不謹慎、そして友情と愛とジェームズ・ガン全部乗せ的な面白さがあり、そして感動すら覚えます。
これから生み出されるジェームズ・ガンのDCユニバースに期待をもたらす映画だったと思いました。