『ジョジョ・ラビット』
原題:Jojo Rabbit
2019年製作/アメリカ映画/上映時間:109分/G/2020年1月17日日本公開
監督:タイカ・ワイティティ
出演:ローマン・グリフィン・デイヴィス
トーマシン・マッケンジー
スカーレット・ヨハンソン ほか
『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督が第2次世界大戦時のドイツに生きる人びとの姿を、ユーモアを交えて描き、第44回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞した人間ドラマです。
第92回アカデミー賞で作品賞ほか6部門でノミネートされ、脚色賞を受賞。
あらすじ
第2次世界大戦下のドイツ。10歳のジョジョ(ローマン・グリフィン・デイヴィス)は、青少年集団ヒトラーユーゲントに入団し、架空の友人であるアドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)に助けられながら一人前の兵士を目指していた。だがジョジョは訓練中にウサギを殺すことができず、教官に“ジョジョ・ラビット”というあだ名を付けられる。
(シネマトゥデイより)
第2次世界大戦下のドイツを舞台に、ヒトラーを空想上の友人に持つ少年の日常をコミカルに映し出した人間ドラマです。
『ブラック・ウィドウ』などのスカーレット・ヨハンソンや『スリー・ビルボード』などのサム・ロックウェルらが共演。
タイカ・ワイティティ監督がヒトラーを演じております。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
映画館以来の鑑賞になります。
期間限定レンタル料¥100のラインアップに入っており、もう一度観てみたいと思いレンタルいたしました。
第2次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョは、空想上の友だちであるアドルフの助けを借りながら、青少年集団「ヒトラーユーゲント」で、立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた。
しかし、訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかいの対象となってしまう。
母親とふたりで暮らすジョジョは、ある日家の片隅に隠された小さな部屋に誰かがいることに気づいてしまう。それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女だった・・・。
少し辛口の意見から。
映画館で鑑賞したとき、それほど感動いたしませんでした。
いかにもメイド・イン・USAと言うべきハリウッドが描いたドイツを舞台にした反ナチス映画です。
当然、セリフはすべてドイツ語では無く英語。
出演者もドイツ人では無く、主人公のジョジョをイギリス人少年が演じ、スカーレット・ヨハンソン、サム・ロックウェルらアメリカ人が脇を固めます。
ヒトラーという独裁者がロクでもない人間であることは間違いありません。
しかし、ここまで道化に描き、笑いものに出来るのは、アメリカがナチスドイツに勝利したからだと思います。
でも、ドイツと同盟を結んでいた日本が同じようにハリウッド映画で描かれたら、今の日本人はどう思うでしょうか?
英語を堪能に話す日本人。
面白おかしく描かれる東条英機が出てきたら・・・。
そう思うと、観ていてあまりいい気分はしませんでした。
スカーレット・ヨハンソン演じる母親は自宅にユダヤ人少女を匿っている反ナチス。
そのビラを配っております。
しかし、その息子のジョジョはヒトラーを崇拝し、ナチス予備軍ヒトラーユルゲントに入っております。
ここに本作の矛盾を感じてしまいます。
知らない人に反ナチをアピールする前に自分の息子にヒトラーの真の姿を教えるべきではないでしょうか?
当時のドイツ人の中でも、ヒトラーに批判的な人間は多かった。
そのことをもっと深く描いてもらいたかったです。
・・・ただ、全体的にコメディ・タッチの映画なので、ピエロのヒトラーはおバカなゲシュタボも許容範囲だったかな?とは思いながら観ておりました。
悪を善に。
人種差別や迫害を正しいことと教え込むマインドコントロール。
純粋過ぎるほどの子どもだからこそ、これらのことを信じ込んでしまう姿は残酷に映ります。
そんな少年たちに武器としてナイフを携帯させ、時にロケットランチャーまで持たせる戦争の狂気。
コメディ映画の中に、戦争の恐ろしさを上手く取り入れていたところは見事でした。
2度目の鑑賞でしたが、1回目よりは胸に響くものがあったと思います。
主人公のまっすぐな瞳がすべてを語っている映画だと思います。
ユダヤ人は悪魔と教え込まれた少年が本物のユダヤ人少女を目の当たりにし、自分の気持ちに気づいていく・・・。
ヒトラーは実は陰で悪事を働いていたと知り、空想の友人だったアドルフを消去する。
「あざとさ」がいいと言っている評論家もいらっしゃいますが、それは微妙。
主人公の少年の子役の演技はその年アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞の『ジョーカー』のホアキン・フェニックスに匹敵するとも書かれておりましたが、それは過大評価。
悪い映画ではありませんが、トロント、アカデミー賞、日本人観客にウケておりますが、ヨーロッパの人(特にドイツ人)がどう評価しているのか気になる作品です。
やはり戦(いくさ)は勝ってなんぼですね。
負けた日本人に文句を言う資格は無いのかもしれません。
ちなみに、本日11月22日はスカーレット・ヨハンソン、37歳のお誕生日です。
HappyBirthday!