『Mank/マンク』
原題:Mank
2020年製作/アメリカ映画/上映時間:132分/G/2020年12月4日日本公開
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ゲイリー・オールドマン
リリー・コリンズ ほか
『市民ケーン』の脚本家、ハーマン・J・マンキウィッツを主人公にした人間ドラマです。
「マンク」と呼ばれた脚本家がアルコール依存症に苦しみながらも、後に名作となる脚本を手がける姿が映し出されます。
2021年・第93回アカデミー賞において、作品賞、監督賞、主演男優賞(ゲイリー・オールドマン)、助演女優賞(アマンダ・セイフライド)など同年度最多の10部門ノミネートされ、美術賞、撮影賞を受賞。
あらすじ
社会を鋭く風刺するのが持ち味の脚本家・マンク(ゲイリー・オールドマン)は、アルコール依存症に苦しみながらも新たな脚本と格闘していた。それはオーソン・ウェルズが監督と主演などを務める新作映画『市民ケーン』の脚本だった。しかし彼の筆は思うように進まず、マンクは苦悩する。
(シネマトゥデイより)
『ソーシャル・ネットワーク』などのデヴィッド・フィンチャーが監督を手掛けた、名作『市民ケーン』の脚本家ハーマン・J・マンキウィッツを描いたNetflixオリジナル映画です。
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』などのゲイリー・オールドマンが主人公を演じ、『マンマ・ミーア!』シリーズなどのアマンダ・セイフライドや、『あと1センチの恋』などのリリー・コリンズらが共演。
今月もよろしくお願いいたします。
Netflixにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
本日、12月3日は私の大好きな女優さん、アマンダ・セイフライド、38歳のお誕生日です。
お祝いの気持ちを込めまして、出演作品を選ばせていただきました。
アマンダ・セイフライド Amanda Michelle Seyfried
1985年12月3日、アメリカ合衆国・ペンシルベニア州アレンタウン生まれ。
11歳でモデルとしてデビュー。
2004年の『ミーン・ガールズ』でレイチェル・マクアダムスらと共に話題になります。
2008年公開の『マンマ・ミーア!』の大ヒットで世界的に注目されます。
『マンマ・ミーア!』で共演したドミニク・クーパーと交際しますが、2010年に「遠距離恋愛に耐えられなくなった」という理由から破局。
同年、ライアン・フィリップスとの交際がスタートしますが、翌2011年5月に破局。
2012年、ジョシュ・ハートネットとの交際が報道されます。
2013年、ジャスティン・ロングとの交際が報道される・・・と恋多き女性と名をはせます。
2016年にトーマス・サドスキーと交際し、2017年に結婚。現在2児のママです。
フェミニストで男性俳優より女性俳優がギャラが少ないハリウッドの賃金格差について改善を求める声を上げているそうです。
名前はセイフライドと表記されることが多いですが、”サイフリッド”、”サイフレッド”、”サイフレード”、”セイフリード”と表記されることもあります。
本作の演技で初めてのアカデミー賞ノミネート。
目の大きな特徴のある女優さんですね。
お気に入りは『レ・ミゼラブル』かな?
HappyBirthday!
(Wikipediaを参考にさせていただきました)
ハリウッドの業界の人間が選ぶ映画史上最高傑作と呼ばれることの多いオーソン・ウェルズ監督&脚本&主演の『市民ケーン』(1941)。
日本の映画ファンにはそれほど高い評価はされておらず、実際わたくしも1回だけ観たことがあるのですが、「どこがいいの?」と思ってしまいました。
映画人オーソン・ウェルズとして観て、1947年の監督&出演&脚本の『上海から来た女』も「・・・」な感想。
俳優として出演した1949年の『第三の男』が一番印象に残っております。
ただ主役では無く、本来出演を断りにウィーンのセットへ訪れたとき、そのセットのすばらしさに一目惚れして出演を承諾したとの逸話が残っております。
日本ではニッカウヰスキーのコマーシャル(1976)に出演したのが有名です。私もこれで初めてお顔知りました。
(またまたWikipediaを参考にさせていただきました)
この映画を楽しむためには、まず『市民ケーン』を一度は観ておかなければいけません。
そして、この時代のハリウッドの映画作りのシステム、ニュース動画が映画館でしか観られない時代だったので、いわゆる”虚偽”の選挙広告を上映していたりしておりました。
『市民ケーン』は実在の新聞王、ウィリアム・ランドルフ・ハースト(写真右)がモデルと言われております。
なぜマンクはハーストを激怒させるシナリオを書いたのかが、この映画一番の大きなテーマとも言えるかもしれません。
ハーストは部数を伸ばすために「ウソやねつ造はOK」という方針で購買数を増やし、政界にも進出。
アマンダ・セイフライド演じるマリオン・デイヴィスという愛人を映画スターにするため、映画会社まで製作してしまいます。
名作映画の誕生の裏側・・・というタイプの作品は多いですが、本作もその1本ですが、正直元ネタを知らないと分からないものも多いですし、多少知っていた程度の知識ではちんぷんかんぷんなところも多いです。
ゲイリー・オールドマンは存在感のある名演でした。
映画はゲイリー・オールドマンの独壇場になっておりましたので、その分、アマンダ・セイフライド、リリー・コリンズという今が旬の女優さんの見せ場が少なくなってしまったのは残念でした。
映画とは一体誰のものなのか?
これは、今日(こんにち)にも通じるテーマだと思います。
この時代、クレジットに名前の載らない脚本家は多かったそうです。
しかも政治的なテーマの『市民ケーン』ですと、なおさら厳しいと思います。
しかしマンクは「オレの最高傑作だから、名前を出してくれ」とオーソン・ウェルズに頼みます。
一人で書き上げたシナリオ。
ですが、後にオーソン・ウェルズが手直しをして共同脚本としてクレジットされ、2人にアカデミー賞脚本賞が贈られます。
手柄の半分を持っていかれたマンクは心中穏やかでは無いでしょう。
監督デビュー作『エイリアン3』でスタジオ側がズタズタにしてしまったことをまだ根に持っているデヴィッド・フィンチャー。
そうした過去がある監督にとって、マンクという男は他人に思えなかったのだと思いました。
1930年代のモノクロ映画のような薄暗さ、ハリウッドスタジオへの皮肉など、かなりの映画通で無いとついていけない作品ですので、あまりオススメはできません。
ただ、フェイクニュースなど近年のNet関連のものだけだと思っておりましたら、90年も昔から存在していたことに今も昔も変わらないと痛感いたしました。