原題:Carrie Pilby
2016年製作/アメリカ映画/上映時間:98分/PG12/2018年10月20日日本公開
監督:スーザン・ジョンソン
出演:ベル・パウリー
ネイサン・レイン ほか
ハーバード大卒の天才ながらコミュニケーション能力がゼロというヒロインの心の成長を描く青春映画です。
監督は、プロデューサーとしても活動しているスーザン・ジョンソン。
あらすじ
ニューヨーク、マンハッタン。IQ185を誇り、ハーバード大学を飛び級で卒業したキャリー(ベル・パウリー)は、仕事に就かず、友人も作らず、ただただ本を読んでばかりの毎日を過ごしていた。ある日、唯一の話し相手であるセラピストのペトロフ(ネイサン・レイン)からリストを渡され、記された六つの課題を実行するようにと言われる。キャリーは、金魚を飼い、好きだったチェリーソーダを飲み、新聞の出会い広告でデートの相手を探すといった課題をこなしていく。
(シネマトゥデイより)
トロント国際映画祭などで高評価を得た『ミニー・ゲッツの秘密』のベル・パウリ―主演の青春映画です。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
あまりバイオレンスシーンのある映画は観たい気分では無かったので、青春映画を選択いたしました。
ガブリエル・バーンが出演しているとは知らず、鑑賞前は知っている俳優は出演していないと思っておりました。
ニューヨークのマンハッタンで暮らすキャリーはIQ185でハーバード大学を飛び級で卒業した超エリート。しかし、コミュニケーション能力に欠け、屈折した性格の彼女は、友だちも仕事も持たずに暮らし、唯一の話し相手はセラピストのペトロフだけだった。
ペトロフはキャリーにリストを渡し、そこの書かれた6つの仮題を1カ月でクリアするように指示を出す。半信半疑ながらも、それらを実行していくキャリーは課題を通して、自分自身の変化に気づいていく・・・。
最近流行りの”こじらせ女子”、”恋愛空回り”の少し痛いヒロインが主人公の青春映画です。
主人公・キャリーを演じるベル・パウリー。
初めて知った女優さんですが、独特な個性を持った人だと思いました。
お顔はお世辞にも美人とは言えず、どちらかと言えばブサイクな方。
19歳には観えず(1992年生まれなので、撮影時はおそらく22~23歳くらい)老け顔。
ですが、この役は美人が演じては意味が無いので、キャスティングとしては見事ハマっていたと言えます。
ガブリエル・バーンは久々に拝見した気がいたします。
’90年代は『ミラーズ・クロッシング』、『ユージュアル・サスペクツ』と活躍されておりました。
まだまだお元気そうで良かったです。
高い知能指数が故に、つい他人を見下してしまうキャリー。
ハーバード大を飛び級で卒業したものの、周囲とのコミュニケーションは苦手。
「知的水準を下げてまで、人と付き合いたくない」と言う彼女にセラピストは「幸せになるためにするべきこと」のリストを渡す。ペットを飼う、友達を作るなど6つの課題をクリアしようとするキャリー。
主人公がコミュニケーション能力が欠如しているという設定には少し疑問も。
初対面の人間にも思ったことをズバズバ言ってしまうし、路上でヘンな楽器を演奏している怪しい人に大声で文句を言えてしまいます。
舞台はニューヨーク。
ヘタをすれば殺されかねないにも関わらず・・・。
むしろ、コミュニケーション能力は高い方だと思いました。
真希波・マリ・イラストリアスも『破』で唄っておりましたが、「幸せは歩いてこない。だから歩いていくんだよ」。
部屋に閉じこもっていても、自分の殻から抜け出さなけば、本当の幸せは訪れない。
一歩前へ進むことの勇気が大切というテーマはよく描かれていたと思います。
14歳でハーバード大学に入学してしまった少女。
頭がいいこと=ハッピーなことでは無い、むしろ苦しいことが多いのだと思いました。
他人の辛さを自分の辛さと思い、他人の幸せを自分の喜びに感じられてこそ、本当の人と人のコミュニケーションが生まれると思いました。
絶賛するほどの映画ではありませんが、人生迷っている人は観る価値があるかもしれません。