『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
原題:Mission: Impossible - Dead Reckoning Part One
2023年製作/アメリカ映画/上映時間:164分/G/2023年7月21日日本公開
出演:トム・クルーズ
レベッカ・ファーガソン ほか
1966年から1973年まで放映されたアメリカの大人気テレビドラマ「スパイ大作戦」を映画化した『ミッション:インポッシブル』のシリーズ第7作で初の2部作になります。
主演のトム・クルーズは本作でも製作も兼任。
共演にサイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソンらおなじみの面々に加え、『カセットテープ・ダイアリーズ』のヘイリー・アトウェルが新たに参加し、第1作に登場したユージーン・キットリッジ役のヘンリー・ツェーニーもカムバック。
2024年・第96回アカデミー賞において、音響賞、視覚効果賞にノミネート。
あらすじ
イーサン・ハント(トム・クルーズ)率いるIMFチームは、新兵器を探すミッションを下され、悪の手に落ちる前にそれを見つけ出そうとする。そんな中、IMFに所属する前のイーサンの過去を知る男が現れる。仲間たちと世界各地で命懸けの戦いを繰り広げるイーサンにとって、今回のミッションは絶対に成功させなければならないものだった。
(シネマトゥデイより)
トム・クルーズ主演のスパイアクション『ミッション:インポッシブル』シリーズの第7弾です。
スパイ組織IMF所属の腕利きエージェントであるイーサン・ハントが、人類を脅かす新兵器を追う姿が描かれます。
監督・脚本は「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」以降のシリーズを手がけているクリストファー・マッカリー。
Netflixにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
インディ、ジョン・ウィックに続き、「カッコ良すぎるオヤジ」(そういう感じまったくありませんが)、イーサン・ハントの活躍を観たくて、本当に楽しみにしておりました。(このあと、デンゼルおじさんも控えておりますね~)
本作、アカデミー賞で視覚効果賞にノミネートされたことは今知りましたが、それを破ったのが日本映画というのは本当に快挙と言える気がいたします。
トム・クルーズという人は「妥協」という言葉を知らないようです。
どんな危険なスタントも自らこなし、まさにタイトル通り「不可能」など無いとばかりに限界を超えるその姿には胸が熱くなります。
タイトルの『デッドレコニング』とは、「推測航法」の意味で、航行した経路や進んだ距離、起点、偏流などから過去や現在の位置を推定し、その位置情報をもとにして行う航法のことを指すそうです。
ロシアが開発したAIが自我を持ち、世界中の金融、防衛、情報などのネットワークに潜入し脅威になることが判明。
”それ”と呼ばれるこのAIを唯一制御できる2つで1つになる鍵を手に入れるため、イーサンを始めとするチームの活躍が描かれます。
コロナ禍の中、世界中でロケーションが行われた撮影には目を見張るものがありました。
特にイタリア・ヴェニスのロケーションの美しさは素晴らしかったです。
本作も『バービー』同様、様々な名作映画のオマージュ的な描写が用意されております。
クラシックな映画のファン、誰もが胸躍る、あのマックイーンの名作映画を彷彿させるシーンには感激。
・・・また、「違うかな?いや、でもそうだろう」と思ってしまう、あの宮崎駿監督のデビュー作の連想させるものも登場。
黄色いフィアット。
あちらは2つの指輪でしたが、こちらは2つの鍵をめぐる展開。
親日家のトムなら可能性無いとは言えないように思ってしまいます。
物語終盤のオリエント急行での死闘というのは、スパイ映画の原点とも言える『007/ロシアより愛をこめて』を連想してしまいます。
また橋の爆破シーンは『戦場にかける橋』。
列車の転落は『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』などなど・・・。
第1作目同様、列車の屋根でのバトルシーンもありますが、1作目はセットでしたが、本作は実際走る列車の上で撮影されたというので驚きの連続です。
シリーズ最長の上映時間ということもあり、会話の場面も多いので、そこで評価が分かれる可能性もありますが、基本、アクションシーンの連続で、2時間43分、アッと言う間に感じました。
また、トムの独りよがり映画にならないところがいいです。
前作に引き続き登場のレベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービーもちゃんと見せ場があり、とても魅力的でした。
新キャラの女性はMCU関係から。
『キャプテン・アメリカ』のヘイリー・アトウェルもステキでした。
刺客として登場する暗殺者を演じた『アベンジャーズ/エンドゲーム』などのポム・クレメンテイエフ。
ロシア人&フランス人のハーフの父と韓国人の母親という多国籍感がこの役柄に見事マッチしていて、すばらしいキャスティングでした。
人類がテクノロジーを駆使し作り上げた人工知能が自我を持ち、それが逆に人類の脅威になってしまう。
本作とは関係ないことかもしれませんが、50年以上前、『2001年宇宙の旅』、「ウルトラセブン」で描かれたものが、今現実になろうとしております。
スタンリー・キューブリックと円谷英二という2人の未来を予知したと言える天才の才能と、この2作品が今も愛されている理由のようなものを感じました。
ストーリーは多少荒削りなところがありましたが、それを気にする間も与えないほどのアクションシーンの連続には「あっぱれ!」です。
銃撃戦で大量の流血などといった描写は無く、肉体を使ったアクションがメインなので血が苦手な方も安心して観れる作品になっていたと思います。
続編がとても楽しみですね。
当初は本年、2024年公開を予定していたのですが、ストライキの影響で2025年に延期。
サブタイトルも変更されるそうです。
またトムがどんなスタントに挑戦するのか、今からワクワクしております。