『ALONE/アローン』
原題:Mine
2016年製作/アメリカ・スペイン・イタリア合作映画/上映時間:106分/PG12/2018年6月16日日本公開
監督:ファビオ・レジナーロ&ファビオ・グアリョーネ
出演:アーミー・ハマー
アナベル・ウォーレス
トム・カレン ほか
『君の名前で僕を呼んで』のアーミー・ハマーが主演を務め、砂漠の地雷原に迷い込んだ兵士が容赦ない自然の脅威や自分自身の過去のトラウマに襲われる姿を描いたアクションスリラーです。
『YES / NO イエス・ノー』の脚本を手掛けたファビオ・レジナーロとファビオ・グアリョーネが監督を務めております。
あらすじ
テロリストの暗殺に失敗したアメリカ軍の兵士マイク(アーミー・ハマー)は、逃走中に誤って3,000万以上の地雷が埋まる砂漠の地雷原に入ってしまう。仲間が目前で爆死した直後、彼も地雷を踏んでしまい一歩たりとも動けなくなる。救出隊の到着までの52時間、自然の脅威や過去のトラウマのフラッシュバックに襲われながら、自分との戦いを強いられ……。
(シネマトゥデイより)
地雷を踏み、身動きが取れなくなった兵士の孤独な戦いを描いたアクションスリラーです。
主人公を、『君の名前で僕を呼んで』でゴールデン・グローブ賞などにノミネートされたアーミー・ハマーが演じるほか、『アナベル 死霊館の人形』などのアナベル・ウォーリスらが共演。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく見放題終了とのことと、予告編を観て興味を持ち、今回は本作を選びました。
暗殺のミッションに失敗した、若きアメリカ兵士・マイク。逃れた先が、3000万以上の地雷が埋まる地雷原だと気づいたその時、目の前で仲間の兵士が爆死。さらにその瞬間、“カチッ!”…。自らも地雷を踏み、一歩足りとも動けない絶体絶命の窮地に立たされる
援軍と連絡も途絶え、救出まで52時間。その間、容赦なく次々に押し寄せる自然の脅威と、心に封印してきた過去のトラウマからくる激しいフラッシュバックに襲われ続ける。現実と幻覚の間を彷徨い、己との孤独で壮絶な戦いを強いられた男の運命は・・・。
テロリスト暗殺の任務に失敗し、地雷原に迷い込み、相棒は目の前で爆破。
自分も足元でカチっという音がし、地雷を踏んでしまった主人公・マイク。
このような孤立無援、絶体絶命的なシチュエーションの作品は『キャスト・アウェイ』、『127時間』といった傑作がありますが、本作は如何に?
前回紹介した『大怪獣のあとしまつ』があまりに酷すぎるので、それに比べればというレベルですが、ハッキリ言って本作もかなり酷いです。
任務であるテロリスト暗殺に失敗するマイク。
原因が標的の息子がこれから結婚式を行うからと言う、何ともバカげた理由。
そして、テロリストの部下に発見され逃げ込んだのが地雷原。
目の前で相棒が爆破され、自分も地雷を踏んでしまう。
『キャスト・アウェイ』のトム・ハンクス、『127時間』のジェームズ・フランコは独壇場での演技でアカデミー賞にノミネートされております。
さあ、ここからアーミー・ハマーの演技力の見せどころだ・・・と思ったら。
もちろん、まったくその場から動かず1時間46分の映画にできるワケありません。
ですが、あまりにも回想・幻想シーンが多すぎです。
一番笑えた・・・と言いますか頭痛くなったのが、どこで覚えたか分かりませんが、英語ペラペラの現地の村人の男。
「お前はラッキーだ」、「一歩踏み出せ」なる意味不明な言葉を残す男。
彼に水筒を渡し、「水をくれ」と頼むマイク。
しかし、男はニヤけながら水筒を持ってどこかへ行ってしまう。
代わりに女の子が水の入った水筒を持ってきてくれるのですが、それは地雷によって死んでしまったこの男の娘だった。
突如砂漠に現れるガールフレンドの姿。
また、死んだはずの相棒が生き返りアドバイスを送る。
そんな幻想シーンの連発にイライラし、さらにどうでもいい主人公の幼少期、DVの父親の話しまで盛り込まれます。
この手の映画は主人公が助かることを前提に鑑賞すると思います。
観ている人はどうやって50時間以上の時間を一歩も動けない主人公が耐え、絶望的な状況を打破するかを楽しみにするのですが、まるで意味不明な人物の多数登場で”砂漠版・デヴィッド・リンチ”のような映画になってしまっております。
それで面白くなれば良いのですが、まったくの正反対。
真っ暗闇の深夜。
オオカミの群れが彼を襲います。
それらをすべて抹殺する凄腕。
それはいいのですが、朝には自分の足元にその屍が。
でも、次のシーンにはそれが一切無くなっている。
もう、どれがリアルでどれが幻想なのか分からないヘタな作り。
そして、あの驚愕の”オチ”に唖然。
アーミー・ハマーの演技もイマイチだったかな~?
原題のMineは”地雷”という意味があるそうですが、踏んでしまったのは主人公では無く、この駄作を観てしまった観客でした。