『修道士は沈黙する』
原題:Le confessioni
2016年製作/イタリア・フランス合作映画/上映時間:108分/G/2018年3月18日日本公開
監督:ロベルト・アンドー
出演:トニ・レルヴィッロ
ピエルフランチェスコ・ファビーノ ほか
『ローマに消えた男』のイタリア人監督ロベルト・アンドーが、世界経済を牛耳る大物政治家たちの集まりに招かれた清貧な修道士が思わぬ事件に巻き込まれていく様子を描いた社会派ミステリーです。
『グレート・ビューティー/追憶のローマ』などのトニ・セルヴィッロ、『ワンダーウーマン』のコニー・ニールセンなどが出演。
あらすじ
G8財務相会議の開催を明日に控えたドイツの高級リゾートホテルで、国際通貨基金の専務理事であるロシェ(ダニエル・オートゥイユ)の誕生日を祝う夕食会が開かれ、カルトジオ会の修道士サルス(トニ・セルヴィッロ)が招かれる。和やかな夕食会の後、サルスはロシェに呼び出されて告解をしたいと告げられる。その翌朝、ビニール袋をかぶって亡くなっているロシェが発見される。捜査が開始されサルスに疑いの目が向けられるが、彼は戒律に従ってロシェの告解の内容について話すことを頑なに拒む。
(シネマトゥデイより)
ある修道士がドイツの高級ホテルで開かれる財務大臣会議の夕食会に招かれ、事件に巻き込まれるミステリードラマです。
経済至上主義への批判を込めた物語が描かれます。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
今月いっぱいで見放題終了とのことで、今回は本作を選びました。
イタリア映画は久しぶりのような気がいたします。
ドイツ、ハイリゲンダムの空港に、イタリア人修道士、ロベルト・サルスが降り立つ。彼は迎えの車に乗り、ある国際的な会合が開かれる場に向かう 。
バルト海に面したリゾート地の高級ホテルで開かれる予定のG8の財務相会議。そこでは世界市場に多大な影響を与える再編成の決定がくだされようとしている。それは貧富の差を残酷なまでに拡大し、特に発展途上国の経済に大きな打撃を与えかねないものだ。
会議の前夜、天才的なエコノミストとして知られる国際通貨基金(IMF)のダニエル・ロシェ専務理事は、8カ国の財務大臣と、ロックスター、絵本作家、修道士の異色な3人のゲストを招待して自身の誕生日を祝う夕食会を催す。会食後、サルスはロシェから告解がしたいと告げられる。翌朝、ビニール袋をかぶったロシェの死体が発見される。
自殺か、他殺か? 殺人の容疑者として真っ先に浮上したサルスは、戒律に従って沈黙を続ける。間近に迫るマスコミ向けの記者会見。ロシェの告解の内容をめぐり、権力者たちのパワーゲームに巻き込まれたサルスは自らの思いを語り始める。果たして謎の死の真相は? そしてロシェがサルスに託したものとは・・・?
・・・う~ん、つまらない映画では無いのですが、少々分かりづらい。
タイトルと予告編から、ヒッチコックの『私は告白する』のようなミステリー、アッと驚く真相などなどがあるミステリー、サスペンスを期待してしまいますが、違いました。
絵本作家役でコニー・ニールセンという女優さんが出演しておりますが、この方、『ワンダーウーマン』の女王、お母さん役を演じております。
つまり、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』にも当然出演していて、同じ俳優さんの作品は続けて(シリーズものは除く)観ないようにしていたのですが、その沈黙は破られてしまいました。(沈黙と言うのか?)
懺悔(ざんげ)しようと思ったら、1日では終わらないほど叩けば埃が出まくると思う自分ですが、今まで協会で神父に告解したことはありません。
『私は告白する』でも描かれたように、神父には守秘義務があり、告解した内容を他者に話すことは一切ありません。
「資本主義社会」と「キリストの教えと赦し」との対決と言った構図のストーリーと言っていいと思うのですが、一筋縄ではいかない内容になっております。
G8の各国代表や地元警察の闇に、カマをかける神父の振るまいが毒があっていいですね。
完ぺきでは無い、そのパズルに慌てふためく姿が滑稽に観えます。
本作はミステリーと言うより、風刺の効いたブラック・コメディだと思いました。
『私は告白する』より、チャップリンの『偽牧師』に近いかもしれません。
神父のトリックに大騒ぎする先進諸国の人たちを尻目に淡々と引き上げていく姿が面白いです。
そして、ワンちゃんは誰が一番賢いか、ちゃんと分かっている。
・・・と、言うのが推測での感想ですが、大きくハズレていることは無いとは思いますが、映画としての感想はテンポも悪く退屈なシーンが多かったです。
タイトルに『沈黙』とありますが、スティーヴン・セガールは出演しておりません。